【TV観戦記】日本 2-1 シリア
久りぶりに痺れる試合でした。
いや、先制した日本が優勢のまま試合を終えるべきところ、主審が香辛料を振りかけまくってやたら「痺れる」試合になってしまったといって差し支えない試合でした。
不可解なPK&川島一発レッドで同点に追いつかれた上に一人少なくなった日本でしたが、全く慌てることなくすぐさま反撃開始。岡崎が最前線で粘りに粘ってどう見ても帳尻合わせ臭いPKをゲット。PKキッカーは遠藤ではなく本田。本田はなんとど真ん中に蹴り、横に飛んだGKの脚に危うくぶち当ててしまうところでしたが、幸運にもボールは脚の間をすり抜けました。
その後足が止まりがちになった日本はシリアの攻勢にひやっとする場面もありましたが、川島に代わった西川が好セーブ。追加タイム6分にも驚かされましたが、最後はシリアDFが愚かしくも立て続けに2枚イエローをもらって退場してしまい、日本はなんとか逃げ切りに成功。
一緒に練習する機会の少ない代表はこういうしんどい試合を通じて強くなるもの。これがW杯予選だったらタマランかったでしょうけど、チーム作りの早い段階、しかもアジアカップという公式試合の場で経験できたのは結果的に良かったかと。
-----前田-----
香川---本田圭--松井
---遠藤-長谷部---
長友-今野--吉田-内田
-----川島-----
65分:香川→岡崎
75分:前田→西川
90+2分:松井→細貝
得点:35分 長谷部、82分 本田(PK)
シリア得点:76分 Firas Al Khatib (PK)
ヨルダン戦でひと叩きした日本は選手のコンディション、連携とも格段に良くなっていました。シリアは立ち上がりからヨルダン以上に積極的にプレスを仕掛けてくるものの、日本は少ないタッチ数で軽快にボールを回し、再三右サイドから良い形を作りました。ヨルダン戦と比べて明らかに変わったのは2列目が盛んにポジションを変えているのと、本田の上下動が目立つようになったこと。
先制点はその本田の飛び出しから。その後香川、松井、長谷部と次々攻撃陣がエリア内に飛び込んで長谷部がゴール!コンビネーション・サッカーが結実したかのような実に素晴らしいゴールでした。
その後も、謎のPKに至るまで日本がほぼ一方的に攻勢。しかし残念なのはこの日も前田。全般にヨルダン戦よりはマシと思いましたが、序盤に内田のクロスに対しどフリーになりながらもヘディングシュートは枠外。その後もDFラインの裏に良い飛び出しを見せながらもシュートを撃ち切れなかったり、うまくマークを外しながらもシュートは枠外だったりとJリーグでの好調ぶりからすればイマイチ、イマニ・・・ 香川も先制点に絡んだ以外は消えている時間が長く、また香川をフォローする長友が攻撃面ではほとんど何もできない有様で、共に日本の攻撃が右サイドに偏りがちな一因になってしまいました。
攻撃はややもどかしさを抱えながらも守備はほぼ完璧。シリアはロングボールを多用した縦に速い攻撃しかないので、相手FWへの対応に間違いがなければさほど怖くはなく、実際謎のPKに至るまでシリアのチャンスはゼロ。従って日本がCKからのチャンスも含め、何度かあった好機に追加点を挙げていれば日本完勝で終わるはずでしたが・・・
謎のPKは、相手のロングボールに対してDFとGKの連携が一瞬ずれて、GKがやや遅れて飛び出さざるを得なかったのが遠因かなぁ? その後もボールを外に出せそうなところで出せずに、謎のPK判定へ。PK自体は謎としか言いようがありませんが、守備陣の連携に拙さが垣間見えた場面でもありました。
一人少なくなった日本は少人数で縦に速い攻撃を仕掛けるしかなくなったわけですが、シリアが勝ちを焦って中盤を削って前目の選手を入れてくれたのが幸い。スカスカになったシリアの守備陣は、少人数になったとはいえ日本攻撃陣の格好の餌食になり、岡崎が走り回って見事PKを獲得。既に1勝しているシリアは勝ちを焦る必要はなく、数的優位を生かしてじっくり攻める手もあったはずですが、じっくり攻めようにもそういう術を持ち合わせていないのかも・・・
日本は1勝1分で、ヨルダンと勝ち点4で並びながらも得点で上回って首位。日本・サウジの2強と見られたB組ですが、なんとサウジが連敗で早々とグループリーグ敗退。日本も苦戦の連続で、アジア各国の力の差が接近していることを如実に示す結果になっています。
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