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2010.04.11

【観戦記】10年第6節:新潟 0-2 浦和

 故障の細貝に代わってスタメン出場したあの方のあんまりな低パフォーマンスにイライラさせられる場面が多く、正直あまり良い試合だったとは思いませんが、阿部のビューティフルゴールでそんなモヤモヤも雲散霧消。宇賀神の負傷で唐突なJデビューとなったサヌの恐るべき攻撃能力&フィンケサッカーとの親和性にも感嘆しきり。不甲斐ない新潟の出来にも助けられてアウェーできっちり勝ち点3を確保し、浦和は第2節瓦斯戦から続く「J1.5」との対戦を4勝1分で乗り切りました。

 終わってみれば危なかったのは後半立ち上がりの亜土夢の一発だけ。他は序盤三人に囲まれた丸塩がバイシクルでクロスを上げて大島に合いかったくらい。それ以外はほぼ完全に浦和ペースで、もうちょっと決定機を作りたかった気もしますが、結果は試合内容を率直に反映したもの。新潟は守備はまだしも攻撃がさっぱりで、最下位に沈んでいるのは偶然とか不運とかそういう問題ではないように伺えました。

 浦和もパーフェクトにはほど遠く、水曜日の代表戦で90分出場した阿部は結果として2得点に絡んだもののかなりお疲れで前半は精細を欠いていました。そしてその相方はパスを出せば相手に渡るか、無人のスペースに転々と転がるか、さもなくばバックパスという相変わらずの惨状。特に前半は攻撃面でCHがほとんど機能しないため、浦和の攻めはサイドに張ったポンテが溜めて達也に相手DFライン裏を突かせるか、エジのポストプレーから達也を走らせるかという比較的縦に早い展開が主。

 もっともそこから一気にシュートまで持ってゆくのではなく、前線でボールをキープして好機を窺いながら後方から選手が押し上げてきてじわじわといういつものパターン。

 宇賀神が早い時間帯に痛んでしまい無念の交代。そこでフィンケが放った一手はサヌ投入。左SBは全くの未経験。しかも怪我明けでコンディションは必ずしも万全ではないと思いますが、このサヌが突然のJデビューにも関わらずいきなりチャンスに絡む、絡む。

 それまでややもすれば達也の単騎突破頼みに留まっていた浦和の攻撃に、サヌが加わったことで左サイドに偏ってはいますが少々厚みがでてきました。サヌはチャンスと見ればどんどん中に突っ込んでくるので、それが面白くもあり、やがて痛い目に遭いそうな気もし。でもスピード任せで長い距離走ってクロス上げて満足みたいなありがちなSB(この日の右SBが典型)とは違ってどんどんボールが出るところ、出せるところに顔を出してくるのでフィンケサッカーの申し子と呼ばれるのは判るような気がします。もっともさすがに守備が少々怪しげだったり、連携不足でミスパスが散見されたりはしましたが、サヌの出来に驚愕したゴール裏は「Go!Oh!サヌー!Go!Oh!サヌー!」と即興で個人コール。

 浦和の先制点もサヌが中に入ったところから。SBがこんなところにちょろちょろされたら相手はマークしづらいでしょうし、その落としたところに後方から走り込んでくるのが阿部ですから、こりゃ判っていても守れないかも。前半にも似たような場面がありましたが、この時はシューターがあの方・・・
 
 達也は積極的にシュートを放っているものの全部GK正面だったり、エジはポストプレーに専念していてゴールゲッターとしての怖さがなかったり、柏木は懸命に動いてはいるもののどうも空回り臭かったり(初出場のサヌがあっという間にチームに馴染んでしまったっちゅーのはちょっとショックかも・・・)と気になる場面も多々ありましたが、それでも入れ代わり立ち代り怪我人が出る中で、完勝といっていい内容で試合を終えたのですから合格点。

 後半は全くといっていいほど攻撃の形が作れない新潟に対しセットプレーで加点(ポンテFK→阿部がヒールで流し込む)すると新潟は選手・サポとも意気消沈。新潟サポは何かを観念したのようにぞろぞろ帰り始め、試合終了時には半分も残っていなかったかと。

 昇格直後はホームで圧倒的に強く、大声援を背に劣勢のゲームを再三ひっくりかえしていたような覚えがありますが、どこで歯車が狂ったのでしょうか・・・もっとも他人事ではありませんが。

09

---達也--エジ---
柏木-------ポンテ
---阿部--啓太---
宇賀神-坪井-暢久-平川
-----山岸-----

16分:宇賀神→サヌ
85分:柏木→堀之内
88分:達也→原口

 サヌの投入はまさに怪我の功名。

 リードした時点でへろへろの達也交代より先に鹿取を準備するって、どんだけ「勝利の方程式」やねん? っちゅーか、鹿取投入後2列目に上げたはいいものの時間稼ぎのボールキープもできないあの方に何をどうせよと・・・

 攻撃面ではややもどかしさが残る試合(特に前半)でしたが守備はほぼ完璧。特に暢久の奮闘には目を見張りました。足を攣る暢久ってあんまり見たことがないような気がしますが(苦笑)、常に余裕含みと揶揄され、相手なりのパフォーマンスしか出さないと言われる暢久が新潟レベルに本気を出した日には、そりゃ新潟は手も足も出ませんわ。身長差のある大島とのマッチアップがこの日最大の懸念事項でしたが、さすがに空中戦で完勝とはいかないものの、自由にシュートどころかポストプレーすらさせていませんから事実上大島を消してしまったも同然。

 それだけでも十分合格点なんですが、中盤で再三何がしかをやらかしてしまうあの方の尻拭いに奔走する場面も多々。そりゃ足も攣るわ・・・

08

---大島--田中---
チョ--------丸塩
---本間--小林---
中野-永田--千葉-内田
-----東口-----

56分:チョ→矢野
73分:内田→酒井
77分:田中→西

 最下位に沈んでいる新潟の試合を今季初めて見ましたが、最下位にいるのは残念ながら実力相応と思いました。前節浦和に手も足も出なかった湘南は、結果的に上手くいかなかったとはいえ「べた引きで守ってカウンター」というはっきりとした狙いがありましたが、この日の新潟は何をしたいのか皆目判らず。前半こそ深めの位置にいる丸塩から大島へのクロス(=山形が多用したパターンとそっくり)が少々厄介でしたが、大島が暢久に封殺されてこの攻撃が行き詰まった時点で次のアイデアが沸かなかったのかも。

 序盤こそ前目から積極的にプレスを掛けてきましたが、途中から単なるべた引きに。深い位置でボールを奪って一気にカウンターかと思えば甚だ攻守の切り替えが緩慢で、帰陣してきた浦和守備陣に中盤で悉く潰される始末。

 おまけにかつてのように終盤の運動量だけは見るべきものがあるかと思いきや、それもさっぱり。積極的に前目からプレスを掛けてもボールが取れないとなると後半は足に来るんでしょうなぁ・・・

 代表合宿帰りでベンチに温存していた矢野を後半途中から入れてはみたものの、そもそもタスクがはっきりしないので何の効果もなし。っちゅーか、亜土夢の出来からすれば、矢野を温存したのがそもそも失敗のような・・・

 結局のところ新潟のビッグチャンスは浦和のプレゼントによる1回だけ(序盤の丸塩→大島は大島のシュート体勢からして決めるのは無理でしょうなあ・・・)で、その絶好機を枠外に外してしまうようでは点を採るのは甚だ困難かと。

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