大分2009Ⅱ-(4)東田第一高炉
(大分2009Ⅱ-(3)から続く)
西小倉 13:38 (4129M モハ813-104) 13:47 スペースワールド
スペースワールド 14:43 (4346M クハ810-17) 14:53 小倉
鹿児島本線で通るたびにいつも気になっていた旧八幡製鉄所の大高炉。日本初の本格的製鉄所が建設された「1901」年の看板が誇らしげ。
ここが史跡として整備されたとの話を聞いて早速行ってみました。
八幡の官営製鉄所は富岡製糸所と並んで明治日本の工業化の象徴であり、誰でも知っている近代化遺産の一つだと思います。しかし、富岡製糸所とは対照的に重要文化財に指定されていないのは、1962年に建替えられて建設当時の姿を留めていないためでしょう。
左の白い塔は高炉に熱風を吹き込む「熱風炉」。この熱風で燃料であるコークスを燃やし、溶けた鉄鉱石から鉄を取り出すのが「高炉」。右の白い塔は高炉から出る排ガスに含まれる塵を取り除いてガスを再利用するための「集塵器」。
熱風炉から煙道へ送る煙の量を調整する「煙道弁」。こういうマイナーな機関ですらやたら巨大で、その傍らに建つ高炉のでかさには圧倒されるばかり。
高炉から出てくる銑鉄の様子を見守る人々。川口に住んでいるとなんだか見慣れた光景のような気もしますが(^^; 高炉から出てくる銑鉄の温度は1400度。耐火服を着ているとはいえ、どう見ても危険できつい仕事です。そして驚きべきことにこの仕事は明治の昔の話ではなく、展示してある耐火服は2001年当時の八幡製鉄所で使用されていたものとのこと。
圧延工は重労働。入社試験には13貫(約49キロ)の鉄の棒を両手に持って、30メートルを2往復させるようなことも。
すいません、30メートル歩くどころかそんな鉄棒を2本も持てません(´・ω・`)ショボーン
銑鉄は「ドーピードカー」と呼ばれる貨車に載せられて転炉へと運ばれます。「ドーピードカー」は単なる貨車ではなく、輸送の途中で硫黄やリンなどの不純物を取り除ける優れもの。但し、展示してある「ドーピードカー」は戸畑で利用されていたもので、東田ではそれよりも原始的な「鍋台車」だった模様。
銑鉄にくず鉄や生石灰等を入れて酸素を吹き込み、レールや自動車部品等様々な用途に応じた鋼鉄を作り出す「転炉」。
今では「企業城下町」という言葉はややネガティブな意味合いになってしまいましたが、巨大製鉄所を誇りとして生きた昔の八幡・戸畑の人々の顔は実に生き生きしています。
これだけ充実しているのに入場はなんと無料。巨大構造物ゆえメンテナンスに応分の金がかかると思いますが、北九州市の財政支援だけでは手に余り、新日鉄が相当支援しているのではないかと思いますがどうでしょうか?
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