【TV短感】チリ 1-0 スイス
本物の「90分間攻撃サッカー」がスイスの堅陣をどう崩すかが見物の一戦。両者ともその持ち味を存分に発揮し、かつ終盤に見せ場を作った好ゲームでした。
わりと簡単にファウルを取り、ホイホイとイエローカードを出す主審のお裁きで前半31分にベーラミが一発退場(ベーラミはかつての福西ばりに腕を振り回して、背後からやって来た相手に当たったのが肘撃ちと見做されたのか・・・)となり、ますます「攻めるチリ、守るスイス」の構図が鮮明に。
スイスは一人少なくなって一層守備を固めざるを得なくなったとはいえどん引きに陥ることなく、エリアよりも前にDFラインを設定してコンパクトな陣形を維持。チリはスイスDFラインの裏を突いて何度か決定機を掴むものの、最後の最後でスイスDFに阻まれたり、シュートコースを限定されてGKに防がれたり。スペインに勝ったスイスはもう守り慣れの雰囲気ぷんぷん。いくら相手にボールを回されても全く動じる気配なし。
このグループ最強と目されるスペインに勝ったスイスはこの試合引き分けでも全く差し支えないのに対し、逆にスペイン戦を残しているチリには「勝たないとヤバイ」というプレッシャーがかかりまくったはず。こういう試合は往々にして数的有利で圧倒的に攻めているチームがカウンター一発に沈みやすいものですが、後半30分スルーパスに反応してスイスDFラインを突破したパレデスの右サイドからの折り返しをゴンゼレスが角度のないところからヘッドを決めてチリ先制。
これで数的不利にも関わらずスイスは人数を掛けて攻めに出ざるを得なくなりましたが、さすがに守備で疲弊したのか反撃の足取りは鈍く、逆に凡ミスからチリにカウンターのチャンスを与える始末。ところがそのチャンスをパレデスが外しまくる(笑) でもビエルサ監督は招き猫風に座ったままで動じず。もはや「外され慣れ」なんでしょか?
とはいえ、スイスに得点の気配がないのでこのまま試合終了かと思いましたが、ロスタイム突入直前にブニャクのヒールパスを受けたデルディヨクがエリア内中央どフリーに。この試合唯一といってもいいチリ絶体絶命の大ピンチでしたが、デルディヨクのシュートはわずかに枠の外。その瞬間、崩れ落ちるヒッツフェルト監督(爆笑) 決定力不足にお悩みなのは日本だけではないんですなぁ・・・(´・ω・`)
グループHは、共にグループリーグ勝ち抜けが掛かるスペインとチリの「攻撃サッカー」同士の対戦が非常に楽しみとなりましたが、この試合は地上波中継なし。同日地上波で放映されるのはポルトガルvsブラジルというこれまた攻撃サッカー同士の対戦ながらこちらは事実上消化試合。なかなか都合よくはいかないものです。
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