九州逍遥(4):大牟田の近代化遺産
(九州逍遥(3)から続く)
熊本 8:23 (6330M クモハ815-27) 9:16 大牟田
翌朝は一転鹿児島本線を北上して、炭田関連の近代化遺産が多数残る大牟田を訪れてみました。
駅前の観光プラザでレンタサイクル(4時間:300円)を手配したものの、「近代化遺産巡り」に適した地図は持ち合わせておらず、アバウトな地図が乗ったパンフレットのコピーがあるのみ。
世界遺産を目指しているみたいだけど、なんか現地は笛吹けど踊らずみたいな格好。当方でそこそこ下調べしておいて正解でした。
大牟田駅から東へ緩やかな坂を登ってやってきたのは「宮浦坑」。かつての宮浦坑の一画が宮浦石炭公園として整備されています。「月が出た出た、月が出た」の炭坑節にも煙突が出てきますが、三池炭鉱に残る大煙突はこの一本だけ。
往時にはさらに高い煙突がいくらでもあったそうですが、老朽化に伴ってほとんどが取り壊されてしまいました。
坑道へと入ってゆくトロッコを展示。
こちらは宮原坑。車の通りが多い道から外れて、もともとは炭住だったと思われる廃屋の目立つちょっとヤバげな住宅街の中に忽然と建っています。周辺は立ち入り禁止で遠望するしかありません。
上写真はかつての第二竪坑。主に人員昇降用で、排気、排水、揚炭の役割も兼ねていました。
竪坑にレンガ造の巻揚機室が付属しています。
こちらは万田抗。宮原坑よりも一段と規模が大きいのは一目瞭然。
宮原坑がほったらかし状態だったのと比べれると、万田坑はパネル展示がしっかりしているます。残念なことに構内立ち入り禁止。アクセス道路の補修工事が進められていたので、そのうち観光用に整備されるのかもしれません。
旧三井港倶楽部。1908年(明治41年)に三井財閥の迎賓館として清水組 (現在の清水建設)の設計によって建てられたもので、現在も結婚式場・レストランとして存続。
三池炭鉱はかつての三井財閥の金城湯地。
三池港閘門。有明海は干満の差が激しいため、パナマ運河と同様の閘門式のドックを持っています。もっとも訪れたときはたまたま満潮で、タグボートはあっさり港内へ入って行きました。
三川変電所。1907年建設の四山発電所で起こした電力を、鉄道用に変電する施設として、1909年に発電所の南隣に建てられたもの。三池炭鉱閉山にともない三池炭鉱専用鉄道の本線の大部分が廃止されたため、変電所も不要となって解体になるはずだったところ、地元企業「サンデン」が買い取って修復・保存しています。
三池騒動の舞台となった「三川抗」の場所が判らなかったのが残念至極。
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