【観戦記】10年第18節:名古屋 3-1 浦和
結果は惨敗。ケネディが再三の絶好機を外しまくらなければ目も当てられない大差がついたかもしれませんが、それでも試合後の感想は大宮戦や神戸戦よりは格段にマシ。
ほとんど精神論になってしまいますが、選手がなんとか現状を打開しようと必死にもがいている姿が手に取るように判りましたし、監督も判で押したような(かつほとんど効果的でない)選手交代を改め、それなりに工夫してきました。最後はいったん攻めると戻れなくなってズタボロになってしまいましたが、それでも浦和は一点を取りに行きました。
中断明け1勝5敗、しかも目下3連敗を喫してしまいましたが、浦和は全く壊れていません。皆前を向いています。それが判ったのがこの試合を観た最大の収穫でしたし、そんなに悲観すべき内容でもなかったかと。
ただ負けは負け。この試合は坪井の大失態による2失点目が全て。名古屋もそれなりに致命傷になりかねないミスが散見されましたが、相手のミスを確実に得点に結びつけた名古屋とチャンスに終わってしまった浦和との差が勝敗を分けてしまいました。試合内容は得点差ほど両チームに差は無いと思いますが、残念ながら現時点で確実に勝つ力は名古屋のほうが一枚上でした。
-----エジ-----
達也---柏木--ポンテ
---阿部--細貝---
宇賀神-坪井-摩周-サヌ
-----山岸-----
HT:ポンテ→平川
61分:サヌ→原口
68分:達也→暢久
得点:65分 宇賀神
試合前、達也と平川が小破して今週満足に練習できていないため、帯同はするもののスタメン落ちの可能性が示唆されていましたが、蓋を開けてみれば達也はスタメンで平川のみベンチスタート。右SBには平川に代わってサヌが入り、しかもボランチはアップ中に故障した啓太に代えて細貝を起用。この細貝のスタメン起用が当たって浦和はここ2戦には見られなかった勢いを取り戻しました。
W杯後阿部のパフォーマンスが芳しくないため、ボランチが阿部&啓太の組み合わせだと中央から前へボールが運べず、どうしてもサイド攻撃に偏りがち。細貝は出場停止を食らった後、コンディションが上がらずにベンチスタートを強いられていたようですが、細貝が入ることによって中央に縦の推進力が生まれました。啓太には申し訳ないが、まさに怪我の功名。
サイド攻撃は序盤達也&ポンテ&宇賀神の左サイドに偏りがちでしたが、次第に柏木やサヌが絡んで右サイドの攻撃も活発になり実に良い感じ。名古屋はDFラインが深く、しかもダニルソンの1ボランチでバイタルが薄いこともあって浦和のパスはよく回り、エジミウソンにもくさびのパスがどんどん入ります。ここ2戦にはなかった流れ。
ただ残念なのは往々にしてエジへのくさびが入ったところで終わってしまい、2列目の飛び出しで決定機を作るところまでには至らなかったこと。20分過ぎに達也がエリア内中央に突入したのが最も惜しかった場面でしょうか。またエジもポスト役ばかりでフィニッシュに絡めず。20分頃に振り向きざまにシュートを放った(楢崎が片手で好セーブ)のが惜しかったけど、ああいうのをちらちら見せないと相手は怖くないんじゃ?
またこの日感心したのはポンテを前半だけで代えたこと。前半のポンテは神戸戦の醜態が嘘のような出来で、それだけに後半の大失速が懸念されましたが、フィンケはスパッとポンテに代えて平川を投入。ポンテはそのままベンチにデンと座っていましたからアクシデントではなく、予定通りの交代なんでしょう。
90分間動けないポンテをフィンケ監督はなんで最後まで引っ張るのか不思議で仕方がなかったのですが、ついにフィンケもその愚に気づいたのか、あるいは次の仙台戦を見越しての一時的な措置なのか・・・ またポンテを下げたことで後半柏木が劇的に躍動したのは誰の目にも明らか。フィンケが遅まきながらポンテの正しい使い方を見出してくれたなら、この敗戦も無駄ではなかったかと。
ポンテに代わって2列目に入ったのはサヌ。しかしこの布陣は長くは続かず、先制点を許した後にサヌに代えて原口を投入。右SBとしてのサヌはまずまずの出来だったので、後半頭からポンテ→原口でも良いはずですが、サヌも途中で下げる予定だったのかどうか・・・ そしてその原口がまたしてもほとんど機能せず。攻撃面の誤算は「眠れる森の原口」でしょうなぁ・・・
さらに宇賀神のスーパーゴールで同点に追いついた直後、フィンケは驚いたことに達也に代えて2列目に暢久を投入。フィンケが暢久を前目で使う日が来るとは夢にも思いませんでしたが、セルに何度もチャンスを与えて全く結果がでなかったためやむを得ずといったところなのかどうか。暢久の出来は無難といえば無難ですが、さすがにこのポジションでの練習はそんなにやっていないでしょうから効果的とは言いがたく・・・ それでもこれまでの判で押したような選手交代よりは納得感大。
っちゅーか、相手と交錯して肩を痛める前に効果的とは言いがたい独りよがりなドリブルを繰り返していた達也のほうが問題大でしょうな。前半は攻守とも良い働きをしていましたが、後半は周囲が見えておらず、負傷がなくても代え時だったかと。
攻撃面では多少光明が見えた試合でしたが、失点は自らのミスによるもので実にお粗末。1失点目は相手セットプレーからの流れで、浦和左サイドでどフリーのマギヌン?からのクロスを闘莉王に決められたもの。左サイドでどフリーの選手を作ってしまったのは前に出た宇賀神がハイボールを被ってしまったため。そして阿部がマギヌンに詰めるでもなく、クロスの出された先をマークするでもなく、誠に中途半端なポジション取り。スピラはケネディの相手で一杯一杯なので、これじゃ闘莉王にやられるのも道理。
試合を決定付けたのは2失点目。坪井がボールを持った時は大概のチームが詰めてきますが、やはりそれは有効なようで・・ 後半投入された小川のチェーシングを坪井が交わせずにボールを失ったことからの失点。
高さのスピラ、スピードの坪井と一見理想的な組み合わせなんですが、GK山岸共々基本的には足元不如意なプレーヤーはフィンケの志向するサッカーに合わないんじゃ??? 後方でパスを回して一休みしたいところなのに確実にパスを回せずにドッカーンと蹴ってしまうどころか、相手にチャンスを与えてしまうようでは話になりません。
再度突き放された後も浦和は追いつこうと必死に走りましたが、シュートにまで持ってゆけずにボールを奪い返されるともう戻れなくなってしまいました。右サイドをきれいに崩された3失点目は必然的なものでしたし、その後さらに失点を重ねても不思議ではありませんでした。
しかし、たとえ虐殺される可能性があったとしても、大宮戦・神戸戦よりはるかにマシだったと思います。浦和のパフォーマンスが底打ちしたことを続く仙台戦、湘南戦で見せて欲しいものです。
玉田---ケネ---金崎
--マギ----ブル--
-----ダニ-----
阿部-増川-闘莉王-隼磨
-----楢崎-----
71分 ブルザノビッチ→小川
86分 金崎→三都主
90+2分 田中隼→竹内
得点:54分 闘莉王、79分 玉田、83分 玉田
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