【観戦記】浦和 1-1 INAC
東電から3点、日テレから3点、田崎から7点と爆発的に得点を重ねているINACを1点に抑えた守備は高く評価していいと思いますが、何度も右サイドからチャンスを作りながらシュートに持ち込めず、しかも数少ない決定機を2度も外してしまっては勝てるわけがありません。柳田の技ありゴールでなんとか同点に追いつきましたが、引き分けでよしとせざるを得ない試合でした。
ここまで負けてはいませんが、トップチーム同様モヤモヤ感の強い試合内容。試合終了後のスタンドの雰囲気は悪く、決定機を外しまくった安藤には厳しい野次が飛んでいましたがむべなるかなといったところ。庭田が戦列を離れて以来、攻撃に閉塞感が募ります。
---北本--安藤---
松田--------柳田
---森本--高橋---
岩倉-矢野--百武-土橋
-----山郷-----
58分:松田→若林
83分:森本→木原
前節東電戦で攻守のバランスが良くなった後半のフォーメーションをそのまま採用。森本に攻撃は期待できないので、2ボランチは明らかに高橋が前、森本が後といった位置関係を取っていました。
立ち上がりこそややINACに押し込まれましたが、5分過ぎあたりから中盤でボールが収まるようになり、柳田&土橋のボール交換で右サイドからチャンスメーク。惜しい場面もありましたが、総じて形は作るもののシュートには至らないという前節と同じ内容。相手GKはハイボールには強く、しかも守備範囲もそこそこ広いので、ふわりとしたクロスはGKにことごとくキャッチされてしまいました。にも関わらず、同じようなクロスを何度も上げてしまったのがこの日の一番の反省材料でしょう。
また高橋はやや前目に出ているものの、やはり2トップとの距離が遠くて2トップは終始孤立気味。従ってせっかくサイドでチャンスを作ってもいつも前線が薄い状態。FWがスーペルなら2人のコンビで打開でもいいのでしょうが、好調とはとても言いがたい今の2トップには荷が重すぎ。右サイドでタメを作っていた柳田が土橋に叩いた後にエリア中央に顔を出してようやく局面を打開できるかどうかといったところ。この辺りは庭田不在の影響がモロに出ており、どうにもならないのかもしれません。「柳田頼みの○サッカー」なのが現状。
左サイドはこの日も沈黙。松田、岩倉の連携はないも同然で、それぞれがドリブルで突っかけるだけ。これではよほど個人能力がないとサイドを崩せません。
INACのDF陣はタレントが揃う攻撃陣とは対照的に足元に不安があるようで安全運転に終始。従って前からプレスをかけると何かしらポロリとやってくれそうな感じなんですが、動かざること山の如しな北本にそれをやれというのは無理がありすぎ。
攻撃に早々と手詰まり感が漂う一方、前半の守備は及第点をつけていいでしょう。4-3-3で構えるINAC。プレチーニャを筆頭にタレントが揃う3トップに前を向かれると非常に厄介なのでその前に潰しておくのが肝要ですが、前半は中盤のプレスが良く効いて2、3人掛りでボールを奪い取る場面が目立ちました。当然ながらDFラインが完全に崩される場面はなかったかと思います。ただそれでもいったん押し込まれてしまうとスピードとテクニックを兼ね備えたプレチーニャは難儀な存在で、DFラインを崩しきらなくてもシュートを撃たれる可能性があり、実際ポスト直撃弾を一つ浴びてしまいました。
後半開始早々いきなり浦和が右サイドからビッグチャンスを2回作りましたが、いずれも安藤が決められず。1回目はやや角度がなくてバーを直撃してしまいましたが、GKにぶつけてしまった2回目は痛恨。
浦和が決定機を決められなかった一方、INACは最初のビッグチャンスをプレチーニャが決めて先制。失点は中央に入った松田が不用意にボールを失ったところからだったと思いますが、中盤でボールを失って簡単に3トップに繋がれるというのはもっともやってはいけないパターン。INACは落ち着いて前線でボールを繋ぎ、最後はエリア内左でどフリーのプレチーニャがゴール! 決定力の差を見せ付けられる格好に。
このミスがきっかけというわけではないでしょうが、村松監督は失点直後に松田に代えてエリを投入。エリは積極的に前に出る姿勢は良いのですが、やはり岩倉との連携が不十分なのでやや空回り気味。なぜか肝心なところで転んでしまう場面も2度ほどあってこの交代も決定打にはならず。
時間の経過に伴って浦和は中盤の守備がルーズになり、またミスも目立ちだして、次第にINACの縦パス、ないしロビングボールがが3トップに通り始めます。裏を取られて慌てた岩倉がプレチーニャを浴びせ倒してPK与。そこはGK山郷がシュートコースを読みきって事なきを得ましたが、今度は山郷がボールをファンブル?してがら空きのゴールにシュートを撃たれる大ピンチ。しかしそこも矢野が身を挺してはじき出すなどヒヤヒヤの場面が連続。
浦和はCKからの流れで柳田が技ありゴール(至近距離にいたGKをループシュートで交わしたもの)で早い時間帯に同点に追いつき、なおも両サイドから攻撃を仕掛け、CKもかなり貰ったのですが、如何せんシュートに持ち込めません。終盤足が攣ってしまった森本に代えて木原をボランチに投入し、右サイドからの木原のクロスが安藤に通る大チャンスがありましたが、これも安藤が決められず(決まっていたらオフサイドを取られただろうとは思いますが)。
何度もサイドから形を作りながら1点が遠いどころかシュートが遠い試合内容。同じような形で同じように失敗するので見ている側にはちょっと辛いものがありました。守備は出来ているのでベレーザ相手でも善戦は可能と思いますが、ベレーザとの差を詰める以前に東電、INACといった中堅どころとの差が縮まってしまった印象を受けたGWの駒場連戦でした。
P.S.
人気はないのにダンマクがあるという、なんだかシュールな出島の光景。でも一人だけバカでかい声を出すINACサポがいました。
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