【観戦記】10年第3節:浦和L 1-0 狭山
勝つに勝ちましたが、相手が今年度昇格したばかりのクラブであることを考えると全くいただけない試合内容。狭山が攻撃する場面はほとんどありませんでしたが、それでも前半にCKからの流れでポスト直撃が一度、終盤に熊谷の軽率なプレーで裏を取られてバー直撃が一度ありましたから、まかり間違えば引き分けで終ってもおかしくなかったかと。朝方まで氷雨が降っていたのが祟ったのか、観客も1,165人とトップの試合と被っていない割には少々寂しい入りでしたが、試合終了後のスタンドにはちょっと微妙な空気が流れていました。
相変らず怪我人が多くてメンバーが固定しないためか、あるいは先々を見据えてあえてちょろちょろメンバーを代えているためなのかは判りませんが、非常にパスミスの多い試合だったと思います。
狭山はなかなかに運動量が多くて、DFラインを押し上げて前目から、特に浦和の両CHを標的に積極的にプレスをかけてきました。これが奏功して浦和は前半20分くらいまで全くゲームが作れず。庭田と藤田の組み合わせは初めて見ましたが、藤田はどこにでも顔を出す、良い意味でポジション不定の「直輝型」の選手。庭田も前に行きたがりの選手なんで、このコンビが嵌れば面白いんでしょうけど、現状では中盤の底でボールを落ち着かせる選手(引退した高橋がまさにそのタイプなんですが・・・)がおらん状態に陥っていたような感が。
とはいってもこのCHコンビの問題は時が解決してくれる可能性がありますが、最悪なのはこの日の2トップ。北本が前節伊賀戦前半のみで退き、この日ベンチにも入っていないところを見るとまた怪我してしまったものと推察されますが、この日後藤の相方に指名されたのは松田。今季初スタメンでしたが、どこからどう見ても本来WGタイプの2人を前線に並べても機能するわけがないような・・・ どちらもポストプレーが苦手で前線で基点ができないというのは、しっかりした守備ブロックを作る相手を崩すに際して致命的な欠陥。縦パス一本、あるいは一発のスルーパスでDFラインの裏をぶち破るような攻撃が出来ればまだ良いのですが、浦和はサイド攻撃を主体とするためか、そのような場面も僅少。
但し、この日唯一の得点場面は後藤が相手を背負った状態で左サイドの竹山に叩き、竹山のクロスをゴール前に走りこんできた後藤がヘッドで決めるという実にCFWらしいもの。松田にもこの得点の前に竹山→柳田→松田という決定機がありましたが、松田のシュートはバーの上。似たようなタイプではありますが、エリア内での仕事の能力で後藤に大差をつけられているのが現状かと。
後半にも相手エリア深く侵入した土橋の折り返しをエリア内に飛び込んできた藤田がシュートという絶好機がありましたが、狭山GKのファインセーブに阻まれて追加点ならず。
この試合を通じて気になったのは柳田が明らかに精彩を欠いていること。前節伊賀戦ではベンチにも入って入っていませんからコンディションに問題があるのだと思いますが、柳田の不振も試合が低調に終った一因でしょう。
---後藤--松田---
竹山--------柳田
---庭田--藤田---
森本-矢野--熊谷-土橋
-----山郷-----
65分:竹山→岩倉
71分:藤田→岸川
65分から相次いで2選手を交代。代えられた竹山・藤田はどちらかといえばスタメンの中では出来が良かったほうだけに不思議な交代。優勢な試合の中で控え選手に場数を踏ませようとしたのかもしれませんが、状況を好転させるに至らず。
狭山はボールを奪ってからの攻撃にアイデアがありません。FWにスピードがあるわけでもなさそうなので、縦ポン一発の単純なカウンターもできない様子。たまに前線にボールが入っても矢野一人に潰されまくってどうにもならず。熊谷は「ほとんどやることがないから」というわけはないと思いたいのですが、集中を欠いたようなプレーが散見され、最後の最後で相手の単純なカウンターからの流れで大失態を犯して同点弾を浴びかかったのは猛省すべきでしょう。
結局のところ、この日の見所は前半の矢野のロングシュート(しかも枠内!)と、終盤矢野が唐突に左サイドに進出してきたことだったのかも。この日みたいな試合内容だと後ろから見ていてイライラしたのかもしれませんが、共に良いチャレンジだったと思います。
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