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2011.04.25

【観戦記】11年第7節:浦和 3-0 名古屋

・震災による長い中断期間を経てようやくJリーグ再開&浦和のホーム初戦。浦和の試合感のなさが懸念材料でしたが、そんな懸念は全くの杞憂に終わり、立ち上がりから名古屋を圧倒して前半のうちに2得点。

・後半は当初名古屋の猛攻を浴びて自陣に釘付けになりましたが両CBを中心に耐えに耐えて、後半半ばからはカウンターが炸裂しまくり。どういうわけか名古屋戦に強い原口が隼磨からボールを奪い取っての独走で3点目を上げて大勝。終盤にマゾーラなりセルなりが加点していれば提灯行列ものでしたが、ともあれ昨年のJチャンピオンを完膚なきにまで叩きのめして浦和は今季初勝利を上げました。

・得点は全部カウンターから。但しパターンは全部違って1点目は達也が長い距離を走ってシュート→マルシオ詰める。3点目は名古屋の最終ラインにプレッシャーをかけるのをサボらなかった原口へのご褒美。面白かったのは2点目で名古屋のロングボールに対して永田がケネディに競り勝ち、柏木スルーパス→マルシオ抉って折り返し→達也という昨年ではありえなかったパターン。

・神戸戦の4-2-3-1を放棄して柏木を前に出して暢久をアンカーに据え、わりとはっきりした4-1-2-3に布陣変更。これで最も活きるようになったのがマルシオ。攻撃陣同士の距離感がぐっと縮まって、柏木共々「活かし活かされるタイプ」の選手が輝きを取り戻しました。

・また攻撃戦術にもかなり手を加えた様子。従来は両WGの単騎突破に全てを託すような単純極まりない攻撃に堕していたように見受けられましたが、右サイドに関しては完全にそれを放棄。マルシオはもちろん柏木も右サイドをフォローするように動いて昨年同様の人数をかけた攻撃に変わっていました。

・原口もタッチラインに張り付かずに中へ絞って待機。往々にしてファーでフリーになっている原口を上手く使えれば浦和の攻撃も一皮剥けるような気がします。その意味では後半の「右サイドからのクロス→エジ、バイシクルシュートは空振り(笑)→原口詰めるもシュート打ち切れず」が一番可能性があったかな? 前半も原口は好機で宇宙開発。それでも一応点は取ったので看過されがちですが、好機におけるシュート技術には依然課題が。

・名古屋の中盤は常にスカスカ。ソウルでの一戦をこなしてからの中4日というのはそれなりに厳しかったのか名古屋は動きも悪く、そんな相手に浦和の攻撃が上手く嵌って早い時間帯に浦和が2点先制に成功しましたが、残念ながら浦和の守備もそれほど褒められたものではありませんでした。陣形が間延びしたもの同士の戦いで、動きのよさで浦和が優位に立っただけという感じ。

・名古屋は2点先制されてから反撃に転じましたが、そこで狙われたのが峻希。峻希は永井とポジションを代えて左に回ってきた金崎への応対には苦労。安易に飛び込んで交わされる場面が目に付き、正直冷や冷やもの。名古屋のクロスの精度が良くないのと、ケネディに対して永田がなんとか食らいついて事なきを得てはいましたが・・・

・2点先制で折り返した後半。浦和は低めの位置に4+1+4みたいなブロックを形成して、しっかり守ってカウンターみたいな意図が伺われましたが、これまた機能せず。浦和が前半飛ばしすぎて運動量が落ちたのと、暢久が最終ラインに吸収され気味で中盤がさらにスカスカに。

・啓太の出場停止でアンカーに抜擢された暢久ですが、「大過はなかったが小過はたくさんあった」という状態で、しかも後半はバテ気味。柏木やマルシオが守備に奔走しまくってなんとか尻拭い。攻撃は昨年のベースにペトロ流が良い感じに上乗せされたような気がしますが、守備組織はまだまだ整備途上かなぁ・・・ 

・ただ昨年と違って高さのある永田&スピラが肝心なところで跳ね返りまくってなんとかゴールを死守。中盤はスカスカだけどCBは強いって、どこの名古屋やねん・・・ しかも名古屋よりGKが格段に落ちる・・・ この辺の浦和の弱点がリーグ戦が進むにしたがって露になってくるかもしれません。中盤でパスをしっかり繋いでくるチームには相当苦戦すると予想します。

・この日の守備で良かったのは3トップが名古屋の最終ラインのプレッシャーをかけまくったこと。これをさぼると闘莉王の縦パス一本で永井にDFライン裏へ抜け出されかねませんし、前目が頑張ったことで中盤スカスカにも関わらず最終ラインが楽になったかと。

・不甲斐ない相手に助けられて存外の大勝。実績の乏しいペトロビッチ監督にとってこれ以上ない形でのスタートになりました(その前に1試合あったのをすっかり忘れてしまった気も・・・(苦笑))

20110424010

原口---エジ---達也
---柏木--丸塩---
-----暢久-----
宇賀神-永田-摩周-峻希
-----山岸-----

得点:12分 マルシオ・リシャルデス、25分 達也、78分 原口

80分:達也→セル
84分:暢久→青山隼
84分:原口→マゾーラ

・後半半ばからカウンターし放題の展開になりましたが、残念だったのは3点差という楽な展開で起用されたマゾーラ。マゾーラは緩急をつけたドリブルで闘莉王を転倒に追い込む見せ場を作りながらシュートを決められず。それはまだしも10分も持たずに息が上がる始末。これじゃスタメンでは使いようがありません。震災後にいったん帰国して来日が遅れたのが祟ってコンディション不良なんでしょうが、ちょっとなんだかなぁ・・・

20110424005

-----ケネ-----
永井---藤本---金崎
---小川--中村---
阿部-増川-闘莉王-隼磨
-----楢崎-----

HT:吉村→中村
63分:金崎→吉田
69分:藤本→田中輝

・名古屋の布陣は試合開始時は4-2-2-2だと思いましたが、前半の永井はどう見てもケネディより低い位置におり、しかも藤本が真ん中。なんでACLで一応結果を出した布陣を変更したのかよく判りませんが、永井と藤本はほとんど機能しなかったような・・・

・後半の名古屋は矢継ぎ早に選手を代え、その度に布陣も変えていましたが、前目ではもっとも効いていた金崎が故障した時点で万事休す。永井が左SHに回ってきましたが、峻希は単に速いだけの相手には難なく対応し、逆にボールを奪い返して逆襲に転じる場面も。永井の見せ場はスピラをぶっちぎってのクロスだけだったかな?(ケネディのヘッドは永田がかろうじて付いて枠外)

・三都主を使わずにこれといって実績のない若手をピッチに送り出した時点でピクシーは勝負を投げたような・・・

・ついに埼スタへやってきた闘莉王は甚だ精細を欠いていました。再三の「大作戦」もサイドから一向にボールが来なくて不発。

・名古屋は今年もゼロックス杯やACLで乏しい内容ながらもそれなりに結果を出していますが、内容が内容だけに負ける時はこんなもんでしょうなぁ・・・

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