大分2009Ⅱ-(8)門司港焼きカレー
(大分2009Ⅱ-(7)から続く)
すっかり門司港の名物として定着した感のある「焼きカレー」。「門司港焼きカレー倶楽部」の案内によると、焼きカレーの発祥については諸説あるものの、昭和30年代の門司港にあった喫茶店がその始まりで、余ったカレーをグラタン・ドリア風にオーブンで焼いたところ、実に香ばしく美味しく仕上がったので、のちに店のメニューとして出し、好評であったとのこと。
「焼きカレーMAP」に載っている店だけでも24店、それ以外にも焼きカレーを出す店があり、門司港のあちこちで「門司港焼きカレー」の黄色い幟が目に付きます。
といっても焼きカレーの専門店があるわけではなさそうですし、どの店が老舗でどの店が新参者なのかも「焼きカレーMAP」では良く判らないのですが、大規模レストランの品揃えの一環として出しているところよりも、メニューが限られている小さな店のほうがマシであろうと考えて、旧門司三井倶楽部近くの「ドルチェ」に入ってみました。店に手作りケーキとカレーの店と大書してあります。
店は増築でもしたのか2つのパーティションに分かれた妙な作りになっていて、しかもかなり手狭。大小のテーブル席もあれば、カウンター席もあってぎっしり客を詰め込む仕様になっていてあまりのんびりできそうにもないのが難。団体での入店は全くお勧めできません。
入った時は7割くらいの入りでしたが、食べ終わる頃には外に5、6人の行列が出来ていました。
早速「焼きカレー(850円)」を単品で注文。カレー&ケーキみたいなブタまっしぐらなメニューも・・・ 他の客も大多数が焼きカレーを注文していました。
ちひろの絵が飾られたどこからどう見ても女性を意識した内装の店で焼きカレーを掻きこむオヤジって実にシュール・・・
焼きカレーはチーズを乗せてオーブンで焼くため、出来上がりにかなり時間がかかります。 グラタンみたいな浅い皿ではなく、かなり深い容器で出てきました。
チーズだけかと思ったところ、中に玉子が隠れていました。ただ玉子は全く焼けておらず完全に生。カレーに生玉子って関西っぽくて好き嫌い分かれるかもしれません。
多種多様な香辛料を混ぜて黒っぽくなった今風のカレーですが味はいたってマイルドで、辛味だとか舌への刺激といったものはほとんどありません。チーズと合わせるとそうせざるを得ないのかなと思いますが、それゆえカレーライスとして評価するよりもカレー風味のドリアとして考えたほうがいいかも。
具はほとんどカレーに溶け込んでしまって、牛肉の破片と緑の野菜(ゴーヤ?)が確認できたくらい。
喫茶店の一メニューに過ぎないという出自ゆえか、量は少な目。ただチーズのおかげでそこそこ腹持ちはします。
この日はたまたま「門司港焼きカレーフェア」開催日。
フェアに協賛している店の焼きカレーが実物で展示されていました。こう見ると「ドルチェ」のように深い容器で出す店は非常に少なく、浅い皿で出す店のほうが多いようです。
焼きカレー自体は門司港にしかないわけではなく都内でも食べられるようですが、焼きうどんのようにどこにでもあるわけではなく、適度にマイナーな存在感が街興しの材料として成功した一因かもしれません。
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