【観戦記】09年第23節:広島 2-1 浦和
柏戦の惨敗からわずか中2日。しかも前泊を伴う遠距離アウェー。回復系の練習メニューしか組みようがなく、相当思い切ったことをやらないと立て直しは難しいだろうとは思いましたが、この日のスタメンは前節出場停止だった坪井・啓太が戻り、堀之内と怪我持ちの闘莉王を外した他は、高原を外してセルを入れた程度。誠に申し訳ないが、前節惨敗の主因といってもいいくらいのポンテがスタメンに名を連ねていると判った時点でこの試合も相当難しいものになるだろうと思いましたが、結果は案の定。柏戦はそれなりにチャンスもあり、先制点を取っていれば全く違った展開になったと思いますが、この試合は得点の気配皆無。原口やセルがドリブルで突っかけて敵陣に迫るものの、結局GK中林を脅かしたシュートはゼロ。いや、後半セルFK→闘莉王で1点返したはしましたが、全く後に繋がらなさそうな得点で、実際その後浦和に何のチャンスも生まれないまま試合終了。もはやどこから再建したらいいか判らないくらい絶望感漂う試合でした。
この試合のやられっぷりを見ていると、優先的に再建すべきなのは攻撃ではなく守備でしょうな。後方からスルスルと上がってきたCB槙野にどフリーでシュートを撃たれ、さらに右WBミキッチの攻撃参加に誰も応対せずに2点目を取られる。共にカウンターを喰らったわけではなく、単なる怠慢。原口・ポンテ・セルと並ぶ2列目はいずれも守備意識が高いとは言いがたいのが難。おまけに最前線のエジを含めて激しくポジションチェンジをしますが、これは攻撃時には相手のマークを混乱させるのに役立ちますが、いったん守備に回ると逆にこちらのマークがあいまいになりがち。それが相手にどフリーの選手が生まれやすい一因だろうと思います。
まぁこの試合に関して言えば、それ以前に広島の攻撃の基点であるストヤノフへのチェーシングをさぼった報いのような気もしますが。この日の前半の広島は面白いことに徹頭徹尾ストヤノフから前線への縦一本のみ。寿人が浦和DFラインの裏に抜け出せれば最善。抜け出せなくても浦和のDFラインを下げて、こちらのDFラインを上げる時間を稼げれば良しといった感じの攻撃。暑い中、ちまちまと後方からビルドアップなんてしてきませんでした。従ってストヤノフさえ抑えておけばどうということはないはずなんですが、それを時折さぼって、その都度ピンチに陥っていたような気がします。
広島が相手チームにポゼッションで劣勢に立つことは珍しいのでしょうが、この試合を見ていると浦和のポゼッションなんて「捨て置かれた」も同然。前半原口やセルが広島左サイド深く抉ったくらいですかね、可能性を感じたのは。あとは同じくセルや原口のドリブルが多少広島DF陣をびびらせた程度。GKをびびらせるには至りませんでした。
いつも同じようなゆったりとしたペースでボールを回しているだけじゃ相手DF陣は崩れません。緩急の「急」が全くない。直輝のようにパス&ゴーを愚直に繰り返しできる選手がおらず、それどころか運動量皆無の選手を起用してフィンケの目指すサッカーをやろうとしてもそりゃ無理でしょう。こりゃ来オフにはリストラの嵐が吹き荒れるなと思ったら「誠意の複数年契約」でリストラできない選手が結構いるんですなぁ・・・orz
-----エジ-----
原口---ポンテ--セル
---細貝-ー啓太---
平川-阿部--坪井-暢久
-----都築-----
HT:平川→闘莉王
HT:ポンテ→高原
77分:暢久→西澤
明らかに運動量に問題があり、かつ全盛期のような卓越したキープ力がないどころか、いまや相手のボールの奪いどころと化してしまったポンテをトップ下に配している時点でアウトですわ・・・
またしても前半のうちに2失点を喰らって、フィンケは早々と勝負手に。
---エジ--セル---
原口--------高原
---啓太-闘莉王---
細貝-阿部--坪井-暢久
-----都築-----
G大阪戦に続いて闘莉王を中盤で途中投入。G大阪戦よりはタスクは限定的で中盤の底で専らボールの裁き役に専念。またセットプレーのターゲットとしての役割もきっちり果し、この日も1得点。ただ1点差に追いつかれた後の広島は闘莉王へきっちりプレスを掛けにゆくようになり、その後の闘莉王はボールの裁き役としての仕事を全うできず。もっとも後半ヘロヘロの啓太や細貝がビルドアップの過程でそれ以上の失態を繰り返していたので闘莉王を責めても仕方ありませんが。
動き自体はエジよりマシと思われる高原は右サイドでもがいているだけで何の役にも立たず。
戦局が絶望的になってから西澤投入。もはや「学徒出陣」の心境。
今やかすかな希望である梅崎の投入機会がないまま試合を終えたのが残念でなりません。
-----寿人-----
---高萩--柏木---
服部-中島--高柳-ミキ
--槙野-スト-森脇--
-----中林-----
57分:高萩→横竹
76分:高柳→李
80分:ミキッチ→盛田
カウンターで何度も決定機を作りながら2得点どまり。確かに寿人は決定力に問題があるというのは判るような気がします。
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