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2010.04.15

【観戦記】10年ナ杯予選第2戦:神戸 1-3 浦和

 後半途中まで退屈極まりない試合で、わざわざ休みを取って遠征したことを少々後悔しないでもありませんでした。そうこうしているうちにとうとう先制点を奪われてしまいましたが、この試合の見所はそこから。

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 東京を出るのが遅れて後半からの試合観戦となった方もいらっしゃったようですが、その方は正真正銘の勝ち組。高原らしいエリア内での一働きでたちまち同点に追いつき、新潟戦と同じようなパターンでエリア前中央から阿部のミドルシュールが決まって逆転。

 この日の神戸の攻撃の出来からすれば、これで事実上勝ちが決まったようなものですが、クローザーとして投入されたはずの堀之内が、スカスカの神戸の中盤をスルスルと駆け上がってエジへCB間をぶち破るスルーパス。これをエジがきっちり決めて駄目押し。決めたエジよりも、本来誰もそんなことは期待していないであろうアシストを記録した堀之内の勇姿に感激もひとしお。たまたま打順が回ってきた鹿取が走者一掃の三塁打を打ったようなものですが。

 このワンプレーだけでも三ノ宮の夜を語りつくし、飲みつくすに十分なんですが、その後に控えていたのが加藤祭り。試合終了間際に現地では全く判らないPKを取られて雲行きが怪しくなりかかったところ、加藤がシュートの軌道をきっちり読んでファインセーブ! 動き出しが早かったのか(?)やり直しとなりましたが、2回目もこれまたきっちりコースを読んでのファインセーブ!! 

 今日の加藤はキックで少々怪しげなところを披露してしまいましたが、最後の最後で魅せてくれました。今日一日でPKだけは山岸よりも評価が上になったかもしれません(苦笑)

 まぁ失点するまでのぐだぐだ模様からすればとても快勝とはいえず、おまけに代表戦でお疲れの阿部、ポンテ・暢久といったベテラン勢、怪我明けのサヌを無理使いしたことを考えれば来るリーグ戦川崎戦にその代償を払わされる可能性が大きいといってしかるべきかも。

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-----エジ-----
原口---柏木--ポンテ
---啓太--阿部---
サヌ-摩周--暢久-峻希
-----加藤-----

62分:啓太→高原
79分:原口→堀之内
90分:エジ→高崎

 スタメンは後ろを大きくいじったのがナビスコ仕様なだけで、前は達也に代えて原口を入れただけ。阿部を酷使するのは予想通りでしたが、ポンテをスタメンで使ってきたのは予想外で、この試合で勝ち点3が取れないと予選突破が苦しくなるフィンケのこの一戦に賭ける意気込みが十二分に伝わってきました。

 そして気がつけば外国人が4人揃い踏み。外国人枠を無駄に余らせていた時期が長かっただけに妙な感慨に耽ってしまいました。

 まぁこのメンバーで場数を踏んでいないので、一見豪華なんだが実は不安定といった面は隠しきれず、前半の攻撃はものの見事に体をなしませんでした。とにかくボールが前に進まない。達也不在の影響が大きいのかもしれませんし、中3日ではポンテが力を出せないせいなのかもしれませんが、神戸の前目からの積極的なプレッシングにも苦しんで浦和は満足にビルドアップができずに再三GKへバックパス。たまに前にボールが進んでも、相手エリア内での頭数が足りずに決定機に至らず。

 そうこうしているうちに、左サイドでポンテがボールを失ってカウンターを食らい、不用意に前に出ていた右SB高橋の裏を田中→ポポと突かれて失点。昨年よく見た光景が今再び。

 このスタメンで勝てなければダメージ甚大な浦和は、この日も何一つ良いところがなかった啓太に代えて高原を投入し、柏木をボランチに下げて4-2-3-1から4-2-2-2へシフト。するとこれが嵌るんですな。

 左サイドを抜け出した原口のクロスのこぼれ玉に鋭く高原が反応して同点。2トップになってボールの預けどころが増えたのが奏功したのか、中盤の底からボールを出せない選手を出せる選手に代えたのが良かったのか、あるいは単に神戸の運動量が落ちて中盤がスカスカになったのに助けられたのか、どれが主因なのかは判然としませんが、とにかく高原投入後俄然浦和の動き、ボール回しが良くなりました。

 決勝点は柏木が前方に持ち上がってきてから阿部に繋ぎ、阿部が神戸DFラインの前からズドン。神戸はやたら最終ラインに人がいるもののバイタルエリアはがら空きで、中盤のプレスも何にも無し。昨年の浦和ならこれでもOKだったかもしれませんが、阿部が覚醒した今となっては自殺行為。堀之内のアシストを許した原因も同根。

 攻撃面では2列目ではポンテに対する遠慮があるのか、イマイチ威力が発揮できない柏木を守備のリスクを負ってでもボランチに下げるかどうかが今後の見どころ。

 守備は、ボロボロだった磐田戦よりは相手の攻撃力が格段に劣る分助かったかなといったところ。サヌ-マシューの連携は滅茶苦茶怪しくて、サヌは自分の失態をスピードで、マシューは足の長さでなんとかフォローしていたような・・・半ば自作自演乙みたいな。

 またマシューのボールを取られそうで取られない、大乃国スイーツ親方に相通じる懐の深さというか、そこだけ時空が歪んでいるように感じられるあたりはゼリッチの再来という気がしないでもなく。都倉とは空中戦で半ばどつき合いになっていましたが、怯むことなくよく頑張りました。

 そして暢久。サヌ、マシュー、峻希と揃いも揃って怪しげな連中をよくコントロールしました。一度エリア内で都倉に交わされたのと、眼前の相手にパスには肝を冷やしましたが。

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---都倉--茂木---
ポポ--------ボッティ
---宮本--田中---
富田-河本--小林-北本
-----榎本-----

30分:榎本→紀氏 (エリア内に飛び出してきた阿部と交錯して負傷退場)
58分:茂木→エジミウソン
76分:ボッティ→吉田

 リーグ戦は初戦に勝って以来5戦勝ち無しの神戸もスタメンを少々いじってきましたが、もっとも驚いたのは茂木のFW起用。昨年何度か試行して結果を出しているので特に不思議ではないのですが、大久保不在でFW不足に陥って久しいのに、何でもっと早い時期に採用しないのかと・・・

 前目から積極的にプレスを仕掛けて、高い位置にいる浦和SBの裏狙いでカウンターという意図は前半からはっきり判り、それがものの見事に後半炸裂。前半から浦和が後方から飛び出してくる田中を掴まえきれていないのが気になりましたが、神戸唯一の得点場面も田中がアシスト。

 しかしその一方でボールを持たされた時の手詰まり感は著しい様子。そしていったん逆転されるとなすすべ無しといった感。ボッティ→吉田の交代も全く効果無し。

 また試合終盤の神戸中盤のスカスカっぷりを見ると、ツネ様の衰えは著しく、そこに怪我明けのエジミウソンを投入したのは大失敗だったのかも・・・

 さらに前後半1度ずつあった絶好機を決められず、さらにPKを事実上2回失敗した都倉。もうJ1では通用しないFWという烙印を押されたも同然かと・・・ 萬代(元磐田)や豊田(元京都)と同じ道を歩むんじゃないかなぁ・・・ ロングボールへの対応も上手いとは言いがたい様子でしたし。

P.S.

 都倉を「戸倉」と誤記する人多すぎ。

P.S.2

 急遽登場のGK紀氏。変わった苗字ですが、翌日の神戸新聞では「但馬初のJリーガー」という地元紙らしい紹介。豊岡FCから神戸ジュニアユースなんですな。

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