【観戦記】10年第27節:磐田 2-1 浦和
前半は押し込みながらも決定機を作れず、磐田のカウンター攻撃に脅かされる嫌な展開。後半早い時間帯に待望の先制点を上げながらもたちまち逆転され、その後は反撃らしい反撃もできずに久々の敗戦。
宇賀神、セル、そして途中から梅崎と怪我明けの選手を複数起用した割には試合内容はそんなに悪くはなかったと思いますが、残念ながら今日は最終ラインの安定感が乏しく、それが敗因になってしまいました。
そして浦和の最終ラインが不安定になったのは結局のところ前田とジウシーニョの執拗なフォアチェースが効いたのでしょう。1失点目は前田が暢久に絡んだことから。暢久は前半同様難なく前田を交わすかと思ったのですが、前田と接触して(?)あえなく転倒。その後は前田にライン際をスルスルと抜け出され、おっとり刀で帰ってきた平川もこれまたあっさり交わされ、中央に詰めたジウシーニョがゴール。
暢久がセーフティーに蹴りだしていれば何のことはない場面ですが、それをやらずに極力繋ごうとするサッカーなんで、こういうことは避けられないのかもしれません。それにしても坪井ならまだしも暢久がやらかすとは・・・ もっとも大絶賛に値するプレーを披露したかと思えば、ありえない凡ミスを犯してしまうのも暢久なんですが。
前半はGKへのバックパスが緩くて危うく掻っ攫われそうになった場面が2度あり、いずれも山岸が寸前でクリアして事なきを得ましたが、その際に山岸がジウシーニョと交錯して膝を強打。これがその後のプレーに影響したかどうかは判りませんが、2失点目は右からの磐田CKを山岸が被ってしまい(一応触ってはいるようですが、コースを変えるには至らず)、ファーにいた那須がどフリーでズドン。山岸はその後同じようなボールをもう一回被っていましたから、やはり何がしか問題を抱えていたように思うのですが・・・
浦和は後半立ち上がりから猛攻を仕掛け、強烈なプレスによる中盤でのボール奪取から3度チャンスを掴んでそのうちの一つを決めて見事に先制しましたが、その代償は大きく、若い両SHはたちまち疲弊。細貝もこのところ調子がいいとは言いがたく、ボールを奪いきれない場面が多々。
従って先制された直後に磐田が早めに両SHを代えて反撃に転じたのに対し、いつフィンケが守護神堀之内を投入するかが見物だったのですが、あっという間に同点に追いつかれてその機を逸してしまいました。もっとも2失点は選手交代の遅さとはほぼ無関係でしたが・・・
峻希はまだしも今日の原口の出来は良いとはいいがたく、かつ消耗度を考えれば梅崎投入は遅すぎた感もありましたが、大怪我から復帰後実戦経験が一度も無い梅崎の投入を躊躇するのも道理で、実際梅崎は赤サポの期待も虚しく大した働きはできないまま試合終了を迎えてしまいました。いかにも試合感がなさそうで、リターンパスに対して明後日の方向へ走っていたり・・・
終盤は超前掛りになって磐田をエリア内にくぎ付けにしましたが決定機には至らず。交代枠を一つ余したまま敗れてしまいましたが、投入されなかった高崎は前節でダメ出しを食らったんでしょうな。長身の割にはハイボールへの反応は良いとは言いがたく、しかも後方から高精度のボールを蹴れる選手が柏木しかおらず、さらにその柏木を前目に上げたので「高崎大作戦」なんてやりようがありませんし。
-----エジ-----
原口---セル---峻希
---細貝--柏木---
宇賀-坪井--暢久-平川
-----山岸-----
77分:原口→梅崎
85分:峻希→啓太
得点:56分 エジミウソン
引いてカウンター狙いの磐田を攻め倦む浦和。構図は今年埼スタで敗れた試合と似ていましたが、前回はシュート数こそ多いものの決定機らしい決定機はほとんどないまま試合を終えたのに対し、この試合、特に後半の立ち上がりはゴールを予感させるプレーがてんこ盛り。
サイドを深く抉る、あるいは速いパス交換や浮き玉で相手DFライン裏の狭いスペースを突く。そういう試みが何度も見られました。もっともボールがちょっと長くてシュートを撃ち切れない場面がほとんどでしたが、サイドから可能性の感じられないクロスを上げては相手DFに跳ね返されるの連続だった昨年と比べれば長足の進歩。そのお膳立てとしてエジのポストプレーが絶大な効果を発揮していました。
怪我明けのセルはやはりキレを欠いていてイマイチでしたが、それでも持ち前のフィジカルの強さを生かして何度か見せ場を作り、エジの得点をアシスト。達也と比べると守備の貢献は遥かに落ちますが、ポンテ不在の現在はボールを持てる唯一の選手なのでそれなりに使い出があります。
一方これまた久々スタメンの宇賀神の出来は攻守ともイマイチ。原口共々左サイドの攻撃が迫力不足だったのが攻め倦みの一因かと。
---前田--ジウ---
船谷---------西
---岡田--那須---
脩斗-康珍--古賀-康裕
-----川口-----
56分:船谷→成岡
60分:西→菅沼
90+2分:ジウシーニョ→金沢
得点:62分 ジウシーニョ、71分 那須
磐田のサッカーは正直面白いとは言いがたいんですが、負けないことを最優先とするならこういうのもありなんでしょうなぁ・・・ハナからどん引きというわけではなく、両FWを中心に相手最終ラインに執拗に圧力を掛ける。それが交わされると徐々に引いて守備ブロックを形成。必然的にボールを取る位置は深くなってしまいますが、ボールを奪ったらロングボールを前線へ放り込んで前田なんとかしてくれ!!! ってな感じ。
でもそういう相手に、より難しいことをやろうとしているチームが負けてしまうのもこれまたサッカー。
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