【観戦記】10年第34節:浦和 0-4 神戸
フィンケ2年間の集大成、そして勝ってポンテを送り出し、あわよくばエジミウソンの得点王と意気込んでの最終節でしたが、終ってみれば結果・内容とも無残なものに。監督自ら認めるようにこの2年間で最低の試合でした。最終戦ということで久しぶりに46,000人近くの観客が入りましたが、この試合だけを取り上げて「フィンケはだめだった」「フィンケをクビにしたのは正解」とのたまう輩が山のように出てくるのも致し方ないでしょう。
惨敗に終った主因は残念ながら急遽CBに起用された濱田に求めざるを得ません。早い時間帯からポポとの1対1で苦戦し、自陣深いところでFKを与えたりしていましたが、なんでもないロングボールに対して目測を誤ってとうとう失点。後半開始早々にはPKを与えてしまい、その直後に堀之内に代えられてしまいました。暢久が出場停止。スピラは全体練習に復帰しているものの、天皇杯に向けて無理はさせられない。普段ならフィンケは堀之内を起用したのではないかと思うのですが、最後に大きな経験を積ませてやろうという親心(?)が仇に。
濱田は今季何度か試合に出ているものの、ポジションは全部ボランチでCBでの公式試合出場経験は全くありません。練習の話を聞く限り、今年はボランチよりもむしろCBで勝負だったようで、本来なら天皇杯で1~2試合CBでの試合経験を積ませたかったところ。ところが啓太が怪我で長期離脱してしまい、天皇杯では2試合ともボランチでスタメン出場することになったのが不運といえば不運。最後の場内一周で濱田は泣いていましたが、今日の失敗を次の出場機会で取り戻すことが、失敗する機会を与えてくれたフィンケ監督への最大の恩返しでしょう。
浦和が良かったのは前半15~25分くらいかな? 立ち上がりなかなか中盤が作れませんでしたが、15分過ぎあたりからようやく攻撃の形を作り始め、2度ばかり決定機があったかと思いますがそれを決めきれず。「好機を作るものの決めれない」のは浦和につきまとう問題点の一つでしたが、最後まで解消できず。
2失点を喫した後の浦和の出来は実に悲惨。柏木が自陣深い位置で不用意にボールを失ってからの失点なんて守備の体をなしていませんでしたし、攻めては自陣に引いてエリア内でブロックを作る神戸の前に手も足も出ず。ロスタイムにはあろうことか坪井が簡単に振り切られて追加点を献上。この日で埼スタを去るポンテを始め、誰一人として合格点を上げられる選手はおらず、これではJ1残留を目指して必死に走る神戸を凌駕するのは難しかったかと。っちゅーか、神戸は最初からこれくらいやっていれば残留争いにどっぷり浸からなくて済んだような気が・・・
-----エジ-----
セル---ポンテ--峻希
----細貝-柏木---
宇賀神-坪井-濱田-岡本
-----山岸-----
52分:濱田→堀之内
70分:細貝→啓太
87分:ポンテ→原口
-----ポポ-----
小川---吉田----朴
---ボッティ--三原---
茂木-河本--北本-石櫃
-----徳重-----
74分:ポポ→森岡
81分:吉田→イ ジェミン
83分:茂木→小林久
得点:31分・52分 吉田、59分 朴、90+3分 小川
試合終了後、当然ながらフロントを糾弾する長大ダンマクが登場。「サポーターに見放されるぞ」の部分が新しいように見えるのは何故なんだろう?
社長の挨拶がなかったことに憤っている方もいらっしゃるようですが、こんな通り一遍の挨拶をされても怒りが倍加し、最後のセレモニーをぐちゃぐちゃにするだけで何の意味もありません。社長が出てきたら出てきたで、罵声・怒号の嵐で誰も話なんて聞いていないでしょうし(フィンケの挨拶ですら指笛ピーピーで聞いてない奴がいるのになぁ・・・)。
元来浦和はホーム最終戦に挨拶をする習慣なんてないんだし(99年降格時ですら社長挨拶はない)、惨敗→(´・ω・`)→フィンケ挨拶→ポンテ挨拶という流れで良かったかと。
もっとも挨拶不要といってもフロントの責任を不問に帰すわけでは全くありません。フロントのビジョン(そんなものを持っているとは到底思えませんが・・・)をファン・サポーターを前に説明し、意見交換する場こそ即刻設けるべきかと。
何の見所も無い惨敗を喫して挨拶を少々変えざるを得なくなったフィンケ監督。何の哲学も、何のポリシーもないクラブに2年間もお付き合いいただきありがとうございました。
「私が一つ願っていることがあります。それは私たちのこのクラブの責任者の方々が、今後も専門的に優秀な手腕を発揮すること、そして、少しばかり運にも恵まれること。」
心に沁みます。
一つのタイトルも取れなかったどころか、在任期間中の成績は下がる一方だった監督が選手一同による胴上げで送り出されるなんて滅多にないんじゃないかと・・・
浦和に数々のタイトルをもたらしてくれたロブソン・ポンテ。5年半の長きにわたり、浦和を支えていただき誠にありがとうございました。
来年もまたその勇姿がどこかで見られるのを楽しみにしています。
| 固定リンク