迷走の果てに - アダイウトン獲得断念
アダイウトンは結局獲得断念。当初から懸念された通り、右ひざの怪我がネックとなりました。ブラジルのドクターの診断書を信用して浦和に連れてきたら、チームドクターから「ACLには間に合わない」との判断が出たという何ともマヌケな話。
ブラジルの医師がOKっていうんだから、怪我そのものについて中村氏の眼力を問うのは中村氏が医者じゃない以上いくらなんでも不憫。しかし、アダイウトンが故障持ちなのは自明なので、万が一ダメだった時の代替候補をリストアップしていても良さそうなものですが、どうもそのような動きはなさそう。まぁもともとそんなに補強に前向きじゃなかったから「二の矢」という発想がないのでしょうなぁ・・・
怪我持ちの選手がメディカルチェックの結果獲得に至らなかったというのはよくある話なので、今回のアダウイトン獲得失敗だけを持って中村強化本部長を責めるのはどうかと思います。ただ問題はそこに至るまでの過程。
長谷部移籍 → 今野獲得に失敗 → オフには外国人枠1&背番号5を空けて中断期間中の補強を半ば公約 → 細貝・堤がスタメン出場機会を掴んだことから外国人獲得計画が大きくトーンダウン → ナビスコ惨敗を受けて急遽外国人DF獲得を画策 → アダイウトン獲得ならず(=新外国人獲得断念)
とクラクラするような迷走ぶり。
弊ブログで何度か触れているように、長谷部の後釜候補がなんでタイプがかなり異なる今野なのかとか、ボランチが抜けて当初懸念どおりそこが穴になっているのに何で獲得候補がDFなのかとか、浦和の補強方針にはまるで一貫性がありません。FWは補強が急がれるポジションじゃないのに、たまたま代理人から売り込みがあった高原を採ってしまう辺りは「ポリシーはないが金はある」浦和強化部の象徴でしょう。
方針に一貫性がないといえば、オジェックと対立したワシントンや伸二を昨オフに放出しておきながら、シーズン突入後わずか2試合でオジェックを解任したというのはその最たるもの。緊急事態なのでとりあえずエンゲルスコーチを監督へ昇格させたのはやむを得ないとしても、その手腕を確認する前からなぜか早々と2年契約を締結。しかも残念ながらエンゲルス監督は就任半年足らずで馬脚を表す格好(といってもリーグ戦での過去の実績が示す通りなんですが・・・)になってしまいました。監督交代が新外国人獲得計画の迷走をもたらしたのは想像に難くありません。
またここ数年他チームから代表クラスの即戦力を積極的に補強しているのが災いしてか、伊藤翔・菊地・本田拓・大迫等有力新人選手の獲得に悉く失敗(この件を中村氏の責めに帰するのは少々不憫ですが)。
阿部獲得に留まった昨年とは打って変わって今オフは積極的な補強に打って出ましたが、目玉だったエジミウソンと高原は共にハズレで、ワシントン・長谷部・伸二・ネネ等失った選手との差引勘定はどう見てもマイナス。
もちろん相手のあることですから、今季のリーグやACLの結果がどう転ぶかは判りません。ひょっとしたらひょっとするもかもしれません。ただ昨オフから今季にかけての浦和暗黒時代を想起させるような凄まじい迷走振りを見るにつけ、今季の結果如何に関わらず浦和は強化本部を一新しないと没落の一途を辿るのは必至でしょうなぁ・・・ 選手以上に適任を探してくるのが難しそうなポジションではありますが。
「ポリシーはないが金はある」という点ではちょっと前までの名古屋とそっくりで、名古屋に代わって「中位力」の名を欲しいままにするのはそう遠い先のことではないのかもしれません。
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浦和は4日、契約合意に達していたブラジル人DFアダイウトン(25)が古傷の右ひざの回復状態が思わしくないため、契約をしないことを決めた。
「9月のACLまで回復が間に合わないと最終判断し、獲得を取りやめた」と浦和の中村修三強化本部長は語った。関係者によると、半年間のレンタル契約予定だった元U―20ブラジル代表主将は、右ひざ前十字じん帯断裂で過去2度の手術を受けた古傷の状態が悪く、再三の精密検査の結果、万全にプレーできるまで全治2か月と診断されたという。ブラジル側の主治医は「100%全快」と太鼓判を押していたが、「今回の判断はメディカルチェックが健全に機能したもの」と強化本部長は説明(後略)。
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