【観戦記】09年第33節:京都 1-0 浦和
ザ・消化試合。
先制されてからのヘタレっぷりからすれば、そう形容するのが至極妥当でしょう。
前節劇的な幕切れを伴った逆転試合を演じたのは例外中の例外で、今年は先制を許した後何の反発力も感じられないまま、あっさりと負けてしまう試合が目立ちます。まるで引退寸前の力士のようになすすべなく押し切られてあっさり土俵を割ってしまう、そんな試合の連続。
またこの試合について言えば、前節の試合展開を忠実になぞっただけといえるかもしれません。浦和は今期良い試合内容が持続しないとよく言われます(浦和は伝統的にそうだという見方も)が、この試合についていえば前節と大差なかったかと。
驚いたことにスタメンは前節と全く同じ。前節は出場停止やコンディション不良が相次いで、苦肉の策としてベテラン重視で臨まざるを得ませんでしたが、この試合を含めて残り2節。ほぼ消化試合と化した試合に、来期構想とは全く異なるメンバーで臨んだのはかなり不可解でした。
前半は圧倒的に優勢。しかし後半半ばまで持たずに失点。この面子だとスタミナに問題があることは監督も認めていて前節、今節とその懸念が現実のものになってしまいました。後半立ち上がりのビッグチャンスを逃した後は運動量が次第に落ちてボールを前線に運べなくなりやむなくバックパスという7連敗中によく見た光景が頻出。守備も前半は高い位置でプレスをかけて相手の封じ込めに成功していたのですが、次第に京都のサイド攻撃を許すようになってしまいました。そして何度かひやっとする場面が続いてついに失点。
前節と同じといえば、相手の左サイドを何度も崩しながらそれが得点に結びつかなかったのもそう。エジ・ポンテ・達也そして平川と人数をかけて相手左サイドを崩してはいるのですが、最後は判で押したように単純なクロス。それでは「CBだらけ」で中央が堅い京都を崩せない。
達也は頑張ってはいるのですが、前節同様自分でシュートを撃つ意識がどこかに行ってしまったのが残念至極。これじゃ相手はエリア内で張っているエジなり高原なり(しかも往々にしてそのどちらかしかエリア内にいない・・・)だけをマークしておけばOKなので随分守りやすいでしょうなぁ・・・ しかもエジは前節ハットトリックで目をつけられたか、要所要所で厳しいマークを受けて何もできず。で、結局のところ圧倒的に押していた時間帯ですら決定機は前半の啓太→高原ヘッドと後半立ち上がりの阿部→エジだけ。
1点ビハインドになるまで監督に動きなしというところまで前節と同じ。何の前触れもなく2点取られた前節はともかく、明らかに後半早い時間帯で機能不全を起こしつつあった今節で先手を打てなかったのはどうかと・・・左サイドからの攻撃はこの試合ほとんど機能していませんし・・・
で、遅まきながらも来期の主力選手を続々投入しては見ましたが、全くといっていいほど何の効果もなくそのまま試合終了。試合展開が前節とほぼ同じにも関わらず結果は前節と同じにならなかったのは京都の守備が磐田と比べると圧倒的に堅く(っちゅーか、磐田の守備が弱すぎなんですが・・・逆に京都の攻撃は磐田と比べると見るべきものはほとんどなく、むしろよく1点取ったなぁという気も)、浦和の終盤の攻勢を凌ぎきる力があったから。
前節活躍したセルは右サイドでイ・ジョンスと対峙する場面が多々ありましたが、1対1では歯が立たず。前節に続いて左SBに入ったイ・ジョンスですが1対1の強さはさすがで、セルを封じられて浦和に同点の目は薄くなってしまいました。原口はスタメン落ち已む無しと思わざるを得ないほどこれといった仕事ができず。直輝はそもそも途中で入れてどうなるというタイプじゃないからなぁ・・・
今期とうとう関西シリーズ3連敗。しかもリーグ戦下位の神戸と京都に勝てなかったんですなぁ・・・
そして来年も「試合観戦(別名「罰ゲーム」)付き京都観光ツアー」が催行されることになり一同安堵。
-----エジ-----
高原---ポンテ--達也
---阿部--啓太---
細貝-闘莉王-坪井-平川
-----山岸-----
66分:啓太→直輝
78分:高原→原口
78分:ポンテ→セル
失点場面は浦和左サイドががら空き。高原がどこかへ行ってしまって、細貝は妙に中へ絞っていて簡単にクロスを上げさせてしまったのが敗因。でもファーへのクロスはアバウトだったのでまさか失点するとは思わなかったのですが・・・仔細不明。ポジション的には平川は何をしていたんだ?ということになるのでしょうが。
-----柳沢-----
林---デエゴ---角田
---安藤--佐藤---
李--森下--水本-染谷
-----水谷-----
58分:林→中山
89分:ディエゴ→シジクレイ
後半柳沢とディエゴ、角田と林がそれぞれがポジションチェンジ。途中から左SHに投入された中山は容姿と背番号が柳沢そっくりで区別つかず。
京都は前半前線に基点を作って、そこからSHを浦和DFライン裏に走りこませる狙いが見て取れましたが、それが形になりそうだったのは立ち上がり10分くらいまで。その後しばらくは中盤で劣勢に陥って全く何もできませんでした。しかし、中山を投入したあたりから中盤の形勢が五分になり、低レベルで拮抗する中で中山が先制。
その後は追加点を取りにゆく気配は全くなさげで専守防衛で逃げ切りに成功。J1残留が最優先なので当然といえば当然の策。
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