【観戦記】10年第16節:浦和 0-1 大宮
50分にわたって数的優位だったにも関わらず1点も取れず、FKからのワンチャンスを生かした大宮にまんまと逃げ切りを許してしまいました。わずか1点差にも関わらず、ロスタイムには席を立つ観客が続出。昨年良く見た光景です。
前半から後半15分にかけて浦和も相応にチャンスを作っており、ボールは保持しているがほとんど点が入る気配がなかった昨夏に比べれば格段にマシ。特に後半立ち上がりのセルや阿部のチャンスのように後方から相手DFライン裏に飛び出すプレーなんて昨年はあまり見られませんでしたから、確実に進歩しているのは確かなんですが、結果だけは昨夏と大差なし。京都戦でようやく良い流れを掴んだようにも窺えましたがまた振り出しに戻ったどころか、昨年から大宮に連敗、しかも共に完封負けという事実がフィンケ監督を難しい立場に追い込んでしまいました。
チャンスらしいチャンスもなく完封負けを食らった広島戦と比べれば、村上退場(40分)前にも何度か左サイド中心にチャンスが作れており、相手がどん引きになってしまった後も後半立ち上がりにビッグチャンスがあったので滅茶苦茶悪い試合とも思えないにも関わらず、非常に重苦しい、閉塞感たっぷりな思いがするのは大宮がマトを投入してから浦和にチャンスらしいチャンスがなくなってしまったところによるのかも。言い換えれば大宮の選手交代が非常に効果的だったのに対し、浦和の選手交代は立ち上がりにセルがビッグチャンスを得たのを唯一の例外としてほとんど効果がなかった点に起因するのかもしれません。
「勝ったメンバーはいじらない」という鉄則を踏まえたのか、中2日という厳しい日程にも関わらずフィンケ監督は京都戦と同じスタメンで試合に臨みました。前半の出来を見ればその選択は間違っていなかったのでしょうが、最後まで持たない選手が続出するのは確実な以上、前半のうちに点が取れないどころか相手に先制を許したのは大誤算。
達也の負傷でセルを早めに投入せざるを得なくなったのも誤算といえば誤算ですが、スピードもキレもなくなってマーカーを振り切れない達也の出来からすれば負傷でなくても妥当な交代。ところが、その後の交代は完全に不発。単調なクロスを入れるだけに終始(強引なシュートもありましたが、クロス共々周囲との連携は感じられず)した宇賀神はまだしも、原口に至ってはなんのために投入されたのか皆目判らず、周囲と噛み合うこともないままボールロストを繰り返す始末。セルも輝きを見せたのは投入直後だけでその後は迷走。これじゃどんなにヘロヘロだろうが、下り坂だろうが、前目はスタメンを固定せざるを得ません。
どん引きの相手をサイドから攻めるのは常道ですが、後半半ば以降の浦和の問題はサイドではなく明らかに中。エジもポンテも疲労困憊でボールをキープできなくなり、特にポンテにボールが入ったところは大宮守備陣の格好のボールの奪いところになってしまいました。これでは後方から阿部なり柏木なりが飛び込むこともできず。「ポンテが終るとゲームも終る」傾向を改めないとどうにもならないでしょうな。
-----エジ-----
達也---柏木--ポンテ
---阿部--啓太---
サヌ-坪井--摩周-平川
-----山岸-----
44分 達也→セル
65分 平川→宇賀神
72分 啓太→原口
繰り返しになりますが、前半から後半15分にかけては悪くはなかった試合だったと思います。広島は京都と違って大宮から専守防衛ではありませんでしたし、攻撃にも手数を掛けてくる(但しシュート意識は高くて無理目な位置、角度からでも積極的にシュートを撃ってくる)ので浦和としては比較的闘いやすい相手でした。サヌの正面が守備力に疑問符のつく鈴木規だったこともあってか、あるいは達也とのコンビネーションが良くなったこともあってか、浦和はサヌのドリブル突破を軸に再三左サイドから攻撃。
しかしせっかくのチャンスも「惜しい」で終ってしまい、先制された後は大宮のカウンターに脅かされるいつもの展開。幸いにも村上の退場で大宮はカウンターもままならなくなりましたが、浦和は1人少ない相手から1点も取れず。
---市川--ラファ--
藤本--------鈴木
---金沢--青木---
村上-深谷--坪内-渡辺
-----北野-----
65分 市川→マト
70分 鈴木→杉山
77分 ラファエル→石原
得点:28分 ラファエル
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