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2008.05.04

【観戦記】神戸 1-1 浦和

 ゲルトは後半途中から永井を右WBに回すという大博打を打ちましたが、その後1得点1失点と成功とはいえないが失敗ともいえない微妙な結果に。

 攻撃面では暢久と高原に全くいいところがなく、およそ流れの中で点が入りそうになかったので、セットプレーで1点をもぎ取るしかないだろうと思い、事実その通りになったのですが、永井を右に回した副作用が顕著で立て続けに右サイドから決定機を作られ、そのうちの一つを決められてしまいました。

 浦和はサイドの守備は大博打を打つまでそこそこ出来ていたのですが、攻撃面ではサイドで1対1を作れず、常に数的不利での闘いを強いられました。2トップの出来もあんまりでしたが、浦和はそもそも攻めの形自体が大して出来ておらず、試合は実質的に神戸が支配していたと思います。

 ゲルトは残り5分で高原を諦めて闘莉王大作戦を敢行。後先を考えず目先の勝ち点3を取りに行くなら、CB北本を欠いている神戸DFを高さで潰すべく早い時間帯から闘莉王を最前線に出すのが早道だろうと思いましたが、ゲルトは実に辛抱強く高原を引っ張りました。しかし残念ながらその結果は凶と出ました。

20080503_kobe1

--高原----エジ--
-----永井-----
平川--------暢久
---細貝--闘莉王--
--堤--阿部-堀之内-
-----都築-----

49分:平川→相馬
65分:暢久→梅崎
87分:高原→内舘

--大久保--馬場---
-古賀------田中-
---ボッティ---金南一-
鈴木-柳川--北本-石櫃
-----榎本馬----

52分:馬場→松岡
72分:田中→吉田
77分:古賀→松橋

 この日の浦和で面白かったのは阿部が3バックの中央に、そしてこれまで右のストッパーを務めていた堤を左に、右に堀之内を配したこと。神戸がどんどんDFの裏にボールを入れてくるので、それに対応したものかもしれませんが、前半は大久保の個人技で一発危ない場面があっただけで非常に良い出来だったと思います。神戸のSHの飛び出しも浦和のWBがきっちり対応。

 また懸案の立ち上がりも浦和にすれば良かったほうでしょう。神戸の中盤のプレス網を掻い潜って両サイドに展開。一応やりたいことははっきりしているのですが、今日はここからがいけませんでした。サイドチェンジ等で良い形でWBがボールを受けるものの常に孤立状態。たちまち神戸に数的優位で守られてしまいます。左の平川は縦に突破して一応クロスを入れるのでまだマシなのですが、問題は暢久。あっさりバックパスという最悪状態は脱しているのですが、何度もボールをもらいながら中途半端に仕掛けて何度チャンスを潰したことでしょう。

 この日の浦和の布陣ははっきりした2トップ。故障で前節札幌戦を休んだ永井がトップ下として復帰しましたが、両WBへのサポートが遅いのもサイド攻撃が上手くいかなかった一因。梅崎との2シャドーだと2シャドーのどちらかがWBに加勢しやすいため、4-4-2の布陣に対してサイド数的同数を作りやすいのですが、京都戦で嵌ったエジ&高原の2トップがこの日は裏目に出たような感も。

 前半半ばあたりから浦和は神戸のプレス網を潜れなくなり、かといって神戸にも攻撃の形を作られず、試合は膠着状態。

20080503_kobe2

 後半開始早々、相手ゴール前に迫った平川が負傷して相馬と交代。一方、神戸は何の役にも立っていないFW馬場を下げて松岡を入れ、ボッティを前線に上げて4-4-1-1っぽい形に(もともとSHは高めの位置にいるので4-2-3-1といっていいかもしれません)。単にFW同士を代えないところが松田監督の策士たるところ。

 これで一気に試合が動き出しましたが、最初に流れを掴んだのは神戸。石櫃の攻め上がりが活発になりはじめ、浦和の左サイドがボヤ状態に。

 流れを取り戻したいゲルトはここで殴り合いの道-不振の暢久に代えて梅崎を投入し、梅崎トップ下&永井右WBという超攻撃的フォーメーションを選択しました。これは一定の効果があり、浦和の右サイド攻撃が活性化。流れの中から得点はならなかったものの、CKを阿部がバイスクルシュートで叩き込んで先制に成功しました。

 しかし運動量の多い永井とはいえ、トップ下で酷使した後にWBに回って守備でやれというのはあまりにも無理があり、いったん前に出ると戻れなくなっているのは誰の目にも明らか。神戸は前線と両サイドを代えて両サイドから猛攻。浦和は永井が戻れない上に、中盤に散歩人を一人抱えていますから細貝がいくら一人奮戦しようともサイドを守りきれるはずがありません。バーやポストの助けも空しく、最後はがら空きの右サイドを突かれて途中出場の吉田に同点弾を浴びてしまいました。どう見ても浦和は必敗の展開でしたが、幸いにも鹿島国から戻って中2日の神戸は同点に追いつくのが精一杯だった模様。

 守れないのが明白な浦和は攻め合いにでるしかなくなりましたが、残念ながらこの日は2トップ、特に高原の出来が最悪で、終盤は双方中盤がスカスカになってカウンターの掛け合いになりながらも決定機を作れず。平川に代えて投入された相馬も大宮戦で見せた消極的な姿勢が払拭されていない模様。残り5分ほどになってゲルトはようやく高原を諦めて闘莉王大作戦を敢行し、またまたセットプレーから梅崎や闘莉王が決定的なシュートを放ちましたが、惜しくもバーに嫌われてジ・エンド。

 時折ダイレクトパスが前、中盤でパンパンと繋がり、攻撃は他人任せ・個人能力任せでフリーランニングに乏しい浦和の悪癖は徐々に解消されつつあるようにも見えましたが、大宮や神戸といった中盤の守備がタイトな相手には今後も苦労させられそうです。

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