【観戦記】10年第4節:新潟L 1-2 浦和L
前半やや不用意な形で先制点を奪われ、攻撃に難のある今年の浦和にとってはかなり厳しい展開になりましたが、終わってみれば力の差を見せ付けた格好での逆転勝利。逆転してからは新潟相手に引き気味に構えて万全を期するなど、怪我人だらけで苦しい中でなんとか勝ち点3を積み上げようという並々ならぬ監督の決意の程が伺われました。
引き上げてくる選手達の表情を見る限り、勝つには勝ったけれど内容は乏しかった狭山戦と比べると、相手が多少強くなった分、結果&内容共に多少手ごたえを感じているようでした。
先制点こそ奪われましたが、守備はほぼ完璧。失点はエリア周辺でのクリアが不十分だったところを相手に拾われて、破れかぶれっぽいシュートが弧を描いてゴールマウスに吸い込まれたもの。それ以外では前半DFラインが下がったところをエリア前中央からどフリーで撃たれた(幸いにもGK山郷の正面で難なくセーブ)のがやばかったくらいで、後は危なげなし。SB森本のスピード不足が顕著で、前半はここを何度かやられかけましたが、決定機は与えず。
攻撃も再三サイドから形は作っていたので悪くはありませんが、ラストパスあるいはクロスに精度を欠いて、中に突っ込んでいる誰にも合わない、あるいはDFに引っかかってしまってばかりだったのは残念。唯一決まったのがこの日の決勝点でしたが、やはり今年の浦和は攻撃に難があることを強く印象付ける試合内容でした。
---後藤--松田---
岩倉--------柳田
---庭田--藤田---
森本-矢野--熊谷-土橋
-----山郷-----
71分:松田→窪田
76分:藤田→岸川
前節狭山戦で同タイプの2トップがほとんど機能しなかったことを反省したのか、この日は松田を中心に2トップ、あるいは左SH岩倉を積極的に相手DFラインの裏へ走らせるような攻撃が目立ちました。まぁポストプレーが全く期待できない松田を使おうとすればこういう手しかなかろうとは思いますが、いつもCHからサイドにタメを作ってサイドから攻撃というパターンを見慣れているせいか、前半は終始バタバタした印象が拭えず。
一方の新潟も最前線にポンポンボールを蹴ってFWのスピードを生かすか、そのこぼれ玉を2列目に拾わせようとするだけなので、どちらもよく言えば縦に早い、悪く言えば落ち着きのない試合展開に。
先制点を取られて暗雲が広がりかけましたが、それを払拭したのが庭田の好プレー。庭田がエリア内で待ち構える後藤(?)にくさびのパスを入れ、後藤の折り返しをエリア中央に突進した庭田が拾ってそのままシュート。ゴール右隅に突き刺さる見事なゴールでした。っちゅーか、この一連のプレーはトップで見れんものかなぁ・・・
この日の庭田の出来は圧巻。前節に続いて藤田とのコンビでしたが、今回は庭田が基本的に前、藤田が後ろといった具合。ボールが中盤で落ちつかないこともあって自然藤田が消え気味になってしまいましたが、庭田的には明らかに前節よりはやりやすそう。またこの日庭田が良かったのはあまり得意とは言いがたい守備での貢献が高かったこと。柳田が前節同様精細を欠いていることもあって、今年の浦和は庭田が中心といった感がありあり。
前半のうちに同点に追いついた浦和は後半立ち上がりから攻勢。バイタルエリアで前を向いた松田が左サイドでどフリーの後藤をスペースに走らせ、後藤からの折り返しを松田が飛び出したGKより何とか先に触ってゴール。
その後はいつもならイケイケで追加点を狙いそうなものですが、驚いたことに浦和の取った手は引いてカウンター狙い。新潟は縦ポン攻撃しかないのでスペースを消してしまうと手も足も出ません。仕方なく中盤で繋ごうとしますが、そこはもとより浦和が優勢なエリアなので途中でボールを失って何度もカウンターを浴びる羽目に。
ところが2トップや岩倉は疲労の色が濃くて追加点どころか決定機も作れず。岩倉あるいは森本に代えて竹山を投入するかと思ったのですが、守備のことを考えてか左サイドは最後までいじらず。
藤田が自陣深いところで不用意にボールを失ってピンチになりかかった直後に、監督はズバッと岸川へ交代するなど徹底して勝ちに拘る非情采配も繰り出して、後半は楽々逃げ切り。
1点差ながらどこからどう見ても敗色濃厚な新潟。せめて党首投入でファンサービスでもしてくれればいいものを、こちらもガチに勝負に出て党首は出番無し。
観客886人。トップチーム同様、こちらも観客は減少傾向にあるようで、ビッグスワンで試合を開催する意義は全くないような・・・
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