西九州の温泉巡り(3):嬉野温泉
(西九州の温泉巡り(2)から続く)
武雄温泉に続いて、佐賀県のほぼ中央にある嬉野温泉へ足を伸ばしてみました。西九州屈指の大温泉地ですが、武雄温泉駅からJRバスで約30分と車がないと行きにくいのが嬉野温泉の難儀なところ。
武雄温泉とは異なり嬉野温泉には鉄道が通りませんでした(肥前電気鉄道というのがあるにはあったのですが、経営難で戦前のうちに早々に廃止)。旧長崎街道の佐賀・長崎県境には難所「俵坂峠」があって、街道沿いに嬉野から大村湾沿いの彼杵へ鉄道を通そうにも当時の技術や資金力では難しかったのかもしれません。
それでも嬉野が凋落せずに済んだのは立派なもの。しかも長崎新幹線が開業した暁には、ついに待望の「嬉野温泉駅」が誕生予定。
嬉野温泉の公衆浴場「古湯」は老朽化と2005年3月に発生した福岡県西方沖地震でダメージを受けて往訪時はあいにく工事中でしたが、現在は「シーボルトの湯」として営業を再開したようです。
工事現場には在りし日の「古湯」の写真が飾られていました。
温泉街にある足湯「シーボルト」。覆いにかつての「古湯」のデザインを生かしています。嬉野温泉は武雄温泉と比べるとはるかに規模が大きく、温泉街をそぞろ歩く仕掛けも随所に見受けられます。
嬉野温泉は美肌に効果がある重曹泉で、入浴した後につるつる感があることからか、「日本三大美肌の湯」の一つに数えられることも。
嬉野温泉で一際目立つ「大正屋」で入浴。
いくつもの風呂がありますが、案内されたのは「四季の湯」。1000円取るだけあってタオル・バスタオル付き。
脱衣所はロッカーがなく籠だけで日帰り利用を想定したわけではなさそうですが、鍵つきの小物入れがあるのは嬉しい配慮。
天井が高く、かつガラスを多用した明るい浴室。風呂はL字型に近い不定形ですが、やや浅めな反面、腰湯が出来るような段が一切ないのはいかがなものかと。また周囲に自然木を植えているので、湯の中に枯れ葉が落ちているのが目立ちました。湯は残念ながら循環・塩素殺菌ですが、「三大美人の湯」と称するだけあってそれなりにつるつるとした湯ざわり。
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【温 泉 名】嬉野温泉
【施 設 名】大正屋
【入浴料金】1000円
【交通手段】武雄温泉駅からJRバスで約30分。嬉野温泉下車すぐ。
【泉 質】含食塩重曹泉
【源 泉 名】大正屋源泉
【泉 温】96度
【コメント】加水あり、循環、塩素系薬剤使用
嬉野といえば温泉と並んでお茶が有名ですが、嬉野名物として「湯どうふ」も積極的に売り込んでいます。
「大正屋湯どうふ本舗」のサイトによると
「普通の湯豆腐が煮ると硬くなっていくのに対して、嬉野温泉の湯どうふは煮込むほどまろやかになり、やわらかくとけて白子のような舌触りになります。その秘密は豆腐を煮込む温泉水(調理水)にありました。嬉野温泉特有の成分が豆腐のタンパク質を分解し、煮込むほどにとろけてなめらかな味になり、旨味のある白濁したスープに浸っていくのです。」
とのこと。
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