【観戦記】09年第7節 千葉 0-1 浦和
豪雨が災いしてか、シュート数8対4という数値が示すとおり、共に見せ場の少ない貧打戦。しかし、その中で浦和は流れの良かった後半開始~20分くらいまでに2度決定機を掴んでそのうちの一つを決め、一方千葉は90分を通じて決定機どころか満足にシュートすら撃てませんでした。従ってスコアレスドローに終った可能性はあったかもしれませんが、千葉が勝つ可能性はほぼ皆無だったと思います。
これでリーグ戦4試合連続の1-0となりましたが、これまでの3試合は山のように決定機がありながら追加点が取れず、自ら試合をややこしくしていた試合。しかし、千葉戦は数少ないチャンスをきっちりものにし、後は半ば千葉の拙攻に助けられながらも悠々逃げきった試合で質的に全く異なるもの。豪雨でショートパスを繋ぐサッカーには極めて厳しい環境下、イマイチの試合内容ながら敵地で勝ち点3をもぎ取って帰ってこれたのは高く評価していいでしょう。
7試合を終えて得点8、失点4。数値だけ見れば試合の印象とは真逆に「超守備的なチーム」になってまんがな(苦笑)
---原口--エジ---
直輝-------ポンテ
---啓太--阿部---
細貝-闘莉王-坪井-暢久
-----都築-----
76分:原口→セル
86分:ポンテ→高原
88分:直輝→堀之内
負傷でU-20を辞退し、週前半は別メニューでの調整だった直輝がスタメン出場。フィンケ監督の弁によると
「実際に、金曜日のトレーニングでも彼は私たちのチームトレーニングにまったく問題なく合流していますので、そういう意味では今日、彼をフルに起用することについては、まったく悩む必要もありませんでしたし、彼を休ませるという考えは一切ありませんでした」
とのこと。GWの連戦を控えてプチターンオーバーでもやるかと思いましたが、それどころかスタメンは前節と全く同じ。
-深井--巻---谷澤-
---アレ--工藤---
-----下村-----
青木良-ボス-坂本-和田
-----岡本-----
71分:深井→新居
79分:谷澤→ミシェウ
こちらは前節負傷したCB池田が外れた他、なぜかアンカーを齋藤に代えて下村、右WGを米倉に代えて谷澤を起用。90分持たない谷澤は後半投入されるほうが嫌だっただけにラッキー。
前半は犬プレスが効いて総じて千葉ペース。千葉は果敢にDFラインを上げて陣形をコンパクトにし、前目の5人が積極的にプレッシング。特に浦和がDFラインから両CHにボールを入れてくるあたりをボールの取りどころとして狙いを定めている模様。浦和はCHが前を向けずにボールを回せないどころか、闘莉王が再三フィードミスを犯して千葉にボールを奪われてショートカウンターを喰らう始末。
但し、浦和にとって幸いだったのは千葉がボールを奪ったところでその先に何もないこと。浦和はボールを奪われると素早く攻守を切り替えて千葉の攻撃を早めにシャットアウト。工藤が抜け出して都築と1対1になりかかったのがこの日千葉唯一のチャンスらしいチャンスでしたが、それすらも闘莉王がスライディングタックルでシュートを撃たせず。千葉は浦和のミスに乗じてカウンターを仕掛けてくる他は徹頭徹尾巻への放り込みに終始。巻へのファーストコンタクトは坪井の役回りになることが多いようでしたが、そもそも巻に高精度のボールが入らない上に、巻がなんとかボールを叩くのに成功してもその後のフォローが皆無に近く、「戦術は巻」は全く機能せず。
千葉は善戦しているものの攻め手が無いので、後は犬プレスがいつまで持つかが見物でしたが、やはりというか当然というか90分持たず。後半開始早々浦和がギアを上げたのか、ポンテのスルーパスを受けて原口がDFラインを抜け出した(GKを交わそうとして躓く・・・)のを皮切りに敵陣深い位置でボールを回すのに成功。千葉はあれだけ追い掛け回しても前目でボールが取れない以上DFラインを下げざるを得ないのでしょう。
後半10分過ぎに下村が負傷したのが幸いしてか、阿部が珍しくスルスルと最前線に顔を出してポストプレー。左サイドを駆け抜けた直輝にボールが渡って、クロスをファーのエジが決めて先制。
その後カウンターからの絶好機があったもののポンテのシュートは枠を逸れ、原口を下げてセルを入れた辺りからぐだぐだモード入り。セルは2度ばかり中盤でボールを奪われ、おいおい峻希に出番を奪われるだろうと思われる低パフォーマンス。残念ながら今のセルは終盤のコーナーでの時間稼ぎにしか役に立っていません。
ただ後半半ば以降の浦和はカウンターを喰らうリスクを犯してまで無理にボールを繋がず、やや引き気味に構えてカウンター狙いという風にも見えたので、セルのミスも大過には至らず。執拗な千葉の放り込み(前節破れた瓦斯はこれに耐え切れなかったのか・・・)を闘莉王、阿部、細貝らが跳ね返してはドッカーン、ドッカーンと蹴りだして危なげなく試合終了。
ミラーは後半早々と電池切れに陥った深井・谷澤に代えて新居、ミシェウを投入するも何の働きもできず。お疲れで足元がふらつくのか、後方からのビルドアップが満足にできずにWGにボールが渡らなくなっているので、途中投入された選手も気の毒といえば気の毒。
千葉は犬プレスをベースに守備組織こそ整っている(といっても犬プレスを回避して高いDFラインの裏を縦ポンで突いてくるようなチームにどう対処するのかは謎)のですが、攻撃のバリエーションがないのでなかなか勝ち点3を取れずにしばらく苦しみそう。
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