【観戦記】10年第24節:浦和 2-0 新潟
怪我でマルシオとミシェウを欠く新潟はどう見ても攻め駒不足。前半こそ積極的に浦和ゴールに迫り、シュート総数でも浦和を上回ったものの、結局のところ90分を通じての決定機は前半終わりごろのチョの一発だけ。平川がチョの対面に回ってからは手も足も出なくなってしまいました。
一方浦和はボールを支配する時間こそ長いもののシュートを打ち切れずにカウンターを浴びる場面が目立ちました(特に前半)。90分を通じて圧倒的に攻めていた割にはシュート8本に終っていることが試合内容を如実に物語っています。スピラの負傷で突然CBが交代したことで浦和は少々落ちつきを失ったこともあり、新潟の前線がまともなら前半のうちに手痛い一発を食らっていてもなんら不思議はないと思いました。
しかし、その好機を生かせないのが今日の新潟。浦和は敵エリア周辺で渋滞に嵌るばかりでこれといった決定機を作りだせないまま前半を終えようとしていたのですが、バイタルエリアがぽっかり空いた隙を突いた柏木の見事なゴールでなんとか先制。もっともその隙は多数の選手間での軽快なパス回しから生まれたもので、柏木の個人技でもぎ取った得点ではない辺りが今日の浦和らしさ。
新潟の攻撃力を考えればこれで半ば以上勝ったようなもの。新潟がやや前半飛ばしすぎたこともあって後半はさらに浦和の攻勢が強まりましたが、何度も繰り出される長短のスルーパスは全部長すぎてGKキャッチ(但し、このスルーパス連発はかつては見られなかったもので、この辺りに昨今良く言われる「縦パスの意識の強まり」が見てとれます)。サイドからのクロスは誰にも合わずにファーへ転々(これは従来と変わらず(´・ω・`)ショボーン)。前半消えていた原口がようやく左サイドから得意のカットインで強襲を仕掛けだしたかと思えばシュートは全部DF陣を直撃(でも原口の積極性は十二分に評価できます)と、攻撃の形は出来ているものの決定機には至らないもどかしい展開。
新潟の攻撃があんまりだとはいえ、1点差では何かの拍子に失点してしまう可能性があるので気持ち悪かったのですが、負傷したポンテに代わって入ったセルが一仕事。右サイドを抉った達也→後方から突っ込んできた岡本がエリア内で潰れ→セルがDFをぶち抜いてゴール!と綺麗な形で決定的な2点目が入りました。
第10節名古屋戦(5/5)の勝利を最後にナビスコ杯を含めて埼スタで全く勝てなかった浦和。試合内容は昨年より格段に良くなり、気がつけば第24節消化時点での勝ち点は35と昨年(34)を上回りました。しかも得点は増加(28→35)し、失点は減少しています(32→27)。得点のほうは湘南戦や京都戦の固め取りで嵩上げされている感は無きにしも非ずですが、闘莉王放出にも関わらず失点が大きく減少しているのは特筆すべきこと。
にも関わらず観客が大きく減少しているのはひとえにホームで勝てないのが主因でしょう。この試合の観客は32,000人弱とまるでナビスコ杯並みの数値にまで落ち込んでしまいました。「サッカーの街浦和」といえども内容だけで満足できる人はそう多くはないことが白日の下に曝け出されたようで、誠に残念です。
-----エジ-----
原口---達也--ポンテ
---柏木--細貝---
サヌ-摩周--暢久-平川
-----山岸-----
15分:スピラノビッチ→坪井
54分:サヌ→岡本
72分:ポンテ→セル
得点:45+1分 柏木、81分 セル
スピラ、ポンテ、そしてサヌと外国人選手が揃いも揃って負傷。戦術的な交代が全くできませんでしたが、誰が出てもそれなりにチームとして機能するのが今の浦和の強み。おまけに途中投入された岡本とセルが共に2点目に絡むおまけつき。岡本の出来は出色で、U19代表で離脱(最大10/17まで)してしまうのをフィンケが悔やむのは道理。同世代、しかもアジアレベルの大会に出ることが岡本にとって何の意味があるの?ってたぶん喉元まで出掛かっているんでしょうけど。
岡本の何が良いって、まだユース在籍とは思えないほどの落ち着き払った態度。同ポジションの峻希と比べるとその差は顕著ですが、岡本が右SB、峻希が右SH/WGでユニットを組む日もそう遠くなさそう。
復帰2戦目の達也は体力がだいぶ戻ってきた様子。前半はエジと縦関係の2トップだったかと思いましたが、後半はほぼ右SHに張り付いた状態で攻守に奔走。
坪井が突如ピッチ中央に飛び出してそのまま前線へ進出。得点場面以外で一番スタジアムが沸きかえったような気がしましたが(苦笑)、左サイドでどフリーの坪井には全く無関心のエジ(´・ω・`)ショボーン
---田中亜--大島--
加藤--------チョ
---本間--小林---
酒井-永田--千葉--西
-----東口-----
HT:小林慶→三門
63分:大島→明堂
78分:田中亜→川又
スピラ退場後、しばらくは大島のポストプレーを生かしたような攻めが見受けられましたが、田中亜がさっぽり絡んでこないためかいつの間にか沙汰止みになり、次第にチョ頼みの○サッカーに。2トップを共に代えてみたところで全く効果なし。
浦和に対してポゼッション重視で挑む志は買えるのですが、この面子でガチンコ勝負を挑んで案の定力負けみたいな。
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