【観戦記】10年13節:G大阪 3-2 浦和
まれに見る劇的な敗戦「劇敗」でしたが、内容からすれば敗戦は至って妥当といわざるを得ません。浦和優勢の時間帯に幸先よく先制したものの最初から最後まで浦和にはミスが多く、先制を許して遅まきながら前に出てきたG大阪に前半30分過ぎからルーカス退場まで攻守とも圧倒されてしまいました。
また昨年の夏の8連敗を教訓にオーストリア合宿でそれなりに体力強化に努めてきたはずですが、その成果ははっきりとは伺えず。特に好機を掴んでからシュートにまで持って行く一連の動きは残念ながらG大阪のほうが格段に上。ルーカスが退場になり、ロスタイムに一瞬夢を見せてもらっただけで良しとすべきで、敗戦は受け入れざるを得ないかと。
-----エジ-----
達也---直輝--ポンテ
---阿部--細貝---
サヌ--坪井-暢久-平川
-----山岸-----
67分:細貝→柏木
70分:サヌ→宇賀神
74分:達也→原口
得点:18分 エジ、90+3分 エジ
---宇佐美--平井--
ルーカス--------橋本
---遠藤--明神---
安田-山口--中澤-加地
-----藤ヶ谷----
65分:平井→イ グノ
85分:宇佐美→武井
87分:安田理→高木和
得点:45+1分 宇佐美、64分 オウンゴール(暢久)、90+4分 遠藤
前半30分くらいまでやや引き気味に構えてカウンターを狙っている風のG大阪相手に浦和がなんとかポゼッションで優位に立っていましたが(といってもなかなか縦パスが入らず、良かったのは得点をあげた時間を挟んで10分くらい)、それも長くは続かず。
序盤から自陣での致命的なミスが散見され、またセルフジャッジからカウンターを浴びてヤバイ場面が何度かあり、ついに前半終了間際にパスミスからカウンターを浴びて失点。
後半はG大阪にボールを良いように回されて、ボール奪取もままならず。細貝の苛立ちは誰の目にも明らか。たまに攻めてもシュートに持って行けずにカウンターを食らう始末でまさに手も足も出ず。失点は必至と思われた中、左サイドからのクロスを暢久がクリアし損ねたのか、あるいはバックパスしたつもりが山岸との連携が取れていなかったのか、ボールは前に出ていた山岸の頭上を越えて間抜けなオウンゴール。
その後ルーカスが直輝を後方から削って一発退場になり、そこから数的優位に立った浦和が続々と攻撃的な選手を投入して一方的にボールを支配するものの、バイタルエリアを固めるG大阪守備陣を崩せず、サイドからクロスを送るだけに終始。もう何度も見たお馴染みの展開。
そうこうしているうちに暢久がルーカスの帳尻合わせみたいな判定で退場。チャンスらしいチャンスも作れないまま、昨年と同じ「夏の浦和」モードでズルズルと敗戦かと思いましたが、柏木CK→エジで奇跡的に同点!!!
これで終わっていれば「今年の浦和は違う!」と気分になれたのでしょうが、すぐさまG大阪に右サイドを突かれ、折り返しを遠藤がズドン!!! 取るべき人が取って直後に試合終了ってどこの安直な漫画的ストーリーやねん・・・暢久退場後の守備体形を確認できないうちにやられたのかどうか、現場では確認できず。
この試合のダメっぷりについていえば、ポンテの不出来に帰するところが大だと思います。前目でタメが作れる、浦和では稀有なプレーヤーですが、この日は単に視野が狭くて玉離れの悪いプレーヤーに成り下がっていました。G大阪はポンテに縦パスが入ったところをボールの奪いどころを見定めていたかのよう。しかも相手のファウルをアピールしてカウンター食らっているって万死に値しますわ・・・
夏のポンテには昨年も良い思い出が全くなく、なんで途中で代えないのか不思議でなりません。フィンケがポンテのフル出場に妙な拘りを持っている限り、今夏も惨敗続きでしょうなあ・・・
左SBに入ったサヌは功罪半ば。対面の加地が早い時間帯にイエローをもらったため、前半途中までは1対1の仕掛けが面白いように嵌りましたが、先制されたG大阪が攻勢を強めてからはその背後を徹底的に突かれる羽目に。相変わらず使い方が難しい様子で、サヌがシーズン半ばになっても戦力にならないとなると、サヌを連れて来たフィンケの立場は相当悪いものに。
前半テンポ良くボールを回して相手を崩した時間帯があったとか、敗色濃厚なのに一度は追いついたとか、無理やり良いところを見出せなくもないんですが、総じて見れば昨年の夏と大して進歩無し。フィンケ監督のやろうとしていることは賛成ですし、言っていることにも耳を傾けるべきところが大ですが、こうも結果が出ない、さしたる進歩も見受けられず、おまけにスピラを含めて連れて来た外国人選手が活躍しないとなると最後まで求心力を保てるかどうか・・・
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