【観戦記】08年第32節:浦和 1-2 清水
「負けて悔しくなくなったらもう終わりだ」とよく言われますが、まさにその心境。
神戸戦の負けっぷりを見ればこのチームが末期的状況を呈しているのは明々白々。続くACL準決勝第2戦では当然ながら惨敗を喫し、それにも関わらず暫定監督を立てることもなくずるずるゲルトを引っ張れば醜態を晒し続けるだけなのは必然。新潟・愛媛・札幌となんとも微妙な相手にはなんとか勝ったものの、ワンランク上の相手には到底かなわないのは丸亀で実証済み。新監督就任が濃厚とされるフィンケ氏が観戦に訪れながらもゲルトの解任も公表されないという異常事態下で、清水戦は「浦和はもはや死に体である」という至極当たり前の事実を確認しただけの試合でした。
優勝どころかACL圏内からも脱落。おそらく残り2試合で大分やFC東京にも抜かれ、6位でフィニッシュ。野次と怒号の飛び交う中、頭を垂れながら場内を一周する選手・スタッフの姿が目に浮かびます。
敵を欺くにはまず味方からですか。スタメンを見た時はてっきり3-5-2に戻したのだと思いました。長期的な視野・展望に欠けるゲルトが、丸亀で全く機能しなかった4-2-3-1に早々と見切りをつけて元に戻そうとしたとしても何の不思議はなく、むしろゲルトらしいと思いますが、ピッチ上に現出したフォーメーションは想像を絶するものでした。
右SBに細貝、1トップに達也、そしてボランチ闘莉王&啓太。何をどう考えればそういう発想に行き着くのでしょうか。
そして3日間連続の非公開練習でこのフォーメーションを試していたのかと思えばさにあらず。どうやらぶっつけ本番だったとの話。これで勝てると思うほうがどうにかしてますわなぁ・・・
埼スタで一度も勝ったことがないせいか、清水が妙に慎重な試合運びをしてくれたおかげでスコア上では競った試合になりましたが、引き分けで終る、あるいは浦和が勝ち越す可能性は限りなく低い試合内容。フォーメーションの成熟度が著しく低いにも関わらず、選手まで入れ替えていてはフォーメーションが機能する道理はなく、細貝の入った右サイドは完全に沈黙。
また札幌戦でも垣間見えましたが、浦和はせっかく4-2-3-1を採用したにも関わらず、サイドの縦のポジションチェンジというものがほとんどなくてSHが個人技で突っかけるだけなんですな。後半相馬とセルがやや中に入って前4人の距離が縮まり、パス交換で清水の右サイドを何度か破りました(右SB市川が早々と負傷退場したのは多少影響したかも)が、これぞまさに個人技の集大成。
しかもその仕掛けが活発になったのは後半の限られた時間帯だけ。大半の時間を何の意図も感じられないパス回しに費やし(しかも再三清水FWに突かれて、おっとっと・・)、同点に追いついたら追いついたでいきなり闘莉王大作戦。もうフォーメーションとかシステムとか、そういう問題を超越してますわ、浦和は(笑)。
またゲルトは2点目が取れなかったことを嘆いていますが、本質はそこではなく2点取られたことでしょう。そしてその主因はいうまでもなくスカスカの中盤。ポンテ・闘莉王・啓太を鼎立させて中盤を支えきれるはずがありません。枝村の飛び出しを許した1点目は出し手もフリーなら枝村もフリー(爆笑)。後半は何度となくカウンターを浴び、これでよく2失点で済んだとしか言いようがありません。
怪我をおして強行出場の闘莉王。1得点を上げましたが、得点が全て、得点で評価されるポジションではありませんからね・・・パスミスを連発し、守備に穴を開けまくってチームの足を引っ張っていたような・・・ っちゅーか、闘莉王をボランチで使う側のほうがどうにかしているわけですが(苦笑)
残り2試合、ゲルトはどんな新布陣で我々を驚かせてくれるのでしょうか? 非常に楽しみですね(自虐)
<浦和>
-----達也-----
相馬---ポンテ--セル
---啓太--闘莉王--
平川-阿部--坪井-細貝
-----都築-----
82分:相馬→暢久
84分:達也→エジ
爆笑の最終形↓
---エジ--闘莉王--
--ポンテ---セル--
---細貝--啓太---
暢久-阿部--坪井-平川
-----都築-----
<清水>
---原----岡崎--
-----枝村-----
-山本真-----兵働-
-----伊東-----
児玉-高木和-青山-市川
-----山本海----
15分:市川→高木純
68分:原→矢島
87分:岡崎→山西
*長谷川監督のコメントでは2ボランチの4-2-2-2だったとのことですが、現地では気づかず(^^;
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