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2008.05.11

【観戦記】川崎 0-1 浦和

 派手な撃ち合いを期待した向きには甚だがっかりさせられる試合内容でしょうが、こういう展開で勝つのは浦和のお家芸。同点ゴールがオフサイドと判定されたのは川崎にとって不運かなと思いましたが川崎はそれ以外得点機がなく(浦和に至ってはPK以外得点機絶無!)、浦和の堅守を最後まで崩せず。怪我人続出の浦和はこんな興業性皆無の闘い方で勝ち点を拾うしかなかったのでしょうが、そこでしっかり勝ってしまうのが浦和。

 「展望」で「ただ純粋なトップ下がいなくなった分、高速ドリブルを交えながらの前3人のパス交換による崩しといったものは影を潜め、攻めは縦パスで縦に急ぎすぎるきらいがあるかなぁという気も。従ってベタ引きの相手には苦労しそう。」と書きましたが、浦和はベタ引きとは言わないまでもかなり守備的に闘い、川崎はそれを崩す術がなかったように見受けられました。チョン・テセと中村憲の存在感がほとんどなかった、言い換えれば浦和がその存在をものの見事に消したあたりにゲルトの研究の成果が見てとれます。前線の選手が守備に奔走して中村憲を消したのがその最たるものかと。

 中村からWBへのワイドな展開&谷口の飛び出しという川崎の必殺パターンが見出されたのは後にも先にも幻の同点ゴールの1回だけ。従って川崎が勝つ可能性は限りなく低かったと思います。浦和が勝つ可能性はそれ以上に低かったかもしれませんが。

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-----エジ-----
--高原----梅崎--
相馬--------暢久
--闘莉王---細貝--
--堤--阿部-堀之内-
-----都築-----

69分:梅崎→永井
89分:エジミウソン→エスクデロ

---鄭---ジュニーニョ--
山岸--------村上
--谷口-菊地-中村--
-伊藤--寺田--井川-
-----川島-----

76分:鄭→黒津
76分:菊地→大橋
89分:村上→久木野

 右肩じん帯損傷の闘莉王は誰もが予想した通り強行出場。川崎は通称MQNこと森が練習で怪我でもしたのか欠場して代わりに村上が出場。

 試合はマリノス戦と見紛うばかりの守り合い。いや川崎は守っているわけではなく、浦和の攻撃があんまりなだけかもしれませんが、ともかく共に決定機が全くないまま前半終了。雨で滑るのか、ボールが伸びるのか、両軍つまらないミスが目立ちました。

 闘莉王は試合前の練習時から右腕が全く上がらず。試合中も接触プレーを極力避けて相手に競りかけることもなければジャンプもせず、後方での球捌きに終始。この状態の選手を試合に出すかなぁと思いました(負けていればゲルトの温情?起用がボロクソに叩かれたでしょう)が、PKゲットに繋がったのは闘莉王のヒールパスからなんでいやはや何とも・・・ ただ闘莉王は役割期待が限定的だった反面、その役割を絶妙のポジショニングでなんとかこなし、ボロを出すには至りませんでしたからまぁいいでしょう。

 浦和はしきりに川崎DFの裏を狙ってましたが、梅崎が右から飛び出してチャンスになりかかったのが1度あったくらいで全くと言っていいほど川崎に脅威を与えられず。エメルソンやジュニーニョならともかく、卓越したスピードがあるわけではないエジ&高原にその攻撃を繰り返してもあまり意味がないような・・・ しかも他のプレーヤーは相馬や細貝が時々攻撃に絡むくらいで、事実上前の3人にお任せ状態。暢久は対面の山岸を警戒してか全く攻撃参加せず。どう見ても守備的な闘いぶりです、ハイ。

 ただこの闘いぶりが川崎によく嵌るんですな。川崎は前線でボールが収まらないため谷口や中村も飛び出しようがなく、結局ジュニーニョを走らせるぐらいしか手がありません。鄭がボールをキープできれば攻撃の形も作りようがあったのでしょうが、この日の鄭は全く存在感なし。森がいないのでサイド攻撃は左の山岸頼みになりがちですが、その山岸も暢久に消されてしまいました。

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 さはさりながら全く得点の臭いがしない浦和よりは多少前でボールが繋がっている川崎のほうがマシかなと思いましたが、後半早い時間帯に幸運にも高原がPKゲット。高原に裏を取られた井川がエリア内で足を振り上げているので、それをPKと取ったのでしょう。PKをエジミウソンが難なく決めて浦和先制。GK川島はPKが苦手との噂もチラホラ。

 先制した浦和は両WBを下げて5バック気味にして逃げ切り体制。川崎に適当にボールを持たせてカウンター狙い。しかもそのカウンターですら無理はしないあっぱれな勝負への拘りっぷり。追加点を狙うのか守りきるのか意思が徹底されず、先制しながら同点に追いつかれた神戸戦の反省点をしっかり生かしてきました。梅崎に代わって投入された永井も明らかに守備重視の構え。

 川崎は同点ゴールが幻に終わった後は浦和の鉄壁?の守備陣の前に手も足も出ず、谷口のミドルシュートが際どかったくらい。2人同時交代で前目の選手を増やしましたが何の効果もなし。川崎は終始浦和の人垣の中(永井や高原までが守備に加わってますから凄まじい人垣です・・・)でもがいていました。最後はエジ&永井がコーナーで時間を潰して逃げ切り成功。スペースを消されると打開策がない川崎の弱点は他のチームも突いてくることでしょう。

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 浦和はポンテ・三都主復帰が間近ですし、川崎は外国人枠が2名も余っていますから、7月の埼スタでは川崎戦らしいどつき合いを期待します。

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