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2008.09.29

【観戦記】名古屋 1-1 浦和

 引き分け狙いと評されても仕方がない消極的な選手起用、布陣、そして采配。そしてその目論見どおり(?)引き分けに終わったこの試合。ゲルトはさぞ満足なことでしょう。

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 昨年のようにリーグ終盤に勝ち点差で優位に立っていた場合、目先のライバルとの試合、あるいはコンディションが整わない試合は引き分けで凌ぐというのはありでしょう(その策は昨年裏目に出ましたが・・・)。しかし、今年は名古屋を追いかける立場。しかも今年対名古屋ここまで3戦3敗。そういう状況下でもなお引き分けでやむなしと考えたとしか思えない退嬰的なゲルトの姿勢は全く以って不可解。負傷を抱えている闘莉王を長期離脱のリスクを犯してまでスタメン起用した割には狙ったリターンはあまりにもささやか。


 厳しい日程ゆえ大きくメンバーを入れ替えての引き分け狙いならまだ理解できますが、アルカディシアとの第2戦から入れ替えたのは暢久→啓太のみ。「勝っているチームはいじらない」の鉄則を踏まえたのでしょうが、試合が膠着状態に陥ってもピグシーの打ち出す積極策を傍観するのみ。押され気味ながら決定的にやられてはいない以上、負けないことに重きを置くならそれでもいいでしょうが・・・

 名古屋戦が引き分けに終わったことで、ACLの無くなった鹿島に抜かれて4位。リーグ優勝を狙う観点からは負けに等しい引き分けといって差し支えないでしょう。

---高原--エジ---
-----ポンテ----
相馬-細貝--啓太-平川
--阿部-闘莉王-坪井-
-----都築-----

62分:高原→永井

---巻---四千---
------------
玉田-吉村--中村-小川
------------
阿部-増川--バギ-竹内
-----楢崎-----

73分:ヨンセン→杉本
86分:玉田→米山

 立ち上がりは芳しくなかったと思います。連戦の影響なのか、名古屋の攻勢の前に常に後手後手に回っている印象(名古屋がサイドで仕掛ける縦のポジションチェンジには相変わらず弱い・・・)で、早々と左サイドを破られて際どい一発を浴びてしまいました。浦和はいつもの3-4-1-2で試合に臨んでいましたが、その一発で怯んだのか。両WBが高い位置にいる名古屋のSHを見る格好でいきなり5バック体勢。これは一定の効果があってその後名古屋に決定的なチャンスを与えずに済みましたが、ボールを奪う位置が低くなりがちな上に、ボールを奪っても前に人が少ないので攻撃の形ができない。エジ&高原は圧倒的なスピードがあるわけでもないのでカウンターもままならず、しんどい時間帯が続きました。

 しかし名古屋も火曜日に試合をしているせいか、その攻勢は長続きせず、それどころか中盤のルーズボールで浦和に競り負けるようになってから浦和が反撃。如何せん前の人数が足りないので、ボールをキープしながら上がりを待つというまどろっこしい攻撃ながら、浦和も右サイド中心に攻勢に出ます。平川のミドルシュート、右からショートパスを繋ぐもエジのシュートがミートせず、高原GKを交わすもシュートは枠外とチャンスが何回かあって、前半40分に相馬の低いクロスをエジが決めて先制!

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 ここまでは良かったのですが、ハーフタイムで息を吹き返した名古屋はお得意のパターン - 大きくサイドを変えて相手の薄いサイドに対して人数をかけて攻める - が嵌りだし、浦和左サイドでノープレッシャーの状態からのクロスを巻が決めて同点。またしても名古屋の攻撃に屈した浦和。スカウティング能力が高いと言われるゲルトも、それが実践に結びつかないと意味ないわなぁ・・・

 ただ浦和にとって幸いだったのは名古屋の攻勢が長続きしなかったこと。浦和のミスを突いてゴールに迫るものの、決定機には至らず。しかし浦和は前半と比べると運動量が激減したため、ただでさえ前が薄い陣形なのにWBが満足に上がって来れなくなり、攻撃らしい攻撃はミドルシュートのみ。流れの中で点が取れそうにないので、セットプレーに望みを繋いでいたように見えましたが、残念ながら一本もチャンスに結びつかず。

 ピクシーは切り札の杉本を投入して勝ちに出ましたが、浦和が引き気味でスペースがないためか、そのスピードを生かせず。玉田に代えて米山を投入したのはピクシーなりのリスクヘッジ?

 ゲルトは先に高原に代えて永井を投入したのはいいのですが、その後は動かざること山の如し。後半明らかにキレを欠いているポンテ、あと一歩が出なくなった平川、危険な位置でのボールロストが目立つ細貝と代えてしかるべき選手はいましたが、守備が決定的に破綻しているわけではないので、バランスを崩すのを恐れたのか、ゲルトは動かずじまい。

 その判断は半ば正しくて浦和は後半押され気味ながらも1失点で済んだわけですが、得点の可能性は甚だ薄かったとしか言いようが無く・・・

 この試合がこれで良かったのかはシーズン終了後に判明することでしょうが、昨年の経験からすると凶と出るような気がしてなりません。

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