吉田のうどん
関東地方を代表するうどん処として最近名を上げている富士吉田へ行ってきました。
まずは観光ガイドで頻繁に採り上げられている「桜井うどん」へ。
富士吉田駅から近くを走る国道139号線沿いに北へ10分弱。だらだら坂を下りながら甚だ元気のない商店街を抜ける格好になりますが「桜井うどん」は商店街から若干脇に逸れたところにあるのでやや見落としやすいので注意。
ガイドブック等に頻出の有名店ですが、全く持って飾り気のない外観が特徴。
店内は小上がりにテーブルが4卓。まだ11時にもなっていませんが、店内は一見して判る観光客から地元客と思しき方もいて7割ほどの埋まりぐあい。
テーブルに着く間もなく「あったかいの?つめたいの?」とオバハンが聞いて来たので「つめたいの」を注文。メモを取る暇もなく「つめたいの」が運ばれてきます。
「つめたいの」といってもつけ汁は温かいので、冷やしうどんではなく、つけ麺です。
ここのうどんの最大の特徴はとにかく麺が硬いこと。もうコシがどうこうという概念を超越して、とにかく硬い。打ち立ての麺を全く茹でずに出しているのではないかと思われるほど硬い。蕎麦では水車生そば@天童が強烈に硬かった記憶がありますが、蕎麦より麺が太い分、さらに硬く感じます。麺の太さはうどんとしては並み。これで「ひもかわ」みたいな太さだったら食えなかったかも。
また細切の茹でキャベツが添えられているのも際立った特徴。
油揚げが5切れほど浮いた醤油味のつけ汁は極めてあっさりしていて、あんまり出汁の味を感じません。これは麺を味わう上では好都合なんですが、寂しいといえば寂しい。そのためか、好みに応じてテーブルに置いてある辛味噌をつけ汁に混ぜるのが一般的な様子。同テーブルにいた地元客風のオヤジはキャベツに醤油をかけていました。
最近の原材料・燃料高騰を受けて6月2日より値上げして一杯300円→350円に値上げ。値上げしたところで依然として激安ですが、量はさほど多くありません。従って替え玉を頼んでいる方も見受けられました。
駅で見つけた「吉田うどん」のガイドブックを頼りにしばし吉田の街を散策。この手のガイドブックはうどんを出している店を網羅的に載せるため、玉石混交が甚だしいのが難点。行って見るとどう見ても居酒屋や小料理屋が片手間にうどんを出している風の店だったりするが困り者ですが、うどん専門店風の「手打ちうどん ひがしうら」に入ってみました。
いかにも民家の一室を改造して新たにうどん屋を始めました風。「桜井うどん」よりさらに立地が悪く、表通りから一本奥の通りにあり、周囲はただの住宅地。
こちらはメニューの最初に天ぷらうどんや肉うどんを掲げているごく普通のうどん屋。先客ゼロでしたが、後で地元客が2人。店内は長テーブルが3卓だけ。オヤジ一人で切り盛りしていました。冷やし肉うどん(500円)を注文。
客が一人しかいないのにオヤジが間違って「冷やしたぬき」(400円)を出すというとんでもない一幕がありましたが、それはともかく、こちらの「冷やし」は麺・汁とも冷たいごく一般的な「冷やし」でした。メニューを良く見ると「つけうどん」というのがあり、「桜井うどん」の「つめたいの」と対比する意味ではこれを注文すべきでしたが後の祭り。
あっという間にうどんが出てくるところや、茹でキャベツが入っているところまでは「桜井うどん」と同じでしたが、麺の硬さは若干劣るかも。ただ一般的なうどんと比べると相当に硬いのは間違いありません。汁は東京の一般的な「冷やし」類のそれと比べると相当あっさりしています。「たぬき」だと天かすの油の甘みが汁に出るのでやや紛れてしまいますが。
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