【観戦記】10年第20節:湘南 1-4 浦和
前半押してはいるものの決定機らしい決定機がないまま、またしても無得点で終了。誰しもが不吉な予感を抱いたかと思いますが、後半の早い時間帯にセットプレーからの流れでスピラが浦和で初得点。
その後は後半投入されたセルの積極的な仕掛けが効いて、早々と足が止まった湘南の中盤は大崩壊。セルの強引なシュートが決まった後は試合はワンサイドになり、エジがダメ押し×2。
湘南の大崩壊を見ると、酷暑下で日程が浦和に有利に働いた感も否めませんが、久々の快勝でした。
-----エジ-----
宇賀神--柏木--ポンテ
---阿部--細貝---
サヌ-摩周--暢久-平川
-----山岸-----
得点:
55分 スピラノビッチ
62分 エスクデロ セルヒオ
78分 エジミウソン
79分 エジミウソン
相手は中2日で、こちらは中3日。浦和は体調不良の阿部を出場させただけでなく、引き分けに終わった仙台戦と寸分違わないスタメンで、あまりの工夫の無さにクラクラしましたが、結果的には日程間隔の差は大きかった様子。
湘南は序盤DFラインを積極的に上げて、浦和が前線でボールを失うと間髪を入れず人数をかけたカウンター攻撃を仕掛けてきました。最後はシュートで終わる意識が非常に高く、無理目な位置からもがんがんシュートを放ってくるので気持ち悪かったのですが、残念ながら得点に至らず。
序盤の攻勢が実らなかったのが湘南大敗の主因で、後は浦和のパス回しを追い掛け回すものの全くボールが奪えずに次第に消耗。浦和は序盤宇賀神→柏木の飛び出しとか、右から左へ振ってサヌがフリーでシュートが多少形になったくらいで、ボールは支配するものの決定機が作れないといういつもの展開。
ただ湘南が早々と消耗してしまったせいか、バイタルエリアでポンテや柏木が簡単に前を向く場面が増え、両サイドでSBが頻繁にフリーでボールを持ちだした辺り、後半に期待が持てました。
HT:阿部→セル
-----エジ-----
宇賀神--ポンテ--セル
---細貝--柏木---
サヌ-摩周--暢久-平川
-----山岸-----
阿部の強行出場はやはり無理があったようで、まさにただ立っているだけ。しかも前半肩を傷めて2度ほどピッチ外に出てしまう場面があり、早い時間帯での交代が予想されましたが、フィンケは後半頭から阿部を下げてセルを投入。柏木を3列目に下げてしまういつもの迷采配ですが、この試合に限っては柏木の守備負担がほとんどなくて事実上4-1-4-1っぽい布陣になっている上に、動きまくるセルを湘南が全く捕まえられず、フィンケ采配は大当たり。
前半から何度もCKを取りながら全く入る気がしないのには参りましたが、ポンテ右CKが左に流れてからの宇賀神の折り返しをスピラがヘッドで先制。
61分:サヌ→堀之内
-----エジ-----
セル---柏木--ポンテ
---堀之内-細貝---
宇賀神-摩周-暢久-平川
-----山岸-----
久しぶりに先制点を得たフィンケは早々と堀之内を投入して攻守のバランスを回復。相変わらず湘南の中盤は機能不全に陥っているため、この辺からスピラや細貝、果ては暢久や堀之内までもがガンガン前に上がり始めます。
左サイドからセルの強引なシュートで2点目が入りましたが、これはスピラの攻撃参加がきっかけ。スピラがセルの外を回って相手DFを惹きつけたことによってセルのシュートコースが空いたのでしょう。
3点目は暢久の攻撃参加がポイント。セルが敵陣左奥深くでキープ→中央に上がってきた暢久のシュートがポストに当たったこぼれをエジが詰めたもの。
この得点で湘南は戦意も集中力も失ってしまったようで、4点目はポンテのボールキープで何人も惹きつけられてしまい、エジがどフリーでゴール前に侵入。エジをマークしているはずのジャーンが力なく形ばかり追走しているのが哀れでした。
80分:宇賀神→原口
-----エジ-----
原口---ポンテ--セル
---堀之内-柏木---
細貝-摩周--暢久-平川
-----山岸-----
最後はお疲れの宇賀神に代えて原口を投入。エジもポンテも相当お疲れですが、宇賀神の上下動もハンパないのでやむを得ないところでしょうか。但し前節はボランチ、今節は左SBと同ポジションの選手が2人とも交代してしまうのはちょっと気になります。
原口が加点すればお祭りに花を添えるようなものでしたが、残念ながらそううまくはいかず。一度原口が最も得意な左斜めから巻いてゴールを狙う場面がありましたが、シュートは枠外。DFライン裏への飛び出しもありましたが、ボールに追いついたところで角度なし。
最後の最後でCKのこぼれ玉をクリアしきれずに1点取られたのは誠に余計。埼スタでの湘南戦でも終盤にくだらない失点を喫していますが、こういう失点を失くしてもうワンステップ上がってもらいたいもの。
4点も取った攻撃陣にケチのつけようがありませんが、守備陣でこの日目立ってよかったのはスピラ。田原ごときでは全く歯が立たず、後半投入されたヴァウドも全く何もできず。危ない場面は悉くスピラが立ちはだかり、おまけにセットプレーで待望の先制点を上げ、さらには機を見て攻撃参加。
サヌがまだ真価を発揮しているとは言いがたいのが残念ですが、スピラを完全移籍で獲得したのはフィンケ監督&柱谷GMの大ヒットでしょう。
阿部---田原---エメ
--ハン----坂本--
-----田村-----
島村-山口--ジャン-臼井
-----野澤-----
61分 ハン・グギョン→ヴァウド
69分 田原→新居
76分 エメルソン→馬場
繰り返しになりますが、湘南の勝機は前半。先制点を許してしまった後はなすすべがありませんでした。新居を入れた辺りから4-2-2-2にシフトしましたが、フォーメーションを変えたところで中盤の崩壊は止めようがなく・・・
なお著書「主審告白」で話題騒然の家本主審の出来は素晴らしいものでした。まだ残留争いが本格化する前の下位同士の試合、主審にプレッシャーがあまりかからない気楽な試合ならではなのかもしれませんが(苦笑)、家本主審への野次は両サポーターから全くでなかったかと。
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