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2010.11.08

【観戦記】10年第29節:広島 2-1 浦和

またしても終了間際の失点で敗戦。この日一番の活躍だった岡本が足を攣って離脱した時点で浦和の勝ちの目は限りなく薄くなり、とはいえ中3日の広島も終盤は疲労の色は隠せず。従って1-1のドローで終わってしかるべき試合でしたが、中盤でのミスを機にあっという間に最前線の寿人へボールを送られ、飛び出したGK山岸は簡単に交わされて致命的な失点を喫し、直後に試合終了。心が折れるような負けっぷりでした。

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前半はなんとか先制したとはいえほぼ防戦一方。後半は一応持ち直したものの、PKと思われたサヌへのチャージがなぜか流された他、エジがGKとの1対1を決められなかったり、壁パスでフリーでエリア内に突入したサヌや岡本がシュート精度を欠いたりと、決定機を逃しまくって勝ちきれず。

前目が怪我人だらけでサヌをFW起用する奇策(といってもサヌにとって左SBよりは本職に近いんですが・・・)を打たざるを得なかったのに加え、しかも暢久がなんと前日練習の最後の最後で負傷しまい、CBに急遽堀之内を起用。最終ラインのレギュラー3人(暢久・スピラ・宇賀神)を欠く非常事態。これでもなんとか試合の形になることにはある意味感心しますが、守備の脆さは如何ともし難かった様子。

決定機の数は似たようなものだったかと思いますが、守備陣の崩れっぷりは浦和のほうが凄まじく(後半半ば以降堀之内は立っているのが精一杯で長いボールを蹴れなくなってしまったのがなんとも・・・)、広島のパスミスに随分助けられてスコア上は競った形になっただけのような・・・

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広島は言うまでもなく左WBミキッチのドリブルが脅威。前半SH原口は終始守備に忙殺されて最終ラインと一体化。さらに広島はミキッチを追い越してDF森脇が盛んに攻撃参加(その間は森崎和が最終ラインへ)。この森脇への浦和の対応が実に曖昧で、浦和の左サイドは常にやられ気味。しかもその左サイドに注意が行き過ぎて右サイドのWB山岸なりDF槙野なりがどフリーと浦和守備陣はいつやられても不思議はない惨状。

サイドがやられまくるので怖くなって急造DFラインが下がるのか、DFラインが下がるので中盤のプレスが効かずにサイドを効果的に使われてしまうのか、その辺の因果関係ははっきりしませんが。

またこの日ははっきりとした2トップで普段より中盤が薄くて両ボランチに負担がかかったのは一目瞭然。しかも細貝はコンディションが良くないのか一歩目の動きに鋭さが無く、これも前半浦和劣勢の一因に。もっとも浦和の先制点はサヌが広島最終ラインにプレッシャーをかけまくっていたところに細貝が飛び込んで槙野(?)をなぎ倒したところからでしたが。

広島が肝心なところでミスを連発してくれるので前半はなんとか無失点で折り返せましたが、後半早々原口の裏に走りこんだミキッチにパスを出された時点で半ば勝負あり。その折り返しを李がズドン! 敵ながら惚れ惚れする美しいゴールで、同じ負けるならこんな感じにバッサリやって欲しいもの。もっとも李をフリーにした浦和CBは困ったものですが・・・

この日の原口の出来は酷いもので、守備に忙殺されて持ち味をだせないのはともかく、左SBに回った平川との連携はあって無きがごとし。たまに攻めたかと思えばカットインして跳ね返されるの繰り返しで、途中で啓太に代えられたのも無理はありません。

啓太投入後、サヌが左SHに回り、柏木がトップ下へ。これで左サイドの守備は多少マシになりましたが、最前線でそこそこの働きをしていたサヌの位置が下がったために、浦和の攻撃は次第に手詰まりに。右SB岡本の攻撃参加に唯一可能性を感じました。特に峻希との連携の良さは出色。何の連携もない左サイドとは対照的。しかしその岡本が足を攣って濱田との交代を余儀なくされた時点で浦和の勝ち目はほぼゼロに。

先制された広島は後半頭からいきなり高柳に代えて寿人を投入。両サイドからのクロスに素早く反応する寿人は怪我明けといってもなかなかの脅威。同点に追いついた後も板子一枚状態の浦和守備陣を両サイドから、あるいはスルーパス一発で盛んに攻め立てましたが、その後投入された山崎の出来がイマイチなせいか、あるいは中3日のタイトなスケジュールの影響が出たせいか、こちらも次第に攻め倦みに。

 従って引き分けで終わると思ったんですがねぇ・・・

 怪我人の多発と終盤の粘りの無さ。今季浦和の不振の原因はこの2つに集約されそうですが、どちらも監督を代えたところでどうなるというものではなさそう。

 怪我の多発については試合中あるいは練習中の接触・交錯による避けがたい怪我が多くて不運な点もありますが、セルのように筋肉系の怪我を繰り返している者に対しては監督云々以前にクラブとしてやるべきことがあるでしょう。

 粘りの無さについては、メンタルの問題に起因するところ大。可能性大だが経験の乏しい若い選手と監督の要求をこなすのに一杯一杯で心に余裕が無いベテラン選手だらけという選手構成ゆえなのかもしれませんが、この辺は中堅どころの補強に頼るのが即効的かも。

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---サヌ--エジ---
原口--------峻希
---柏木--細貝---
平川-坪井-堀之内-岡本
-----山岸-----

62分:原口→啓太
84分:サヌ→高崎
86分:岡本→濱田

得点:31分 エジミウソン

 怪我人だらけで試合経験豊富な控え選手が啓太しかいない状況下で監督の打つ手は限られますが、残念ながらその限定的な手も効果的とはいい難く、劣勢を覆すには至らず。攻撃に多くを期待できない啓太はせめて中盤の汗かき役になってくれればいいのですが、もはやかつてのような運動量は望めない(あるいはどこへ動くべきなのか迷いまくっている)ようで、スカスカの中盤を埋めきれず。

 それでも啓太はまだマシで、絶望的だったのは高崎。二人がかりのプレスを受けて柏木が苦し紛れに出したパスを受けた高崎はいきなり転倒。相手DFのファウルを盛んにアピールしてましたが、そんなことをしている暇があったら守備についてボールを追えっちゅーねん。その後主審になにやら抗議してくだらないイエローを頂戴。急遽FW起用されたサヌがエジとの連携は完成にほど遠い出来ながら、それなりのパフォーマンスを示した以上、今後もはや高崎の出番はないでしょうし、オフの補強如何では来季浦和にいることすら難しいかと。

 岡本が足を攣って右SBに投入されたのはなんと濱田。とにかく1対1だけは負けるなという指示くらいしか貰っていないのではないかと思われるプレーぶりでしたが、やっとこさ掴んだチャンスを生かせず。

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-----李------
---高萩--高柳---
山岸-和幸--青山-ミキ
--槙野-中島-森脇--
-----西川-----

HT:高萩→寿人
60分:高柳→山崎
79分:李忠成→森崎浩

得点:51分 李忠成、90+1分 佐藤寿人

 

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