【観戦記】新潟L 1-1 浦和L
前節の大勝が嘘のように攻撃陣がかみ合わず、守っては新潟のカウンターに終始苦しめられ、前節まで勝ち点わずか1の最下位相手に引き分け。優勝を狙う上では痛恨としかいいようがない結果に終わってしまいました。
新潟は中盤でボールを奪ってからの縦ポン一発でカウンターを狙うしかなかったのですが、その一発を前半終了間際に食らってしまいました。後半浦和が猛攻を仕掛けたものの、早い時間から焦りが生じてしまってクロスやシュートに精度を欠き、CKから同点に追いつくのがやっと。もっともこの試合が引き分けに終わってしまった主因は不甲斐ない前半の出来に集約されると思います。
浦和の内容もアレですが、新潟守備陣の驚異的な集中&粘りも賞賛されるべきでしょう。前節INAC相手に2-2の引き分けを演じたのは偶然ではなく、中断期間中に守備陣の建て直し&戦術の叩き込みに成功したのが窺い知れる試合でした。
-----北本-----
-----安藤-----
堂園--------柳田
---森本--高橋---
岩倉-矢野--百武-土橋
-----山郷-----
北本→若林
スタメンは前2節と全く同じ。結果が出ている以上あえてメンバーを代える必要はありません。ただ残念ながら好調さまで維持できなかった模様。伊賀戦でも先制点を取ってから30分くらいまで中盤を作れない時間帯がありましたが、前半はその再現といっても差し支えないでしょう。
浦和の攻撃の基本はサイド攻撃にあるはずですが、前半は新潟の運動量が落ちた35分過ぎあたりまでほとんどサイドから形を作れませんでした。新潟は浦和の両ボランチがボールを持ったところへ中盤の選手が鋭く詰め寄ってきます。ほとんどファウル覚悟といっても過言ではない体の張りようで、女子では極めて珍しいことに前半でイエローを3枚もらう新潟。運良くボールが取れれば縦ポン一発でカウンター狙い。この新潟のがぶり寄りにリズムを狂わされたのか、浦和はFWへのパスが精度を欠く場面が目立ちました。
中盤がうまく機能しないせいか最後尾からFWへ直接放り込む場面も目立ちましたが、これはフィードの精度が低くて全くチャンスになりません。北本はファンニステルローイどころか巻ですらないんでその攻撃はあんまりといえばあんまり・・・
また新潟は中盤でボールが取れなかった時は、というか浦和との力関係上ほとんどのケースでボールが取れないわけですが、その場合はとっと帰陣してサイドのスペースを消して引きこもり。攻守の切り替えの速さ&運動量を要求されるやり方で、これが90分機能すれば新潟はわずか勝ち点1に留まっていないはず。案の定時間の経過とともにボールへの寄せが遅くなってしまい、浦和は中盤から前線へ可能性のあるボールを供給できるようになりました。
そして35分くらいからようやく左サイドが活性化(右は新潟の俊足FWをケアすべく土橋が自重していたのでしょう)。細かいパス回しや個人技で新潟守備陣をぶち破りはじめ(この時間帯矢野の攻撃参加=ボールを奪ってそのまま左サイドへオーバーラップという極めて珍しいプレーも散見)、エリア内に侵入した岩倉のシュートが決まったかと思われましたが、これを新潟GK大友がかろうじて片手で弾き出すビッグセーブ。
しかし浦和の優勢は動かないので、まぁ後半なんとかしてくれるだろうと思ったのですが、前半終了間際にまさかの一発。新潟の中盤の出し手にブレスが掛かっていなかった上に、前線に残っていた10番のオフサイドを取り損ねて(本来2列目の選手なので飛び出しを捕まえられなかったか?)先制点を献上してしまいました。新潟のFW9番が俊足で矢野が振り切られ加減だったので、そこはケアしていたのでしょうが、10番のマークが甘かったか・・・
1点先制されたところで圧倒的な優位は動かないので慌てずに攻めれば良い筈ですが、この辺がまだまだ「勝者のメンタリティー」にほど遠いっちゅーやつですかねぇ・・・ 後半の浦和は完全に冷静さを失って慌てまくってしまいました。割と早い時間帯で岩倉がファウルスローを取られたのがその象徴でしょう。主審の判定にも疑問符のつくところが少なくなく、高橋が珍しくあからさまに全身で異議を唱える場面がありましたが(あれで良くイエローが出なかったなぁ・・・)、この辺は悪いときには悪いことが重なるとしか言い様がありません。
新潟の中盤がスカスカになったので浦和は両サイドを簡単に崩せるようになりましたが、そこからシュートに持ってゆくことができません。中断前の悪い状態そのまんまで、概してクロスの精度が悪すぎ(特に土橋)。サイドを守りきれなくなった新潟は中央だけをベタベタ固めて守っているので、緩急をつけて両サイドにボールを振りながら隙を窺うといった工夫が必要なはずですが、分厚く守られている中央に早々とボールを入れてしまう、なんともこらえ性のない攻撃陣・・・ こういうベタ引き相手の攻撃はやはり日テレに一日の長があります。
いくら浦和が個人技で勝るとはいえ、あれだけ中央に人数をかけられるとFW陣も柳田も高橋も前を向けないどころか、DFを背負った状態でボールキープもままなりません。なんとかボールをキープして後方に叩いてミドルを狙わせてみても枠の外。
CKのこぼれ玉を安藤が押し込んで同点に追いついたものの、その後猛攻が空回り気味の浦和。村松監督は早い時間からエリを用意。堂園が体力的な問題からか後半消え気味だった(といってもセットプレーのボールは不思議と堂園の頭に当たったりする・・・)ので、てっきりエリはそこに入れると思ったのですが、代えたのはなんと北本。確かにこの日の北本は好機で外しまくっていましたが、スペースが全くないところにエリを入れてもなぁ・・・ 案の定エリは全く機能せず、気の毒な結果に。
CKのチャンスも何度かありましたが、村松監督は頑として矢野を前線に上げませんねぇ・・・ 北本を下げてしまったので高さが全くないのですが・・・
森本が攻撃に絡めていないのでこず様の投入が待たれるところでしたが、村松監督が切った札は一枚のみ。一応浦和が押しているので動きにくいのでしょうが、引き分けに終わってしまうと消化不良というか残尿感ありあり。
ロスタイムに得たFKも壁に当たって相手に拾われ、またしてもカウンターで大ピンチという場面も。矢野も百武もスピードがあるとは言い難く、しかも超前掛りになっているので必然的にカウンターには脆くなっているのですが、いざカウンターを食らってみると山郷さんの守備エリアの狭さが気になりました。土橋や森本が慌てて駆け戻ってくるより、山郷さんが飛び出してクリアしたほうが早いんじゃね?という気が・・・ 山郷ゾーンに続いて、山郷エリアなのか、そこは・・・ またファンブルであわやという場面もあり・・・ 案外小金丸再登場の日が近いかもしれません。
新潟は終始ベタ引きというわけではなく(特に前半は)中途半端に攻めに出ることがあるので、そこで逆にカウンターを仕掛けることが出来れば最も効率良く攻め崩せそうなものですが、俊足FWのいない浦和はそういう攻めが苦手な上に、この日は攻守の切り替えが緩慢だったような感じも。
伊賀のように果敢にDFラインを上げてくるチームは完膚なきまでに叩きのめせたものの、新潟のようなベタ引きのクラブには大苦戦の浦和。しかもサッカーにありがちな「まさかの失点」でいとも簡単に動揺してしまった浦和。優勝への道のりはまだまだということなのでしょう。
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