【観戦記】10年ナ杯予選第3戦:湘南 1-2 浦和
スピラノビッチのまさかの反転クロスあり、坪井のまさかの枠内シュート(しかも十二分にコントロールされている!)ありと、妙な見所満載で興業的には楽しい試合でしたが、終始守備は不安定。勝ちはしましたが、試合内容は引き分けに終わった先週の仙台戦よりはかなり見劣り。
既にリーグ戦で一度対戦し、かなり実力差があることが判っているせいか、あるいはその後水曜、日曜と続く3連戦を睨んでか、フィンケ監督はスタメンを大幅に入れ替え。代表組が抜けるため、阿部→啓太、達也→原口といったところはやむを得ませんが、GK加藤、DFスピラ、サヌ、そしてボランチに堀之内と後ろ目をごそっと入れ替え。
この面子を見て誰しもが悪夢のナビスコ杯磐田戦前半を思い出したと推察されますが、守備はやはり最後まで不安定。
レギュラーボランチを2枚とも欠いてしまったためか、中盤でのボール奪取能力がガクンと落ちたのが苦戦の主因かと。
中盤でボールが奪えないためにDFラインが下がる。そのため往々にしてバイタルエリアが空いてしまって、そこに飛び出してくる湘南の2列目を捕まえられずに、簡単にCBとSBの間をぶち抜かれる。あるいはサイドでボールを持っている相手へのプレスが甘くて、ファーでフリーになっている選手へ簡単にボールを出されてしまう、といった非常に危険な場面が目に付きました。
普段一緒にやっていない選手だらけで守備陣を構成したので難しい面が多いかと思いますが、相手のレベルを考えるとなんだかなぁという気も。特にサヌの左SBは危険極まりなし。単純なクロスをダダ被りで失点・・・
レギュラーボランチ2枚落ちは攻撃面でも悪影響。主導権を握っていた立ち上がりもサイドから何度もチャンスを掴むものの、中に入るのはエジだけで真ん中の攻め手が足りず。中盤のビルドアップがほとんどといっていいほどポンテ頼みになってしまい、ボランチから縦へ全くボールが入れられない、あるいはボールを受けに前に出てこられないとようではかなりしんどい。
攻守ともよくこの状態で勝ったなというのが正直なところですが、その立役者はスピラノビッチ。これまでも何度か垣間見せている高精度のロングフィードがこの日も威力を発揮。ボールを回しまくっている割りにはさっぱり点が入らないことで悪評の高いフィンケ浦和ですが、スピラのロングフィードを最前線のエジ→柏木と繋いで、柏木のスルーパスからDFラインをぶち抜いたポンテがGKとの1対1を難なく制して先制。点が入る時って往々にしてこんなもの。
決勝点となった2点目は敵陣深い位置からのスローインをエリア内でDFを背負って受けたスピラが突如反転してクロス→エジのヘッド。スピラが案外足元が上手いことを披露した一幕で、得点者よりもスピラを称えるべきかも。
暑さのためか、後半かなり早い時間帯に双方中盤がスカスカになってカウンターの掛け合いの格好に。湘南は浦和左サイドで2度ビッグチャンスがありましたが、いずれも加藤が好セーブ。
浦和はサヌに代えて投入された宇賀神が、運動量が劇的に低下した湘南DFを振り切りまくって2,3度チャンスを作りながらもエジが決められず。最後は稚拙な時間潰し(パス回しで終らせようとしているのに安易にボールを失う選手がいるんだよなぁ・・・これが)でなんとか逃げ切り。
-----エジ-----
原口---柏木--ポンテ
--堀之内--啓太---
サヌ-坪井--摩周-平川
-----加藤-----
HT:原口→セル
66分:堀之内→細貝
76分サヌ→宇賀神
得点:22分 ポンテ 58分 エジミウソン
普段のサブ組で文句なく良かったのはスピラ。
加藤はロングフィードの精度には改善の余地があるものの、足元の安定感はさすが。またボールをキャッチした後のサイドに開いている味方への展開は山岸よりずっと速くて正確。山岸はこれが全然だめなんで、本質的にはフィンケの嗜好には全く合っていないんじゃないかと思うのですが、それだけに加藤は数少ない出場機会で研鑽を積んでもらいたいところ。2本の好セーブも含めてこれまた合格。
この日残念だったのは後半頭から投入されたセル。 途中からの出場なのに疲労困憊のポンテと運動量に大差がないってどういうことよ・・・しかもボールロストしまくり・・・ これじゃ代えられた原口が納得しないだろうなぁ・・・
阿部---中山---三平
--坂本----ハン--
-----永田-----
小澤-村松--山口-臼井
-----松本-----
71分:坂本→馬場
75分:中山→新居
80分:阿部→中村
得点:25分 三平
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