紀州路(5)~粉河寺
(紀州路(4)から続く)
一夜明け、今度は一転して寺巡り。人間、苦しいときは神仏にすがりたくなるものです。
粉河寺は天台系の寺院(粉河観音宗総本山)で、西国三十三箇所第三番札所。伝承によれば創建は770年、大伴孔子古(おおとものくじこ)によるとされています。千手千眼観世音菩薩がご本尊。
1585年に豊臣秀吉が紀州に攻め入り、根来寺や雑賀衆とともに抵抗したものの全山焼失。現在の伽藍はほとんどがそれ以降の江戸期の再建とのこと。
駅前から粉河寺まで道路が真っ直ぐ延びています。両側に商店が立ち並んでいるところからすると元々は門前町だったのでしょうが、門前町の商店らしいお土産屋や飲食店はほとんどなく、単に地元の人向けの店ばかりになっています。
大門。規模の大きい三間楼門で、和歌山県では、高野山・根来寺に次ぐ威容を誇るとのこと。
中門。傍を川が流れている地形上の制約のためか、粉河寺は川に沿ってゆるやかに右にカーブしながら随分縦長にお堂が並んでいるような印象を受けました。
本堂。西国三十三箇所の寺院の中で最大級の堂で、周囲から一段高くなったところに建っています。屋根の勾配が違う入母屋屋根を積み重ね、さらに千鳥破風・唐破風を配した派手な格好をしているせいか、しょーもない天守よりもご立派に見えます。
粉河寺最大の見所は本堂よりもむしろその前面の庭園かもしれません。国指定の名勝。石組みに植栽を組み合わせた枯山水であると同時に、本堂の前庭とその下の広場との高低差を処理する土留めとしても機能しているとのこと。
千手堂。本尊の千手観音立像は秘仏で、昨年10月1日から10月31日までの間、217年ぶりに開扉されたようです。
愛らしい身代わり地蔵さん。
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