msn新潟撤退とJリーグの冬
今年の新潟の補強が昨年とは一転して随分大人しいというか、「坂本事件」のために戦力が実質マイナスになってしまったのを不可解に思っていたのですが、その背景にはmsnのスポンサー撤退があったようです。
浦和に次ぐ観客数を誇る新潟とはいえ残念ながらその人気は概ね新潟県内に留まり、しかもそれほどチームが強くないこともあってマスコミへの露出度は観客数の割には著しく低いといって差し支えありません。従ってmsnのような全国どころか世界的に事業を展開している企業が新潟をスポンサードするメリットを見出し難いと判断したものと推察されます。
福岡はさらに酷く、J加入時から一貫して胸スポンサーだった「ジョージア」と昨年まで背中スポンサーだった「ポケットバック」が共に撤退で、後任未定の模様。
地方に本拠を置くクラブで最も成功していると思われる新潟ですら資金力のあるスポンサーを継続的に確保するのが難しかったという事実は、地方クラブが都市圏のクラブに伍して戦ってゆく上で大きな桎梏になるのは間違いありません。
また新潟の成功に気をよくして、Jリーグはこれまで地方クラブの数を増やして「農村が都市を包囲する」戦略を立ててきたけれども、肝心のトップランナーだった新潟に限界が見え始めた今回のニュースはJリーグの戦略の見直しを迫ることにもなりうるでしょう。
「裾野を広げるには山が低すぎた」と思います。
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前日には久しぶりに東洋経済を購入。当然といっては何ですが、レッズの記事は全く新味なし。
むしろそれ以外のスポーツのほうに興味があったのですが、大半のボクシングジムにとって興行は赤字要因でしかないとか、バスケにJBLとbjリーグの2つがある理由だとか、個人的に面白い記事が2、3あったくらい。経済誌なのに数値の裏づけがほとんどない記事も見受けられ(プロ野球の記事が一番酷いんだな・・・)、総じて「買って損した」気分。同じ特集をダイヤモンドが組んだらもうちょっと面白いものが出来たかも。
で、比較的面白かったバスケの記事ですが、バスケ界が一気にプロ化へと向かわなかった主因はJリーグの失敗にあるとのこと。要するにプロ化したところで企業の負担が減るわけではないことが判ったので実力のあるチームが多数実業団チームのままJBLに残っているとのこと。
JBL参加チームにはJリーグクラブも持っている企業がいくつか名を連ねていますが、スポンサー側から「失敗」と見なされているJリーグ。
リーグ開幕まであとひと月余となりましたが、Jリーグの冬は長く続きそうです。
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