続伊予路(1)~焼豚玉子飯@今治
食材には全く地方色を感じないけども、なぜかその地方にしかない料理というものがあちこちにありますが、今治の「焼豚玉子飯」もその一つです。今治は「焼き鳥」を町興しの材料として売り出していますが、「焼豚玉子飯」のほうは旅行ガイドブックに取り上げられることはあまりないようですし、まさに知る人ぞ知るといった存在です。
訪れた「白楽天」は今治大丸の裏。2Fもある堂々たる中華料理屋で、商業地としては衰退著しいとはいえ今治の中心部にあるせいか、次から次へと老若男女幅広い客層を集めている様子でした。
ランチメニューも実に豊富。メニューの記載では一番人気は「特やきめし」で、お目当ての「焼豚玉子飯」は当店名物との位置づけ。確かに他の客でこれを頼んでいた人はおらんかったような・・・なおこの店での表記は「玉子めし」でかっこ書きで「焼豚玉子飯」とありました。
さほど待つことなく「玉子めし」登場。
ぱっと見はご飯に目玉焼きを乗せただけのように見えますが・・・
目玉焼きの下には黒々としたタレをたっぷりかけられた焼豚が。帯広の「豚丼」に目玉焼きを乗せたようにも見えます。
外観は非常に期待できたのですが、いざ食べてみると滅茶苦茶タレが甘い!!! 食べ進むにつれて甘さが気になる品は良くありますが、初手からクソ甘いというものはなかなかありません。子供の頃から甘いものが苦手で、塩辛やナマコ、うにくらげといったものが大好きだったワシにとっては拷問に近い一品でした。
焼豚は堅めかつ脂少なめで、しっかり焦げ目のついています。ラーメンの具だったならばかなりハイレベルな焼豚なんでしょうけど、タレが全てをぶち壊しているとしか言いようがありません。半熟の目玉焼きやチャーシュとご飯とかき混ぜて食べるとややその甘ったるさが緩和されますが、目玉焼きにたっぷりと振られた胡椒がこれまた微妙・・・そういえば松山の「鍋焼きうどん」もかなり甘口でしたが、愛媛では甘めの味付けが好まれるのかもしれません。
食べ終わるとどっしりと胃もたれ感が。どこからどう見てもヘビーな学生向きっぽい食べ物で、性格的には長崎の「トルコライス」や金沢の「ハントンライス」と同系列なんでしょうが、今治の「焼豚玉子飯」はそのあまりにもストレートなネーミングで損をしているような気がします。
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