【観戦記】10年第8節:浦和 0-1 磐田
・ボール支配率もシュート数も相手を上回っているけれどもベタ引きの相手を崩す術がない。結果はカウンター一発に沈んだ格好だけれども、決定機の数では互角ないし相手のほうが上だったようにも思え、0-1の敗戦は極めて妥当な結果だと思います。
・この試合はとにかく磐田の守備の良さが光りました。磐田は序盤前目から激しくチェーシングを掛けてきたので、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを狙っているのかと思ったのですが、時間が経つにつれて単に引いて守ってロングボール主体でのカウンター狙いであることが明らかに。
・磐田の守備が非常に良いと思ったのは中盤とDFライン8人が終始コンパクトな陣形を保っていたこと。浦和がサイドにボールを出すと全体がスライドして複数人でプレスをかけてきます。
・浦和はスペースを消され、しかも磐田はバイタルエリアもしっかり守ってくる(下位に沈んでいるチームでも湘南・神戸・新潟とはここが決定的な違い)のでミドルシュートによる局面打開はままならず。結局のところサイドからあまり可能性のないクロスを送るだけという、なんだか昨夏の連敗時に良く見た攻撃に終始してしまいました。
・FK&CKも随分取りましたが、そこからのチャンスは結局後半エジのヘッドがポストを叩いた1つだけ。あとは前半スローインからの流れでエジのシュートがバーを叩いたのが一つ。
・それ以外に可能性があったのは終盤細貝や原口がゴール前に殺到して枠内シュートを放ったもの。この日の浦和はどういうわけか細貝を除けばおしなべて動きが悪く、最後の最後になるまでゴールへ向けて選手が殺到するような様子は見受けられず。
・磐田の決定機は3度。前半は磐田のゴールキックを坪井が被ってしまってイ・グノに拾われたのと、サヌがなぜか極端に中に絞っていて西をどフリーにしてしまった2度。そしてこの試合の決勝点となったカウンターからのチャンス。
・磐田の攻撃はロングボールによるカウンター一辺倒といって差し支えない感じ(下手に中盤で繋ごうとすると、浦和の素早い攻守の切り替えからのプレッシングで潰されてしまう)でしたが、この攻撃では前田のキープ力が効きました。前半の西のチャンスも前田が最前線で簡単に西に叩いたところから。さすがの暢久も前田のポストプレーを封じるには至らず。
・最近の磐田は最後の最後で集中を欠くというか、堪え性がないというか、なんとも言えない勝負弱さを随所で披露していましたが、この日は最後まで頑張りました。
---達也--エジ---
柏木-------ポンテ
---阿部--細貝---
サヌ-坪井--暢久-平川
-----山岸-----
61分:サヌ→宇賀神
61分:柏木→高原
82分:達也→原口
リードしている時は「ピッチャー鹿取」という絶対的な切り札を持っているのに対し、ビハインドの時は今一つ冴えが見られないフィンケ采配。
川崎戦と比べると全体に動きが少ないように見えるのに柏木を下げるかなぁ・・・ 宇賀神を用意していたのでてっきり阿部を代えて柏木→CHへ、サヌ→SHという配転かと思ったのですが、サヌ→宇賀神の単純な交代。
また同時に投入された高原が柏木に代わってSHへ。これは大失敗でただでさえ停滞感漂う浦和の攻撃が一層停滞する羽目に。動き回る選手をあまり動かない選手に代えるっちゅーのはないわ・・・ 高原を入れるなら後半目に見えてキレが鈍っている達也との交代でエリア内でのひと働きに期待したほうがまだまし(実際原口投入後はそんな感じ)でしょうに・・・
---前田---李---
成岡---------西
---上田--那須---
朴--康珍--加賀-駒野
-----八田-----
66分:成岡→金沢
69分:西→山本康
86分:上田→岡田
・前節大宮戦では老衰を隠しきれないといった感があった西。前半絶好機を外してこの日もダメだと(・∀・)ニヤニヤしていたのですが、後半チャンスとはいえかなり難しいシュートをぶちこんでくるとは・・・
・全般に磐田の守備の良さが目立った試合でしたが、最前線で奮闘する前田もお見事。この日はシュート精度を披露する場こそありませんでしたが、ポスト良し、運動量あり、守備にも奔走。如何せん怪我が多いのが最大の欠点でしたが今年はコンスタントに出場。この選手が代表では事実上戦力外というのが日本の病理の象徴なのかも。
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