【観戦記】10年第9節:清水 2-1 浦和
後半はどちらも攻め倦み気味で、ドローで終わる気配が濃厚でしたが、試合終了間際に兵働からのクロスをファーでヨンセンが合わせて清水勝利。もっともその直前に同じく兵働からのクロスを永井にやられかけた場面があり、ヨンセンの一発に沈んだわけでもないので敗戦は受け入れざるを得ません。
結局のところ足が止まってしまった浦和は引いた清水守備陣を攻略する術がなかったのに対し、清水は対浦和戦での「伝家の宝刀」ともいうべきサイドからの放り込みを有しており、その差が勝敗を分けたといっても差し支えないでしょう。暢久はヨンセン相手に善戦していましたが、終盤はボールを奪っても繋げなくなって蹴りだすのが精一杯になり、DFラインを上げられなくなった時点で遅かれ早かれサイドからのハイクロスによる被弾は免れなかったでしょう。
最初の失点は藤本のCKから。ヨンセンやボスナーに気をとられて岡崎を離してしまったのでしょうか??? 足元不安の坪井は清水の狙いどころ、ボールの取りどころになっており、守備で致命的な失敗はなかったものの、ぼちぼちマシューの起用を考えるべきところに来たように思います。もっとも岡崎を離したのは坪井ではなく、他の誰かでしたが。
守備のほうはサイドからのハイボールに弱いという、かねてからの懸念事項がついに形となって表われてしまった感がありますが、それ以外は前半にカウンターでやられかかったくらい。この日の問題はどちらといえば攻撃でしょう。
清水は坪井狙いで前からプレスを掛けてはきますが、それはあくまでも坪井狙い。高い位置で積極的にボールを取る意思はなさそうで、いったん浦和にボールを持たれると基本的には引いて守備。しかも両サイドはある程度捨てて徹底して中央で守るという昨年来のやり方を堅持。
これに対して浦和は前半右サイドから中へ切り込んだポンテがエジとの壁パスから中央をぶち抜いて1点を取りましたが、形になったのは後にも先にもそれっきり。両サイドから盛んにクロスを入れては見るものの誰にも合わず(宇賀神のクロスが悉く精度を欠いたのにはがっかり・・・)、エジも不調なのかエリア内でボールが収まらないのでポストプレーを生かした攻撃もできず。
サイドに基点を作ってから後方から飛び込んでミドルシュートという場面も阿部が後半に一本あったくらいかなあ・・・ 両サイドはある程度自由にやれるので、堅い中央を破るためには「鉈の一振り」みたいな後方からの飛び出しが欲しいところですが、ここではこのところ好調だった細貝の不在が響きました。
引いた相手に対して打開策を見出せないのは磐田戦同様ですが、この試合で気がかりなのは足が止まる時間が非常に早かったこと。相手と交錯して痛んでいた達也は後半早々に使い物にならなくなり(それにも関わらず、フィンケが達也を長時間放置したのは不可解)、それ以外の選手も後半半ばにはめっきり動かなくなってしまいました。
日差しはきついものの風も強くて日陰にいると寒いくらいの天気でしたが、陽が当たるピッチレベルは相当暑かったのかもしれません。それにしても足が止まるのは早すぎで、名古屋・横浜Mと続く連戦へ向けて極めて大きな不安材料を抱える格好になってしまいました。
-----エジ-----
達也---柏木--ポンテ
---阿部--啓太---
宇賀神-坪井-暢久-平川
-----山岸-----
67分:啓太→堀之内
75分:達也→高原
88分:柏木→サヌ
細貝が小破して清水戦に帯同しないことが決まった時点でかなり不吉な予感がしましたが、残念ながらその不安は現実のものに。細貝に代えて啓太を先発起用しましたが、この日もさして存在感を見せられず。フィンケはその不甲斐ない出来に業を煮やしたのか啓太に代えて堀之内投入と、怪我でもお疲れでもないのに同型同士の選手交代に打って出ましたが、攻めに出るわけでもなく、守備を固めるわけでもない意図不明の交代。
強いて言えば前半は明らかにカウンター狙いだった清水が後半はじわじわと中盤に圧力をかけてきたので、その修正を図ったものでしょうが、浦和が中盤で負けてしまうようでは話になりません。阿部ないし細貝が不在の場合のボランチの構成は再検討すべきかと。
後半頭からほとんど動けない達也に代えてようやく高原を投入するものの、高原は2トップではなく左SHの位置。サイドは清水が比較的自由にやらせてくれるので、必要なのは中なんだけど・・・そしてこれも何の役にも立たず。
フィンケ最後の勝負手は柏木→サヌ(サヌが右SH、ポンテが中へ)。全く動けなくなった浦和の中で疲労困憊とはいえ比較的動いている柏木を代えるか・・・といってもサヌを入れようとすればそこしかないんだよなあ・・・ っちゅーか、左SHに入れるなら高原ではなく先にサヌだろう・・・
岡崎---四千---藤本
--兵働----小野--
-----本田-----
太田-ボスナ--平岡-辻尾
-----西部-----
HT:西部→武田
79分:辻尾→高木純
83分:藤本→永井
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