薩摩路(1)~知覧武家屋敷
(「宮崎駅にて」から続く)
早朝から特攻基地があったことで知られる知覧へ足を運んでみました。知覧は薩摩半島の南部にあり、鹿児島からバスで1時間20分。バスは動物園のある平川あたりまで鹿児島湾沿いに南下して、そこから一気にシラス台地を駆け登ります。
薩摩藩は鶴丸城を内城とし、藩内に113の外城を設け、御仮屋を中心に武家集落を造り、鹿児島に武士団を集結させることなく分散して統治にあたらせました。知覧もその外城の一つです。
知覧北部中心部の麓地区には武家屋敷が今も残っています。美しく整然とした町並みは、古くから「薩摩の小京都」と呼ばれています。観光客がやって来るには早すぎる時間でしたので、人気のない武家屋敷群を十二分に堪能できました。
石垣で屋敷を区切り、石垣の上に思い思いの意匠で生垣を廻らしています。
武家屋敷に石柱門が目立つのは薩摩の特徴かな?
武家屋敷のうちのいくつかは観光向けに庭園を開放してします。いずれもなんとも見事な枯山水。薩摩といえばよく言えば質実剛健、悪く言えば武骨で無粋というのが通り相場ですが、その薩摩、しかも鹿児島から遠く離れた知覧の地に見事な庭園文化が花開いているというのは不思議な気がします。
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