【閉店】大沢食堂@千石
都営三田線千石駅から旧白山通りを南へ徒歩3分ほど。平日夜に往訪。
ガラス窓に大書された「大沢食堂」の赤い文字。カレーで有名な店ですが、外見からはカレーを窺わせるものはなく、ましてやラーメンを想起させるものは一切ありません。
黄色い扉を押して入店。扉の影になってしまうので最初は気づきませんでしたが、チャンピオンベルトを締めた若き日の店主の勇姿が飾られています。店内はカウンター4席と2人掛けのテーブルが5卓。
先客4(うち2名は子供)、後客1。後客はボクシング関係者らしく、店主としばし最近のジム事情について談義。厨房には店主の他に30代前半くらいの男性がいましたが息子さんかなぁ?
並辛から極辛まで4段階あって1ノッチで50円アップという価格体系ですが、まずは初級の「カレーラーメン・並辛(700円)」を注文。メニューの右端はカレーライスなので、それが一番の売り物なのでしょうが、続いて現れるのは各種定食。続いてラーメン。メニューから察すればラーメンはおまけ的な位置づけ。
麺が全く見えないせいか、見た目は丼にカレーが盛られているだけのような・・・
丼の周辺部はルーが薄くなってスープが顔を覗かせていますが、飲んでみたところでカレーの味が支配して元のスープが何なのかさっぱり判らず。
ルーの奥から麺をほじくり出して見ましたが、細い縮れ麺。しかもかなり柔らか目の茹で加減。
どろっと粘度の高い、いかにも日本的なというか家庭的なカレーにこの細麺で大丈夫かとちょっと気になりましたが、意外にもこいつがびろーんと延びながらもルーをしっかり絡め取ります。麺が己を消すことでカレーの美味さを十二分に引き出しているんでしょうな。元がなんだかよく判らないあっさり目のスープも同様、妙に自己主張せずにカレーを活かし、しかもカレーに適度なコクと流動性を与えることで麺に合うように仕向けています。
辛さはさほどのことはなく、レトルトカレーの「中辛」くらい。具は豚とニンジンの角切り程度なのでちょっと寂しい。
麺を食べ終わってもルーが余りますが、小さくなったニンジンを掬いながら食べているうちに完食。
麺が苦手なタイプなのでラーメン単体で食べたいとは思わないのですが、カレーは抜群に美味く、そのカレーの美味さを十二分に引き出すのに成功したラーメンだと思います。次は「中辛」で再訪してみます。
| 固定リンク