【観戦記】10年第19節:浦和 1-1 仙台
攻めども攻めども点は入らず。お互い中2日の厳しい日程ながら案の定先にバテたのは浦和。
前半半ばにして攻守の切り替えが遅くなり、仙台の狙いであるカウンターの脅威にさらされることしばしば。エジやポンテが前でしょっちゅうボールを失うために守りでヘロヘロになった細貝を原口に代える謎采配(柏木がボランチへ)で不吉な予感がしましたが、これまた案の定長い縦パス一本で右サイドを深々と破られ、しかも応対した暢久が1対1であっさり交わされて失点。
しかし、遅まきながら阿部→堀之内で中盤を建て直したのが効いた上に、終盤は仙台の足もぱったりと止まって、宇賀神のクロスをエジが決めて(と思ったらオウンゴールだった模様)なんとか同点。昨年なら間違いなく負けていた試合をなんとか同点に追いついただけで良しとすべきでしょう。
降格ゾーンにどっぷり浸かったチームに勝てなかったことを嘆く向きも多いかと思いますが、今の浦和ならこんなもの。具体的に言えば相手が降格ゾーンにいるクラブだろうが、優勝争いするクラブだろうが、似たような闘い方、似たような展開になってしまうだろうから引き分けは悪くない結果と捉えるべきかと。
現実問題でいえば、残留争いをするかもしれない相手に勝ち点3を与えなかったんだし(苦笑)
-----エジ-----
宇賀神--柏木--ポンテ
---阿部--細貝---
サヌ-摩周--暢久-平川
-----山岸-----
67分 細貝→原口
77分 サヌ→セル
79分 阿部→堀之内
得点:83分 オウンゴール
達也の負傷で空いた左SHに入ったのはなんと宇賀神。宇賀神はもともとSH/WGが本職の選手らしいんですが、さすがに昨今は練習してないでしょうから、セルや原口がいかにフィンケの信頼を失っているかが透けて見えます。
で、ぶっつけ本番と思しき宇賀神左SHでしたが、フタを開けてみるとこれが結構使えるんですわ、奥さん! ボールを持っていないときに空いたところへ走りこむ動きがフツーに出来ています。ボールを持ってからしか動き出さないセルとは大違い・・・ サヌの果敢な攻撃参加もあって浦和は前半左サイド中心に攻撃を仕掛けましたが、惜しむらくは宇賀神のクロス精度。往々にして誰にも合わずに右サイドへ転々と・・・
ところがフィンケは前半も終り頃に宇賀神とサヌのポジションを入れ替えてしまいます。非常に不思議でしたが、サヌが張り切りすぎて思いのほか消耗が激しく、守備負担のかかるSBでは使えないと判断したのかどうか・・・ともあれ達也の穴はそれなりに目処が立ったのは朗報。
しかしながら、立ち上がりのポンテシュート→跳ね返りを阿部ヘッドとか、前半40分過ぎの宇賀神→柏木→エジに合わずとか、後半立ち上がりの平川→阿部とか完璧に決まったかのように思えたチャンスが決まらず、またしても難しい試合に。単純にサイドからクロスを上げるだけでなく、サイドを深く抉る攻撃が何度も見られましたが、中央をがちがちに固める相手を崩せず。もうちょっとなんですがね・・・ サイドチェンジで相手の薄いところを攻める工夫は散見されましたが、ミドルシュートがあまり見られないのが惜しまれます。
前半半ば以降は攻守の切り替えの速さで浦和は仙台に及ばず、中盤でボールを奪っても相手の帰陣が早くてカウンターはままならず、攻めきれないでいるうちに逆にカウンターを浴びて浦和は戻りきれずに攻守同数という場面が頻発。ところが仙台もカウンターのチャンスを決められないという、まぁどちらも下位に低迷するだけのことはあるトホホな場面も多々。
後半も10分くらいになると双方中盤がスカスカになってしまい、浦和にもカウンターのビッグチャンスが生まれますが、サヌ→エジのパスが2度失敗して逆サイドでどフリーになっている柏木が激怒。そりゃ前目で早々と動けなくなっている選手の分まで攻守にわたって動かないといけないのに肝心の時にボールが出てこないとなるとそりゃ怒りますわ・・・最初から最後まで走りまくった宇賀神と柏木には最大限の賛辞を送って然るべき試合でした。
細貝の凡ミスで大ピンチに見舞われた時点で細貝を代える決断をしたのは良いとしても、なんで負けているわけでもないのに柏木をボランチに下げて攻撃的な選手を前に入れるのかなぁ・・・しかもこの采配はほとんど実った記憶がないし、そもそも前でしょっちゅうボールを失う選手を真っ先に代えるべきだと思うんですが・・・
そして失点はその交代の直後。案の定カウンターを食らっての失点でしたが、久々にスタメン出場した暢久もぴりっとせず、これじゃ坪井と五十歩百歩か・・・ スピラの存在感が日に日にでかくなる今日この頃。
ともあれ、遅まきながら阿部→堀之内で中盤を建て直して(っちゅーか、ボランチを2枚とも交代って異常事態でしょうに・・・)浦和も反撃に転じてなんとか同点。堀之内って技術がないのは如何ともしようがありませんが、交代出場だとスカスカになった中盤でスペースにちょこちょこ顔を出す仕事をきっちりこなせるので、フィンケが重用するのは判るような気がします。もっとも攻撃面では囮になるのが精一杯で多くは期待できませんが(苦笑)最初の交代は細貝→堀之内で十分だったのではないかと・・・
同点には追いついたものの、途中投入の原口もセルもまたしても迷走状態で終ってしまったのは残念。共に気持ちは伝わってきますが、気持ちだけではプロじゃやっていけないのもまた事実・・・
---赤嶺--フェル--
梁---------関口
---富田--千葉---
田村-鎌田--渡辺-菅井
-----林------
76分 富田→斉藤大
84分 フェルナンジーニョ→高橋
86分 田村→一柳
得点:69分 オウンゴール
フェルナンジーニョはトップ下で4-2-3-1だったのかもしれませんが、やはり厄介な存在。キープ力は相変わらず抜群で、なかなかボールを奪えない浦和は何人も惹きつけられてしまい、エリア周辺でどフリーの選手を作ってしまう場面も。
中盤でブロックを作って高めの位置でボールを奪う作戦はあまり機能せず、結局のところ押し込まれて深い位置でボールを奪ってのカウンター(ポンテをボールの奪いどころとして狙っていた感ありあり)になってしまいましたが、攻守の切り替えの早さで浦和を上回り、試合展開はほぼ仙台の思惑どおりだったかと。
従って仙台サポ的には「勝てた試合だった」と思うのは道理でしょう。でもその試合を勝てないからこそ今日の位置にいるというのもまた道理かと。
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