【観戦記】10年第21節:浦和 1-1 鹿島
先制しながらも試合終了間際に痛恨の同点弾を浴びて勝ち点3を取りこぼした格好になってしまいましたが、試合そのものは終始鹿島ペース。浦和が良かった時間帯は先制点、及びその後カウンターから2度ビッグチャンスを作った時間帯くらい。後半は中盤が決壊してPKを与え、これはなんとか山岸がセーブしたものの続くセットプレー、さらに小笠原をバイタルエリアでフリーにしてしまう等々、鹿島に立て続けに決定機を与えてしまいました。従って試合内容からすれば勝ち点3をとりこぼしたどころか、引き分けで御の字の試合でしょう。
ただ終始優勢に試合を進めながらも1点が取れない試合が常だったのに対し、劣勢の試合を耐えに耐えまくって勝ちが見えるところまで持っていったという試合はフィンケ政権下ではあまり記憶にありません。
玉際に厳しく詰める宇賀神、細貝。必死に駆け戻る柏木。そして絶体絶命のピンチに立ちはだかるスピラノビッチ。そこここで闘う選手達。ロスタイムに追いつかれるという衝撃的な結末にも関わらずスタジアムが拍手に包まれたのは至極当然。チケットは完売にも関わらず満席にはほど遠かったのが残念でしたが、こういう試合なら「また次も見に行こう」と思う方も少なくないかと。
-----エジ-----
宇賀神--ポンテ--原口
---柏木--細貝---
サヌ-摩周--暢久-平川
-----山岸-----
69分 暢久→坪井
75分 原口→峻希
84分 宇賀神→堀之内
得点:80分 ポンテ
レスター移籍交渉の過程にある阿部不在でぽっかり空いたボランチをどう埋めるのかが見物でしたが、結果は大方の予想通り柏木が一列下がりました。
しかしその結果は凶。もっともこれは柏木のせいではなく、エジ・ポンテ・原口の「ボールロスト3兄弟」のせい(まぁ前を向いてナンボの原口の責務は小さいとは思いますが・・・)。前半から前線でボールを失いまくってボールポゼッションで鹿島に完敗し、浦和らしい試合運びはほとんど出来ませんでした。
シュートどころか、岩政の前にポストプレーすら満足にこなせないエジ(ハイボールへの対応には難があるのは判りきっているのに、きっちりボールを繋がずに毎度毎度ドッカーンとボールを蹴ってしまう山岸もどうかと思いますが・・・)もさることながら、ここぞという時にボールを失いまくるポンテには唖然。平川は目の前でボールを失いまくるのでほとんど攻撃参加できず、左サイドもサヌにせよ宇賀神にせよ単騎攻撃にならざるを得ない場面も多々。
当然ながら柏木や細貝は終始守備に追われる始末。柏木がほとんど攻撃に絡めないようではボランチで起用している意味も半減。前半こそ相手に決定機を与えずにやり過ごせましたが、後半PKを与え、小笠原に決定的な一発を食らったのは中盤の崩壊が主因としかいいようがなく・・・
先制後に堀之内を投入してなんとか中盤のテコ入れを図りましたが細貝の大消耗は如何ともし難く、中盤で支えきれないのでDFラインが上げられずにロスタイムに波状攻撃を浴びまくる始末。これじゃ同点弾を食らうのも半ば道理。暢久、宇賀神と負傷で2枚も交代カードを切らざるを得なかったのも不運といえば不運でしたが、ベンチの面子を見れば難しい局面でもなんとかやってくれそうな人材は堀之内しかおらず、怪我人多発の現状で監督に出来ることは限られていたかと。
後半のエリア内突入で見せ場を作った(PKじゃないのか?)他は全くいいところなく、ボールロスト3兄弟の三男坊としか言いようがない出来に終始した原口に代えて峻希を投入。そしてこれがものの見事に奏功して右サイドからボールを繋いでポンテが先制! その後カウンターからのビッグチャンスが2度ありながらそれを決められなかったのも勝ちきれない一因に。
カウンターのチャンスに全力でスペースへ走りこむ堀之内には感涙しました(エジのパスがありえない緩さで堀之内に届かず・・・)が、相手コーナー付近での時間稼ぎに参加して案の定何の役にも立たなかったのには苦笑。本来の浦和であればゆっくり、かつ確実にボールを繋いで逃げ切りたいところですが、それが出来なかったのは残念無念。まぁそれが出来るようなら大苦戦には陥らないんですが・・・
---丸木--興梠---
フェリペ--------野沢
---青木-小笠原---
ジウトン-伊野-岩政-新井場
-----曽ヶ端----
81分 フェリペガブリエル→本山
88分 青木→大迫
得点:90+5分 本山
フィンケ政権下での浦和戦では、相手にボールを持たせてカウンターを狙うのが常だった鹿島ですが、この日は打って変わって非常に積極的な試合運び。最前線と2列目の出来の差は歴然でボールポゼッションで優位に立つだけでなく、ほとんどの時間で優位にゲームを進めました。落ち着いたボール回し、FW、SH、SBの連動を伴うサイド攻撃、そして相手を引き寄せてからのサイドチェンジ。相手がサイドへの意識が強まったところでバイタルエリアに顔を出す小笠原。なんか浦和のやりたいサッカーを鹿島がやっていたような・・・
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