【観戦記】09年第25節:浦和 4-1 山形
公式戦8連敗、リーグ戦7連敗という連敗地獄にようやく終止符。浦和が突入した連敗トンネルは当初丹那トンネルくらいかと思われましたが、それが北陸トンネルになり、ついには六甲トンネル化。まぁ青函トンネルにはならずに済みましたが。
連敗トンネルを漸く抜けたとはいえ、良い時間帯と悪い時間帯の差が激しく、相手がもうちょっと強いチームなら撃ち合いになったかもしれません。試合内容は攻撃面は神戸戦に続いて上向きには転じたものの、試合全体のクォリティーはまだまだ。このままだと次節川崎戦には痛い目に合う可能性が高いように思います。
猛暑の盛りは過ぎたとはいえ、まだまだ暑さが厳しい9月のデーゲーム。似たような気象条件で坂田@横浜Mにボコボコにやられた試合も記憶に新しいところ。そのせいかどうかは判りませんが、この日の浦和は積極的に前に出て攻勢に出る時間帯と、ゆったりとボールを回しながら、あるいは良く言えば相手に適宜ボールを持たせて半ば休んでいる時間帯とがはっきりしていたように思いました。残念ながらそれが意図的なものかどうかが甚だ疑わしく、全体に運動量が乏しいという問題はほとんど解決していないように思えるのですが・・・
終ってみれば明らかに攻勢をかけている時間帯(前半の立ち上がりと後半15分くらいまで)には1点しか入らず。半ば休んでいる時間帯に2点、セットプレーからの流れで1点ですから、相手の守備陣の出来を考えれば喜んでいいものかどうか。
しかも先制してから梅崎投入あたりまでの出来は酷いもので、中盤の守備がはなはだルーズで再三山形にサイド攻撃を許し、案の定失点。右サイドで暢久&坪井と2人で相手を見張っていたのに簡単に突破を許し、闘莉王は闘莉王でマークすべき相手を離してしまいました。人数はいるのだが肝心な仕事を誰もやっていない・・・
欧州遠征帰りの阿部も闘莉王もコンディションが良くないのは一目瞭然で、ただでさえ不安定な守備を一段と混乱に陥れるのに一役買っていたような気がしてなりませんが、彼らに代わって入れるべき選手がいないというのも寂しい限り。不甲斐ない代表組を啓太と細貝が必死にカバー。
ただ幸いなことに山形の攻勢は前半まで。浦和が適宜休んでいたのが奏功してか、後半は山形のほうが先に足が止まってしまい、チャンスらしいチャンスはポンテと阿部のお見合いに乗じた1回だけ(最後の最後でファグネル投入後ややこしくなりましたが)。山形DF陣はスピードがないのと、ドリブルへの対応が上手くないのが前半でバレてしまい(原口&エジのダブルこけ技でPKゲット→ポンテ2点目)、エジや原口が盛んにドリブルで仕掛けて山形DFラインの裏へ抜け出すのに成功。
もっともこの形では1点も入らず、点が入ったのはエジのポスト→がら空きの左サイドを疾走した細貝のシュートというのは意外でした。右サイドで両チームの選手が密集していて、広大なスペースを細貝が駆け抜ける。あんまりフィンケっぽくない「決まり手」。
さらにセットプレーから左で張っていた闘莉王のシュート性のクロスを山形がクリアしきれず、ダメ押し点。万雷の拍手の中達也登場までは良かったのですが・・・楽勝ムードが良くなかったのか、ボールを回して時間を潰すのか、攻め倒すのか判然としないプレーが相次ぎ(この期に及んで闘莉王の攻撃参加とか・・・)、最後の最後でひやっとしたのはいただけません。
4-1の大勝にも関わらずインタビューで細貝が笑顔を見せなかったのが印象的。満足できるような試合内容ではないことを良く判っているのでしょう。
-----エジ-----
原口---ポンテ--セル
---啓太--阿部---
細貝-闘莉王-坪井-暢久
-----都築-----
33分:セル→梅崎
77分:ポンテ→堀之内
85分:原口→達也
実際はポンテの位置がかなり低く、2.5列目みたいな感じ。後半は原口が前に出て4-2-2-2っぽくなっていました。
前半は立ち上がりから浦和攻勢。啓太のボールカットから左の原口からのクロスを右のセルが粘って難しい体勢で強引にシュートを放って早々と先制!これまた全くフィンケサッカーっぽくない「決まり手」ですが、神戸戦に続いてセルの強引な攻めが結果を出しています。
山形は引いて守ってカウンターという狙いがはっきりしているだけに、この先制点は極めて重要。これで浦和が久しぶりに優位に試合を進められると思ったのですが、そこからのトホホっぷりは前述の通り。しかも前半30分くらいに山形DFと交錯してまたしても無念の負傷交代。神戸戦で負傷して「驚異的な回復」でスタメン出場を果たし、この日も好調のように見えたのですが、次節川崎戦は難しいとのこと。残念至極。代わって入った梅崎は明らかに準備不足で前半はどフリーのシュートを決められない失態を見せてしまいましたが、尻上がりに調子を出してきました。
守備固めでポンテに代わって入った堀之内。4-3-2-1のフォーメーションだと思うのですが、堀之内や啓太が盛んに前に出てくるので4-2-3-1のようにも見え、なんだか不思議な感覚。スペースに良い感じ飛び出してきた選手がいる!と思ってみたらそれは往々にして啓太だったり、堀之内だったりして、その時に内心期待値を下げてしまう自分がいたりします・・・
---北村--古橋---
宮沢--------宮崎
---宮本--佐藤健--
石川-小原--園田-小林
-----清水-----
HT:石川→秋葉
55分:宮沢→赤星
79分:北村→ファグネル
前半を0-0で凌ぎ、浦和の足が止まる後半勝負というゲームプランはあっさり崩壊。選手交代も冴えがなくて完敗。柏が復調気配濃厚だけにホームゲームで大宮や横浜Mを叩かないとJ1残留は厳しそうです。
頑張ったのは山形サポ。埼スタ初登場とあってか、団体バスで大挙してやってきました。新潟のJ1昇格初年を思い起こさせる勢い。一泊二日でディズニーランドとセットでの観光でしょうか?
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