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2009.10.18

【観戦記】09年第29節:新潟 0-1 浦和

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 後半は圧倒的に攻めてはいたものの、終わってみれば開始早々の新潟のプレゼントゴールの一点どまり。チャンスは多いが点が入らず、あろうことか往々にしてシュートで終われずにカウンターを喰らうという、いつもの浦和っぷり。まぁそれでも勝ちは勝ち。4部のアマチュアに「ベストメンバー」でまさかの惨敗を喫してチームの雰囲気が良かろうはずがなく、しかもフロント・首脳陣には雑音だらけ。一歩間違えればそのまま坂道を転げ落ちて、チーム瓦解になりかねないところだっただけにまずはひと安堵といったところでしょう。

 フォアチェックを受けた坪井の「おろおろ」を筆頭に情けない場面も少なくありませんでしたが、この試合良かったと思うのは選手の闘う気持ちがはっきりと見えたこと。まぁ先週あれだけの糞試合をやってしまった後ですから、さすがに選手たちにも思うところがあったのでしょう。攻守の切り替えは何時になく早く、また玉際もいつになく厳しく行っていた(それゆえなぜか守備側にやら厳しい主審にイエローを山のように貰いましたが・・・)ように窺えました。

 これにより、特に後半はカウンターを喰らいかかっても相手に決定機を掴ませず。後半30分あたりから急激に足が止まって猛反撃を受けそうになると、なんとかボールを落ち着かせて体力回復&時間潰し(でも、「なんで攻めないんだよ!」って野次る奴多いんだよなぁ・・・)。主審の癖を見抜いたのか、最後はジウトンを退場に追い込んで新潟にチャンスらしいチャンスを与えないまま、まんまと逃げ切りに成功。

 この面子だと最高到達点がこの程度かもしれんなぁという思いが拭いきれませんが、選手が一所懸命やっている姿ははっきりと窺えましたから文句をいうべき筋合いの試合ではなかったかと。

 ただ双方ミスが多く、「より致命的なミスを数多く犯したほうが負け」というLoser's Gameの様相を呈していたあたり、試合の水準としては些か寂しいものがありました。

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20091017no098

---エジ--達也---
原口-------ポンテ
---阿部--啓太---
細貝-闘莉王-坪井-ホリ
-----山岸-----

28分:啓太→直輝
79分:堀之内→平川
84分:達也→高原

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---矢野--大島---
松下--------丸塩
---三門--本間---
ジウ-永田--千代-内田
-----北野-----

77分:松下→チョ
83分:三門→エヴェルトン

 この日ある意味最大の見物だったのは右SBに抜擢された堀之内。暢久出場停止 & 峻希怪我 & 西澤・平川コンディション不良で壊滅した右SB。細貝を右に回して、左にウジンガーZという手もあったと思うのですが、どういうわけはフィンケは堀之内への信頼が厚い様子。前半は上がってきたジウトンに悩まされ、さらにポジショニングが中途半端に高くて、坪井との間に走りこまれる場面もあってヒヤッとしましたが後半は破綻なし。

 それどころか後半は浦和がポゼッションで完全に優位に立ったことから再三攻撃参加。まぁどう見てもその外を回る選手へ玉を出すだけで精一杯。CKでも取ろうものなら「堀之内、よくやった!!!」の拍手万雷ってどこの高卒ルーキーやねん? 後半30分くらいに両足を攣ったのか、担架に乗ったまま交代してしまいましたが、まさに名誉の負傷!(尻を銃弾が貫通したような、生命に全く影響がない負傷で後方護送 → そのまま除隊みたいな(笑))。 ファウルスローを一回取られましたが、慣れないことゆえ致し方ないか?

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 他に目を惹いたのは啓太の負傷で急遽前半途中から投入された直輝。負傷再発でスタメン落ちと伝えられましたが、全く負傷の影響を感じさせない素晴らしい出来。一応CHの位置に入りましたが、阿部を守備専門にして直輝がしきりに攻撃参加。直輝投入で浦和のボールの流れがスピードアップし、かつ相手の嫌なところへボールが出てくるようになるのが丸わかり。苦手の守備もフィジカルで苦戦しながらも直輝なりに最後までよくボールに喰らいついていったと思います(この点原口のほうが課題大だな・・・)。

20091017no108

 新潟は最初から最後までいいところなし。矢野&大島のフォアチェックは強烈で、坪井の「おろおろ」を誘いましたが、松下の至近距離からのシュートはなんと山岸の正面。これが最初で最後のビックチャンスで、それ以外はマルシオのFKが山岸の好セーブに阻まれたくらい。後半はほぼノーチャンス。終盤になって雨が降り出し、大入りで渋滞が心配になった新潟サポが試合終了を待たずに大量に席を立ったのは当然でしょう。この試合内容でなんで広島・鹿島にアウェーで連勝できたのか誠に不思議・・・

 新潟の面白いところは後方から細かく繋ごうとするところ。浦和崩しの定石ともいえる「SB後方へのロングボール攻め」なんてほとんど使ってきません。矢野・大島と二人ターゲットマンがいるので闘莉王のいないほうへガンガン蹴るだけでもチャンスになりそうなものですが・・・ で、あんまり上手いとも思えないビルドアップをちまちまやっているうちに、浦和の中盤のプレス網に引っかかって(特に浦和のマルシオ潰しは徹底していました。っちゅーか、あれほど判りやすい潰しどころはないわなぁ・・・)たちまち逆襲を浴びる始末。

 でも浦和はその機に乗じて一気にフィニッシュまで持ってゆくわけではなく、これまた後方の上がりを待ってちまちまとポゼッション。でも決定機は作れずにボールを失って新潟のカウンター。そして新潟はまたちまちま。後半はその繰り返しだったような・・・

 あと浦和は例によってSBが中へ絞りすぎてしまい、新潟の選手がサイドでどフリーになっていてそこへ出されたら一貫の終わりという場面も散見されましたが、新潟がなぜか可能性の少ないシュートを選択。そんな新潟の落ち着きのなさに助けられた感も。ペドロを失って新潟の攻撃力は劇的に低下しており、しかも中盤の出来もさっぱりなんでこの後じりじりと順位を下げてゆくような予感・・・

 この試合、浦和の完勝に終わったのは最初のプレゼントゴールと、新潟の闘い方との相性の良さゆえだったのかもしれません。

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