【観戦記】浦和 2-2 柏
守れてはいるが点が入りそうにもない。引き分け濃厚と思われた試合のロスタイムで永井のゴールが生まれ、よし今日は勝ったぞ!と思ったのもつかの間、あろうことか相手コーナーでのキープに失敗し、フランサに一発を喰らって引き分け。まぁ腸が煮えくり返ってもおかしくない結末でしたが、不思議なほど腹立たしさは感じず、むしろやや前向きな気持ちで家路に着きました。
その理由は明白で、これまで同じようなパターン(=WBの裏を突かれる)でやられ続けたゲルトがついに抜本的な対策を立て始め、それが半ば奏功したからに他なりません。
---高原--エジ---
----------永井
相馬-阿部--啓太---
----------平川
堀之内-闘莉王-坪井--
-----都築-----
64分:エジ→梅崎
-----ポポ-----
菅沼---アレ---太田
---鎌田--永井---
大谷-小林祐-古賀-蔵川
-----菅野-----
HT:永井→石川
63分:菅沼→フランサ
74分:アレックス→北嶋
鹿島戦の後半、平川の位置をやや下げて永井が右に張った変則4バックにシフト。それが新井場の進出を封じるとともに逆に平川の攻撃参加を促すのに成功したことに気を良くしたのか、ゲルトは柏戦でそのフォーメーションを頭から採用。国立での一戦では、アレックスの負傷退場で急遽投入された相馬が柏右SH&SBの狙い打ちにあって前半ボコボコにされましたが、この試合では柏の右SH太田の進出は基本的に堀之内が左にずれて対処。そして相馬はSBの進出を牽制するとともに太田を堀之内を共に挟み込むような感じで守っていました。
時間の経過と共にぐだぐだになってしまいましたが、これがそこそこ機能して太田に良いようにかき回されることはなくなり、しかも奪ったボールを前に出ている太田の裏へ出すことで相馬のドリブル突破が活きる好循環。ただ悲しいことに相馬へのフォローが全くなく、相馬のクロスの精度が例によって例の如くなこともあってチャンスらしいチャンスは前半左サイドを抉ってのクロス→エジが突っ込むもシュートは枠の外の一回きり。
坪井は基本的に1トップのポポに付きっ切り。左SH菅沼は平川が応対して、闘莉王が最後尾でフォロー。とはいえ攻守の切り替えの速さは依然柏に大きく劣り、カウンターによるピンチもありましたが決定機は与えず。坪井のクリアが直接菅沼に渡り、ミドルシュートを叩き込まれて先制点を許しましたが、あれは菅沼を褒めるしかないでしょう。
浦和はいつになくよく動いており、中盤でボールを失いそうになってもそのフォローが出来ているのでボールをキープする時間はそこそこ長いのですが、如何せん前線へのフォローが皆無に近く、しかも攻守の切り替えが遅いのでボールを回しながら柏陣内に入った頃にはすっかり柏の守備陣形が整ってしまってどうにもこうにも攻め手がありません。
高原は後ろを向いた状態では厳しいマークにあって全然ダメでしたが、コンディションは上向きで動き自体は悪くなく、前を向いた時は期待感を持たせるプレーぶり。しかし相方のエジが依然絶望的な出来で高原のフォローになっておらず、しかもその2人へのフォローが遅いとあっては得点の臭いがしないのは当然。
右サイドに張っている永井はただでさえ2トップとの距離が遠いのに、なぜか後方に下がってボランチと同一平面にいる有様。それが時折平川のオーバーラップを生むのであながち悪いことではないのですが、これじゃ2トップが孤立するのは道理。むしろ阿部のほうが積極的に2トップのフォローに入っている状態で、どうもこのところの永井の出来には首を傾げざるを得ません。ゲルトの新フォーメーションは守備こそ安定しましたが、それと引き換えに攻撃に難点を抱えた模様。達也がいれば違った展開になったでしょうが、達也が試合開始前の練習で何かアクシデントがあったのか(翌日の報道によると「8日の練習で7月末の日本代表候補合宿で痛めた左足首ねんざが再発。試合開始前のウォーミングアップでも痛みが出た」とのこと)、スタメンを告知されながらも最終的にベンチからも外れる始末。でもその代わりが「絶望2トップ」じゃなぁ・・・
前半の阿部の同点弾は坪井のボールカット→オーバーラップした平川がクロス→2トップに柏DF陣が引き付けられて、後方からやってきた阿部がどフリーでシュートとものの見事に決まったゴールは「素早く攻めきる」「FW陣を後方からフォロー」の合わせ技みたいなもの。後半唯一の決定機も平川の縦パスを受けた高原がエリア内でDFを交わし、クロスをエジが(´・ω・`)ショボーン というこれまた手数をかけない展開。こういう展開が数多く出来るに越したことはないのですが・・・
エジが決定的なチャンスを外した直後に負傷したのか、ゲルトはエジに代えて梅崎を投入。サポ的には俄然盛り上がるところですが残念ながら梅崎の出来が散々。高原が1トップで、梅崎がその後ろみたいなフォーメーションでしたが、梅崎はどうもプレーに思い切りがなくなった様子。積極的に仕掛けた場面では簡単に潰され、かといって周りを有効に使うでもなし。
そこで前半飛ばしまくって後半半ばから消えている相馬に代えてセルを投入し、梅崎を左SHに下げる策はありじゃないかと思ったのですが、ゲルトは珍しく動かず。まぁ守備は破綻していないので下手に動いてバランスを崩すのが嫌だったのかもしれませんが、それってオジェック的発想? 今年はホームでは何が何でも勝ちに行くんじゃなかったのかなぁ・・・ 鹿島戦で出色の働きを示したセルを使わない手はないと思うですが・・・そういうえいえばゲルトは時間潰しを兼ねての投入すら見送りましたね。
迂闊にもノーマークで左SB大谷の中央進出を許してしまい、最後はポポにほぼフリーでシュートを撃たれる大ピンチがありましたが、都築が片手で弾き出して事なきを得。そのまま引き分けかと思いましたが、ずっと後方でゲームメークに徹していた永井が最後の最後で高原とのワン・ツーでエリア内に突入。拾い物のような1点をもぎ取ったところまでは良かったのですが、拾い物はやはり拾い物に過ぎなかったようで・・・ 直接的には堀之内が競り負けた格好ですが、それ以前にフランサがフリーでウロウロしている時点でアウト。 昨年・一昨年の浦和なら考えられない大失態ですが、もう今年の浦和は失態が常態なんで大失態の一つや二つ、どうってことはありませんね(自虐)
| 固定リンク