【TV観戦記】オランダ 1-0 日本
中断期間中恒例の「強化合宿」に出かけていたのですっかり亀になってしまいましたが、日本vsオランダ戦についても振り返っておきます。
前半の出来からすればスコアレスドローも十分ありえるかと思いましたが、後半頭からギアを上げてきたオランダの圧力に屈してついに失点。最小失点とはいえ負けは負け。まだまだ彼我の差は大きいことを改めて痛感させられました。
しかし、グループリーグを勝ち抜くという観点からすれば、このグループでダントツに強いオランダとの対戦で得失点差マイナス1で済んだのは上出来で、勝ち点3でデンマークと並んでいるものの得失点差で依然2位。最後のデンマーク戦は引き分け以上で日本のグループリーグ勝ちぬけが決まり、勝たないといけないデンマークよりも若干有利な立場に。もっとも引き分けを狙いに言って引き分けられるほど日本は強くないのも事実ですが。
-----本田-----
大久保-------松井
--遠藤-阿部-長谷部-
長友-闘莉王-中澤-駒野
-----川島-----
64分:松井→中村俊
77分:長谷部→岡崎
77分:大久保→玉田
対戦前には阿部に代わって今野が起用されるとの報道もありましたが、フタを開けてみればカメルーン戦と全く同じ面子&フォーメーション。また同じような守備的な戦いぶりでしたが、カメルーン戦での勝利で自信がついたのか、プレッシングの出足に一段と鋭さが増していました。もっとも親善試合での対戦の時のようにやたらめったら前からプレスに行くわけではなく、相手がハーフラインを越えたあたりからプレスを掛けるように修正されていましたが。最終ラインもベタ引きに陥ることなく、コンパクトな陣形を維持。
ところがオランダもさるもので、日本がこれだけの策を弄しても容易にはボールを奪えず。当然ながら終始オランダにボールをキープされてしまいましたが、オランダもオランダで日本の守備陣を崩すアイデアがなく、そのまま前半終了。急ごしらえだったはずの日本の守備網は実に良く機能し、個人で見ればカイトに全く仕事をさせなかった長友、ハイボールを悉く弾き返した闘莉王が白眉の出来でした。
一方日本は序盤に長友が左サイドから中へ斬りこんでシュートを放った他、松井のキープ力を生かして右サイドから何度か形を作りましたが、これまた決定機には至らず。
予想外の苦戦を強いられたオランダは後半立ち上がりから猛攻。日本のDFラインが下がったところ、ファンペルシのポスト→スナイデルの豪快なミドルシュートでついに日本は失点。GK川島はボールを弾ける体勢に入ってはいましたが、ボールが手元で微妙に変化したようで、強烈なシュートは川島の手をモロともせずにゴールマウス内へ。
今年埼スタで細貝&達也に立て続けに食らった失点を思いおこすと川島はミドルシュートに弱いと言われても仕方がないかと思いますが、それ以前にスナイデルに対して誰も飛び込めなかったほうが悔やまれます。失点場面の直前にもスナイデルのシュートに対して遠藤がブロックに入ってかろうじて難を逃れた場面がありましたし。DFラインが下がってしまった上に前半ボールを回されまくって中盤が疲弊したのが失点の遠因でしょうか。
日本はオランダ相手に0-1なら上出来なので、そのまま守備重視の戦いを続けるという選択肢もありましたが、岡田監督はノーマルにポジションを戻して反撃。オランダ相手にリスクを犯して果敢に攻めに出る日本。大久保が2本無理目のシュートを放ちましたが、この時間帯は不覚にも目頭がちょっと熱くなっちゃったかな(^^;
前半から攻守に活躍して飛ばし過ぎっぽかった松井を代えるのは妥当でしょうが、投入されたのは中村俊。どうしても1点取りたい場面で固定式砲台の威力に賭けてみるというのは判らなくもありませんが結果的は大失敗。日本の反撃ムードを断ち切るどころか、中村俊のボールロストを契機にオランダのカウンターを許す羽目になってしまいました。
至近距離弾には強い川島のセーブで失点こそ免れましたが、強豪相手に動いてナンボの日本チームに、運動量に乏しくてボールを持ちすぎる癖があり、しかも往々にして致命的な位置でボールを失ってしまう中村俊の居場所はもはやないと断言できるほど中村俊の出来は酷いものでした。
一度失ってしまった流れは岡崎、玉田の2枚替えでも覆せず。玉田は行方不明。岡崎は最後にビッグチャンスを掴むもDFに寄せられてシュートを枠にすら飛ばせず。まぁ岡崎にあそこで決めてくれると期待するほうが無謀っちゅーもの。っちゅーか、中村俊同様、この2人の「チビッコFW」は岡田監督が土壇場になって戦術転換した時点で用無しになった気がしてなりませんが・・・
守備は相当強い相手にも十二分に通用する反面、攻撃は相当心もとない。付け焼刃でやっている以上やむを得ないかと思いますが、それだけに返す返すも代表強化期間が丸々無駄になったことが惜しまれます。
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