【展望】08年第7節大宮戦
・昨年までのイメージだと中盤フラットの4-4-2で引き気味に構え、各選手がバランスを保ちながら自分に与えられたポジションに引きこもってスペースを徹底的に消した結果、守備はいたって堅固なものの全くといっていいほど攻撃の形は作れない。従って試合のスコアは判で押したように1-0か0-0か0-1で、しかも代表に呼ばれるような個人能力に長じた選手がどのカテゴリーにもいないので興業的魅力に乏しく、金を払って見に行く観客がいるのかどうかはなはだ疑わしいサッカーを繰り広げていた、そんな大宮。
・まぁ、そんな大宮に一回も勝てず、「弱いほうのさいたま」「世界3位だがさいたま2位」の座を欲しいままにしている浦和がとやかくいう筋合いはないような気もしますが。
・しかし今年の大宮は明らかに一味違っていますね。京都vs大宮を録画観戦した際、大宮が高い位置から積極的にプレスをかけてきたのが印象に残りました。その代わりDFラインの裏にはぽっかりと大穴が空いています。
・まぁ、その方向転換が吉と出るか凶と出るかは蓋を開けてみないと判りませんが、新潟・千葉といった絶不調チーム相手に良いサッカーをしても、好調の名古屋や京都にはなるべくしてなった逆転負けを食らっている辺りにチームの完成度が伺えるような・・・ 要は90分持たないようです。従って浦和はお決まりの「ぼんやりした立ち上がり」だけは避けたいところ。前半を0-0で凌げば自ずから勝機が見えてきます。
・水曜日のナビスコ横浜M戦はメンバーを大幅に入れ替えて臨んだところ、右SB西村の退場も手伝って4-0の大敗。層の薄さを露呈するだけの結果になったどころか、主力の内田が負傷してしまうオマケ付き。全く参考にならないのでその前のリーグ戦第6節千葉戦の様子だけ掲げておきます。
【第6節:千葉 2-4 大宮】
--デニス----吉原--
内田-------小林大
---斎藤--小林慶--
波戸-富田--レア-村山
-----江角-----
*レア=レアンドロ
60分:小林大→金澤
76分:吉原→片岡
86分:デニスマルケス→ペトロジュニオール
(得点)
21分 デニス マルケス
31分 デニス マルケス
88分 片岡 洋介
89分 ペドロ ジュニオール
・この試合も高い位置からプレスを掛けてくる大宮の積極姿勢が目に付きました。大宮のキーマンは左SHの内田。横浜Cから今年移籍してきた選手ですが、実に運動量豊富で攻守に効いています。小林大のようなテクニックはあるけれどもそれほど運動量があるわけではない選手よりは今のスタイルに合っている模様。
・高い位置でボールを奪取すると、手数を掛けずにサイドの選手→FWとボールを運んで一気にフィニッシュへ。この日は千葉CBの応対があんまりでデニスマルケスの個人技で早々と2点取りましたが、それ以外にも大宮が前半に数々の決定機を作っています。
・ボランチも後方から支援にやってきますので攻撃はそこそこ厚みがありますが、中盤でタメてSBの攻撃参加をも促す感じではなさそう。この辺は同じ4-4-2でも鹿島や名古屋とはかなり違うかなと。
・しかし、千葉が選手交代で中盤を立て直す(左WBで何の役にも立っていなかったフルコビッチをボランチに据えた)といきなり形勢逆転。大宮は70分あたりから運動量が激減して中盤でボールが取れなくなり、右サイドからDFラインを再三ぶち破られて何度か決定機を与えてしまいました。試合そのものは終盤に2点取って千葉を突き放しましたが、後半急激に失速するという弱点はどうにもならない様子。
・ペトロジュニオール、デニス・マルケスの両FWは個人技が高いので少々やっかい。但しこれまで両者を併用した例はほとんどありません。どちらも「オレがオレが」になりやすいタイプなためなんでしょう。
・桜井、藤本、橋本が故障離脱中(動けない藤本はこのチームに合わないような・・・)。これらの影響はほとんど感じられませんが、内田が負傷欠場するとかなりラッキー。
| 固定リンク