【PV観戦記】大宮 0-1 浦和
浦和は中東帰りで中3日、方や大宮は丸1週間休んでいますから時間が経つにつれてコンディションの差が出るのは明白。
従って浦和は体が動く前半に飛ばして先制点を取り、その後はグダグダになりながらもなんとか逃げ切るというゲームプランを立てるのは至極当たり前。で、実際その通りに試合が進み、案の定グダグダになった後半半ば以降は水曜のACLをも考慮しながら適宜選手を代えて逃げ切れれば万々歳だったのですが、なぜかゲルトは選手交代を渋り、エジの負傷で永井を投入したのがなんと79分。その後一応3人の交代枠は使い切りましたが、この日の逃げ切り成功は大宮の不甲斐なさによる部分が大きいといって差し支えないでしょう。
ただ内容を捨てて(と言えるような「内容」なんて常日頃からほとんどありませんが・・・)徹底的に勝ちに拘ったのは良かったと思います。端的に言ってしまえば大宮がJ1に昇格して以来、浦和が初めて全力で大宮を倒しにいった。そんな試合だったかと思います。雷雨による一時間の中断明け後、手数をかけずに大宮の浅めのDFラインの裏を狙う単純な攻撃が目立ちましたが、それが「勝ちに拘った」ことの象徴でしょう。
前の3人とせいぜい相馬を加えただけの攻撃が大半でしたから、攻めている割にはなかなか決定的なチャンスは作れませんでしたが、相馬の縦パスが高原に通り、高原が不用意に飛び出したGKを交わしてゴール。大宮は守備の要レアンドロがいませんし、GKがど下手くそですから、単純な攻撃でも数撃てば(撃つ以前にオフサイドに掛かりまくっていましたが)なんとかなる。その信念が当たったのでしょう。いつものポゼッション「のようなもの」を捨てたのはなによりでした。
また前半は積極的に前目からボールを取りに行った守備も光りました。阿部がCBに下がり(阿部が動けないからCBに下げたのでしょうが、水曜は出場停止の堀之内を下げる意味が判らん・・・)、代わりに暢久がボランチに。その出来は正直微妙(中盤に下がってきたラフリッチへ目がけて放り込まれるハイボールには暢久がよく対処していましたが・・・)でしたが、相方の細貝がそこそこ頑張っている上に、攻撃陣も守備に尽力。おまけに大宮が苦し紛れにFWへ入れてきたボールを浦和CBが前でカットする場面もしばしば。
これが90分続けばいいのですが、さすがに今の浦和のコンディションでは無理というもの。後半15分くらいから浦和は中盤でボールが全く拾えなくなり、中盤が消失して前に3人を残してベタ引き状態。大宮に一方的にボールを支配される展開になってしまいましたが、幸いなことに大宮はベタ引きの浦和を崩すアイデアが皆無。梅雨の中断期間中に補強したラフリッチはデニマルとの連携に問題がある上にしょっちゅうファウルを取られて完全に不発。中央のポストプレーが使えないので、サイドに展開して打開を試みていましたが、クロスは全部闘莉王に跳ね返されてしまいました。頼みのデニスマルケスは肝心なところで持ちすぎの癖を出して、チャンスは前半に2回あっただけ。大宮が後半押していたとはいえ、チャンスらしいチャンスはセットプレーで一回あったかどうか。
まぁ浦和に比べれば休養十分なはずなのになかなか中盤で優位に立てず、しかも運動量で差を見せつけられない辺りで大宮の敗戦は半ば運命付けられたといっていいのでしょう。いつから大宮は「受けて立つ!」立場になっちゃったんでしょうね(笑) 必要以上にガツガツ当たりにくることもなかったようですし。
対する浦和はカウンターを仕掛けたいところでしたが、絶好機に相馬が宇宙開発事業団。相馬といい、ポンテといい、疲労で動きも悪ければプレーの精度を欠いているのも明らかだったので水曜日のことも考えてフレッシュな選手を入れるべきだと思いましたが、なぜかゲルトは静観。もう目の前の試合を勝つのに必死で、次の試合が全く見えていないような・・・ エジの負傷がなければひょっとするとこの日も交代枠を余したまま試合終了を迎えていたかも。
まぁ次の試合のことを考えなければ、また大宮の不甲斐なさにも助けられたとはいえ、完勝といって差し支えない試合。「強いほうのさいたま」の称号を奪還できたので良しとしましょう。
---高原--エジ---
-----ポンテ----
相馬-暢久--細貝-平川
--阿部-闘莉王-坪井-
-----都築-----
79分:エジ→永井
88分:高原→セル
89分:暢久→堀之内
--ラフリッチ----デニス--
小林大-------藤本
---佐伯--斉藤---
波戸-富田--片岡-村山
-----江角-----
69分:小林大→内田
76分:藤本→桜井
85分:デニスマルケス→森田
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