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2008.03.31

【観戦記】浦和 3-0 新潟

 3点も取ったのですからもちろん良い時間帯も長かったのですが、良くない時間帯もこれまた長い。退院したばかりの半病人と、白眼剥いている病人が闘っているような試合で、相手が健康体だったらスコアは3-2とか3-3でもおかしくないような試合内容でしたが、とにもかくにも1勝。攻撃は次第に良くなっていますが、守備はお寒いままといえども今はとにかく一つ勝って選手達が自信を取り戻すことが何より大事。相手が相手だったとはいえ、ホーム埼スタで大差をつけて勝てたのはなによりでした。一つ勝つのは大変。改めてそのことを強く思いました。

20080330niigata1

<浦和>

-----エジ-----
--暢久----永井--
相馬--------平川
---闘莉王--啓太--
-阿部-堀之内--堤--
-----都築-----

9分:啓太→細貝
68分:エジミウソン→梅崎
85分:平川→岡野

<新潟>

---矢野--アレ---
-寺川-----ダヴィ-
---千葉--本間---
中野-永田--千代-内田
-----北野-----

8分:本間→木暮
71分:寺川→田中
75分:アレッサンドロ→河原

 驚いたのは闘莉王のボランチ起用。スタメン発表ではMF登録になっていて、これは何かの悪い冗談、単なる目晦ましだろうと受け流していたのですが、ゲルトは唐突に闘莉王をボランチに据えました。これまでゲーム途中で闘莉王がボランチと化すことはありましたが、頭からボランチに入るのはおそらく初めて。長谷部がいなくなってボランチに攻撃的センスを有する選手がいなくなった(本来なら阿部がもうちょっと攻撃に絡めるはずなんですが、CBを長くやらされたせいか、すっかり攻撃センスが錆びついてしまいました・・・)ため苦肉の策として闘莉王を前に上げたのでしょうが、エジのポストプレーを受けて闘莉王がエリア内に突進した2点目は今日の狙いがズバリと嵌ったもの。

 2点先制した後はやや後方に下がってDFラインの前で防波堤となると共に組み立て役まがいもこなしており(前半からこれが出来れば言うことなしだったのですが、さすがに急造ボランチでそこまで求めるのは無理で、前半は単に前に釣り出されたCBと大して変わりなかったような・・・)、総じて予想以上の働きを見せてはいましたが、闘莉王ボランチを恒常化するのはどうでしょうかね? 

闘莉王はボランチとしては運動量が少ないのでどうしても相方の負担が強くなり、中盤が強い相手だと支えきれないかもしれません。そのため(ただでさえズルズル下がる癖のあるのに)DFラインが下がらざるを得ず、全体が間延びするという悪循環に嵌る可能性があります。前半15分くらいから以降と、後半3点目を取るまでの時間帯で新潟に押し込まれた(両サイドがやられ気味なのはもはやお約束ですが)のは闘莉王ボランチの限界を示すものだと思います。

 陣形の間延びという悪癖は今日も随所で顔を見せました。エジミウソンは得点こそありませんでしたが、最前線での橋頭堡としては十二分な仕事をしており、いかに早くエジミウソンをフォローするかがポイント。得点時はもちろん、前半立ち上がりの10分等浦和がチャンスを生み出した時間帯はそれが出来ており、良くない時間帯は悉くエジミウソンが最前線で孤立していました。

DFラインが下がるから中盤のプレスが掛からないのか、中盤のプレスが掛からないからDFラインが下がるのか、双方向に因果関係があるのでしょうが、陣形をコンパクトにして1トップを素早くフォローする好循環を生み出さないとなかなかチームが前進しません。この日は新潟が随所でミスを連発してくれるので助かったようなもの。また単純な連携ミスで大ピンチを招く場面も2つばかり。

 2点先制後は永井や暢久がサイドの守備に忙殺され、やっとボールを奪ってカウンターに移ろうとしても攻守の切り替えも遅ければ、エジミウソンをフォローすべき選手ははるか後方という場面もしばしば。エジミウソンがなぜか梅崎と交代を命ぜられた(下がるのはてっきり暢久だと思いましたが)後はカウンターで何度かチャンスを掴みましたが追加点はならず。終盤に平川に代えて岡野が投入されましたが、3点差なのに岡野のプレーがやや消極的なのか気になりました。しばらく勝っていない心理状態がこの辺に表れているのかもしれません。

 良くないところばかりだったような書きぶりになってしまいましたが、数多くの選手が絡んで敵陣を崩した3得点はいずれも素晴らしいもの。とりわけ闘莉王の2点目は昨年にはあまりなかった見事な崩しでした。新潟は中盤のプレスが甘いせいか、DFラインの前に浦和攻撃陣にスルスルっと入られて、屈強とは言いがたいCB陣が前を向いた浦和攻撃陣と対峙する場面がしばしば。3失点は当然の報いでしょう。

 あとは雑感をば。

・永井が凄い。シュートを外しては天を仰ぐ悪癖で格好の叩かれ役になっていた永井が最も頼もしい漢になる日が来るとは! サイドに流れてチャンスメーク、フォアチェック、そして時に後方まで下がってサイドの守備とタスクは誠に多岐。それだけでも働きぶりは十分なのに、この日は悪い流れを一変する決定的な3点目をゲット。いやはや恐れ入りました。

・啓太が突如負傷交代。しかしここはナビスコで細貝を鍛えておいた甲斐があったというもの。細貝は啓太と比べると相手を仕留める能力は劣りますが、前に出られるのが魅力。ただ闘莉王と組むと萌の良さが半減する上、そもそも萌に闘莉王のお守りはしんどいでしょうなぁ・・・

・堤はリーグ戦初スタメン。早い時間帯に謎のイエロー(見事にボールを掻っ攫ったように見えましたが・・・)を貰って多少やりにくくなり、ゴールライン際で新潟FWにあっさり交わされる場面もありましたが、ちょっとずつ経験を積んでいるのが手に取るように判ります。フィードが正確なのは魅力ですね。

・てっきり梅崎が先発と思ったのですが、アンゴラ戦に出た疲労を考慮してかスタメンは暢久。暢久は可もなく不可もなくといった出来で、やはり梅崎先発が望まれますが、梅崎はスタミナに問題があって清水・磐田と続く3連戦をこなせないと判断されたのでしょう。走ってナンボの大分育ちなのに梅崎にスタミナがないのは何とも不可解ですが・・・

・サテライト戦(vs瓦斯)で初めて見たときにも思ったのですが、梅崎は審判への文句が多い。くだらないイエローは極力避けてもらいたいもの。

・相馬の先制弾。尻すぼみになりかかった前半、あのゴールで浦和は生き返りました。ニアに上手くコントロールされたシュート。まぁGKがまともなら入らなかっただろうなとは思いますが、相馬らしくない良いゴールでした。

・坪井がついにスタメン落ち。ナビスコでは3バックのうち最もまともだったのは堤で、坪井は目も当てられない出来でしたから堤をスタメン起用するのは当然。ゲルト、GJです。暢久ないし平川のスタメン落ちも時間の問題でしょう。

・今の浦和相手に3-0を喫するようでは新潟は相当重傷の模様。2外国人はどちらもハズレ。これなら初めから河原&田中を先発させたほうがはるかにマシでしょう。元々外国人依存度の高いチームが外国人でババを引くとこんなものかと。矢野の献身的な働きには感心しますがそれだけでは点は取れないし、中盤をテコ入れしないと守備は崩れっぱなしかと。

P.S.

20080330niigata2

 みぞれ降る初冬のビッグスワンで半裸だったうぃあーが言うのもなんですが、おまいら風邪引くなおー 天候もさることながら、試合内容もアレだったし。

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