【観戦記】天皇杯4回戦:浦和 1-0 愛媛
勝ってしまったというのが偽らざる印象。しかも拾い物のようなPKで。
見るものに何の感動も与えられないどころか、見苦しいプレーの連続。こんな年の天皇杯はとっとと負けて、藤口=修三=ゲルトの「魔のトライアングル」に早々と終止符を打ち、来年の再起に賭けたほうがよっぽどマシではないかと思いました。
もう浦和には共に掲げる目標、求心力となりうる目標なんて存在しない。調子の良し悪しとは無関係にスタメンを保障された選手達が週末ごとにやってくる試合を漫然と迎え、漫然とゴールに向かい、漫然とディフェンスに入っているだけ。そして至る所で凡ミスを連発。この日も新潟戦に続いて「浦和の将来はこの残り試合にかかっている」云々の長大ダンマクが掲げられましたが、残念ながらフロント・選手の心には全く響かなかったようで、残り試合を無為に過ごすどころか病状を加速度的に悪化させるだけに終りそうです。藤口社長の決断の遅れが招いた必然の結果でしょう。
しかし、残念ながら相手もJ2下位に低迷するのも無理はないと思われる惨状。昨年堂々浦和を破った勢いは影も形もなく、醜態を曝け出している浦和に対して序盤と終盤にわずかに冷や汗をかかせた程度。浦和・愛媛共々実にお恥ずかしい試合でした。
---達也--エジ---
-----ポンテ----
平川-細貝--啓太-暢久
-堀之内-闘莉王-坪井-
-----都築-----
69分:達也→セル
77分:啓太→阿部
114分:エジ→堤
真面目に論評するのも馬鹿馬鹿しい試合内容。啓太はもはやスタメンどころかトップチームに出してはいけないレベルで、せっかく温存した阿部を後半投入せざるを得なくなったとか、相変わらず絶不調のポンテはなんで交代を命ぜられないのか?とか、スタメンの中では相対的にマシだった細貝が愚かにも報復行為で一発退場になり札幌戦帯同を棒に振ったとか、達也は好調時にはほど遠い出来(それでもエジよりはマシでしたが・・・)で、むしろ後で投入されたセルのほうに可能性を感じたとか、まぁ選手個々人に思うところは無きにしも非ずでしたが、もうチームとして体をなしてないのですから個々人の毀誉褒貶を論じても虚しいだけ。
細貝退場で一人少なくなったものの、後半に入ってから愛媛にチャンスらしいチャンスは与えていないので逃げ切りは十分可能と思ったのですが、何を思いついたか延長に入ってゲルトは闘莉王をボランチに上げ、阿部をCBに下げて突如4バックを採用。これがそれまで低レベルながら攻守のバランスが取れていた浦和に混乱をもたらした模様で、相手がもう一段強い相手なら簡単に逆転されていたでしょう。浦和はこのままでは守りきれないと観念したのか、延長前半から早々とコーナーでのボールキープを選択する等、恥も外聞もなく、なりふり構わぬ逃げ切り体制入り。
こんな試合内容では勝ったところで試合終了後にサポから大ブーイングを浴びるのもやむなし(私個人としてはここで選手を責めることに意味を見出せませんが)。
阿部以外の選手達はなぜか東クルヴァを避けるように巡回。しかし、最終的には阿部の呼びかけに応えて一応東へも挨拶。その後闘莉王がなにやらサポとやりやっていたようですが、そんなことよりこういう苦しい時に荒れ狂うサポと真正面から向き合おうとするのはもはや阿部しかいなくなってしまったのがこの日一番悲しかったことかもしれません。
漂流、ただただ漂流。
目的地不明。航海図なし。船長脳死。操舵手不在。燃料枯渇。
こういう船が何物かに激突もせず、座礁もしないということがありうるのでしょうか?
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