【観戦記】浦和L 3-0 新潟L
党首は影も形もなし。
09年開幕戦。事前情報に乏しくスタメンは全くの不明でしたが、試合前練習に出てきたメンバーを見てびっくり! 新加入の後藤・熊谷・西田、そしてジュニアユースレディース在籍の竹山がスタメン。CB百武は負傷しているのかMDP配りをしていたので西田はその代わりの出場と目されますが、SH後藤は木原を、CH熊谷は高橋、SB竹山は岩倉をベンチに押しのけてのスタメン出場。
相手がやや力の劣る新潟なので、開幕戦とはいえ半ばテストを兼ねているのだろうと思ったのですが、蓋を開けてみるとこれまたびっくり。後藤と熊谷は基本技術が先輩達に比べて圧倒的に確か。しかも同じ常葉木学園卒とあって当然ながら連携も良く、この出来ならスタメンを確保するのも当然でしょう。
特に2点目を決めた後藤のパフォーマンスは圧巻。左サイド高めにポジションを取り、庭田や後藤が中盤深い位置から繰り出すロングフィードを受けて単騎ドリブルで新潟守備陣に突っかけます。たぶん書棚には「C・ロナウドスーパーゴール集」のDVDが並び、日記には「今日は跨ぎが足りなかった」と書いているであろう、そんなプレースタイル。庭田がエリア内で落としたところを、左から斬りこんでボールを拾ってシュート!ボールを受けた時点でシュートに持ってゆくイメージが出来ていたであろう、素晴らしいゴールでした。
後藤だけでもお腹一杯になる試合でしたが、試合内容も昨年から大きく改善していました。昨年は4-2-3-1に近い布陣で、右サイドを中心にSH&SBで数的優位を作ってクロスというパターンが非常に多かったと思います。しかしクロスの精度がいまいちだったり、中央が薄かったり、あるいはFWが力不足だったりして、力の劣る相手にボールを支配しているものの点が取れない試合が少なくありませんでした。
で、得点を奪うことに拘りを見せる村松監督がそこをどう修正するかが見物でしたが、開幕戦を見た限りでは昨年よりポゼッション指向が強まっているように見受けられました。スキルの高い選手が加入したためでしょうか。前半はショートパスを多用して相手を崩そうとしたもののなかなか上手く行かず、ワイドな展開が増えた後半のほうが遥かに良かったかと思いますが、いずれにしても昨年と比べてSB、特に土橋の攻撃参加が激減した反面、両CHが再三エリア周辺に顔を出してくるのが目に付きました。
もっともこの辺はオフサイドラインぎりぎりで飛び出す機会を伺っている新潟の2トップを2バック+片方のSBで見ている影響があったのかもしれませんが、SBではなくCHが活発に攻撃参加することで昨年よりサイドと中央の攻撃のバランスが良くなった(=中央がダメならサイドへ、サイドが詰まったら中央へ、さらに逆サイドへ)ような気がします。
北本は得点よりも前線での繋ぎ役に専念している印象。その分安藤の得点力に期待がかかるわけですが、今日の安藤は直接FKで1点決めたものの、その前の絶好機を外した(左からのクロスをどフリーで受け、GKの位置までしっかり見ながらシュートはバーの上・・・)のがケチの付け始めだったのか、その後は何度もひとりで突っかけては潰されるの繰り返し。北本はカウンターのチャンスで好位置にいても安藤からパスをもらえず少々不憫。
また全体的にボールを大事にする意識が強すぎるのか、エリア内にボールを運んで撃てそうな局面でもさらに繋いで、結局決定機を逸する場面もちらほら。女子はシュートレンジが狭いので撃てそうに見えても実際は難しいのかもしれませんが、後藤が厳しい角度からでも盛んにシュートを狙っていたのを見ると撃つ奴は撃つということで。
試合は後藤の消耗と共にぐだぐだ模様になり、このまま2-0で試合終了かと思いましたが、柳田のクロスを土橋が決めて3点目。現場ではてっきりオウンゴールだと思ったのですが、土橋の弁によると給水しに行こうとしたらボールが来たとのこと。セットプレーの名手高橋が不在なので左CKは安藤、右は柳田が蹴り、FKも両者で担当していましたが、ショートコーナーを多用するなど、セットプレーには工夫を重ねている模様。
新潟は昨年と違って中盤ではほとんどプレスを掛けてこず、引いて守って相手のFWにボールが入ったところで潰す策に出ていた感じ。それゆえ浦和は前半簡単に中盤でボールを回せるものの、シュートに持ち込めずに苦労しました。新潟の攻撃は縦ポンで快足FWを走らせるしか手がありませんが、CB西田はスピードがないのと矢野との連携がイマイチで時々ひやっとさせられました。また新潟の放つ破れかぶれのミドルシュートが何度か山郷ゾーンに飛んできましたが、結局危なかったのはCK崩れでカウンターを喰らい、CB間をぶち破られた1回だけかと。昨年より弱くなっているような・・・
---安藤--北本---
後藤--------柳田
---庭田--熊谷---
竹山-矢野--西田-土橋
-----山郷-----
72分:竹山→岩倉
83分:北本→窪田
89分:後藤→木原
P.S.
この日の主審はなでしこリーグでは非常に珍しいことに多少の接触では笛を吹かずに流すタイプでした。新潟があんまりがつがつ当たりに来ないこともあって怪我を心配させられるようなこともなく、非常に好感の持てる試合裁きだったかと。
でも副審がオフサイドの判定を焦ったのか、旗を持ち替える際にうっかり落としてしまったのには爆笑。
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