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2010.11.28

【観戦記】10年第33節:川崎 1-1 浦和

前半と後半とではまるで別のチーム。立ち上がり早々に簡単に左サイドを破られて失点し、その後も何度か川崎に決定的な形を作られてしまいました。

ところが後半頭から細貝、そして早い時間帯にセルを投入した後は、川崎の中盤が崩壊して浦和が大攻勢。セルのゴールで同点に追いつき、なおも攻勢を仕掛けましたが、相手を押し込むものの決定機には至らないといういつもの展開で逆転ならず。

もっとも選手達の「前へ、前へ」という気持ちは十二分に伝わってきましたから、惜しくも引き分けに終わったとはいえ満足感のある試合でした。

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---エジ--ポンテ--
サヌ--------峻希
---堀之内-柏木---
宇賀神-坪井-暢久-岡本
-----山岸-----

HT:堀之内→細貝
59分:サヌ→セル
83分:峻希→啓太

得点:75分 セル

返す返すも残念なのが前半の出来。フィンケは前日の会見で明言した通り、横浜M戦と全く同じメンバーをスタメン起用しましたが、これが非常に不可解。横浜M戦の前半はポンテの活躍で2点取ったとはいえ内容は良くなく、終始横浜Mに攻撃の形を作られていました。

元来運動量の多い柏木が不調の上、エジ、ポンテ、そして堀之内あたりがいずれも連戦でお疲れで中盤の守りが薄くなったのが横浜M戦前半苦戦の主因。従って横浜Mよりもずっと攻撃力が強い川崎相手には前節後半頭からの投入で大活躍した細貝をスタメン起用するものと思ったのですが、なぜかフィンケは細貝を温存。そしてそれがものの見事に大失敗に終わった感のある今日の前半でした。

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立ち上がり早々ジュニーニョがタメをつくって、簡単に浦和左サイドを攻略。宇賀神が坪井がフォローしているジュニーニョの足元へ不用意に飛び込んだのが大失策で、あとは後方から飛び出してきてクロスを上げたSB伊藤もどフリーなら、決めた矢島もどフリーという、浦和にとっては目も当てられない展開。

その後は引いて守ってカウンターを狙う川崎の思う壺。浦和は攻守にミスが多く、ボールをただ持たされているだけでほとんど攻め手らしい攻め手なし。チャンスらしいチャンスはポンテが川崎DFのミスに乗じてエリア付近に突入して放った一本だけ。堀之内が盛んに攻撃参加していましたが、結果的に川崎のボールの奪いどころとして狙われていただけのような・・・

川崎のジュニーニョへの縦ポン攻撃は浦和DF陣がオフサイドトラップを駆使してなんとか防いでいましたが、川崎が人数をかけて攻めてきた際には両サイドがやられ気味で、立ち上がりと同じようなパターンでサイドから決定機をつくられてしまった他、FKからも危ない場面が一度。いずれもGK山岸の好守で事なきを得ましたが、前半のうちに3点差くらい付けられていてもおかしくないほど浦和の出来は低調で、川崎の出来は素晴らしかったと思います。

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どう見ても中盤のデコ入れが必須と思われる展開になって、フィンケは後半頭から細貝→堀之内。堀之内が前半何度か傷んだためかもしれませんが、こんなところでカードを使う羽目になるなら最初から(笑) これでボールを前目で奪う力が格段に強まって浦和の守備が改善。もっとも相変わらず浦和の右サイドの裏を狙われ続けて気持ち悪い場面も数多くありましたが、フィンケはこの日全くキレのないサヌに代えてセルを投入。これが劇的に効いて形勢は一変(終盤セルが強引なドリブルで川崎の中盤を力ずくで突破した場面が圧巻!)し、浦和が両サイドから大攻勢を仕掛ける展開になりました。

しかし、サイド奥深くまでボールを運び、エリア内にいるエジにボールを入れるところまでは行くのですが、そこからフィニッシュにまでなかなか持ってゆけないのは相変わらず。たまにフィニッシュに繋がってもシュートは悉く枠外で、ポンテ→セルでGKの頭上をぶち抜いて同点に追いつきましたものの、それが精一杯。そもそもエジが満足にキープできない上にポンテや峻希はお疲れ、柏木が不調で細貝も攻撃面では本調子とは言いがたい様子でしたから、エリア内からの折り返しを2列目、3列目が決めるという形はできそうで出来ず。

峻希の電池切れで代えるのは良いとして、投入されたのはなんと啓太。フォーメーションも4-3-2-1っぽい形になりましたが、ここで原口を起用しなかったのはやはり横浜M戦で独善的なプレーを連発したのが監督の不興をかったのかと。

後半一方的に攻めているにも関わらず引き分けに終わってしまいましたが、だらだらとボールを回していたわけではなく、なんとかゴールをこじ開けようと攻撃陣が走り回っていたのは手に取るように判っただけにがっかり感は全くなく、爽快とはいきませんが、それなりに満足感のあった試合でした。

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---矢島--ジュニ--
楠神--------黒津
---横山--中村---
小宮山-菊地-井川-伊藤
-----相澤-----

65分 楠神→小林
75分 黒津→谷口
87分 伊藤→森

得点:1分 矢島

一方後半の川崎はジュニーニョを浦和右サイドに張らせてからの縦ポン攻撃に終始。浦和は何度か右サイドを抉られ、またジュニーニョ→矢島で決定機も一回作られてしまいましたが、坪井と山岸の奮戦でなんとか追加点を与えず。川崎の選手交代は攻守ともに何の役にも立たず、攻撃陣の疲労で縦のスピードがなくなるにつれて川崎の攻撃はフェードアウト。遅攻を強いられたあげくにビルドアップに失敗して浦和のカウンターを浴びる場面も目立ちだし、川崎の出来は浦和と対照的に竜頭蛇尾かなぁ・・・

カウンターが得意な川崎が積極的に前に出てくる浦和に対して先制するという必勝パターンに持ち込みながらホームで勝ちきれず。相手にしてみれば滅茶苦茶ダメージが残る引き分けだったかもしれません。

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